カブ生活

第十八回「クロスカブに乗る」

掲載日:2013年07月30日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

真夏の東京は煮えておりますが、信号待ちでクロスカブと並べば「おおっ」と気持ちが上がり、つい覗き込んでしまいます。見つめ過ぎて不審がられないよう気をつけなくちゃ!

カブ愛好家の間では話題沸騰のクロスカブ。6月の発売以来、都内でもけっこう見かけるようになりました。わたしの身近では早々と購入した友人のM子さんがおりまして、彼女はクロスカブを旅バイク仕様に変身させるべくカスタム進行中。まずはスマホの充電用にソケットを付け、リアキャリアにはボックスを搭載しました。今後はスクリーンや予備タンクの増設に着手するそうで、計画を聞いているわたしもワクワクしてきます。じつは彼女、これが初めてのカブなのです。ふだんはBMWのF650で各地をツーリングする旅上手なバイク乗り。ところがクロスカブを手に入れた途端、「エフロクより出番が多くなりそう…」との爆弾発言をして驚きました。最初こそカブのギアチェンジ(走行中はリターン方式で停止時はロータリー方式)に混乱したそうですが、慣れてしまえば旅へのイメージが膨らみます。「大好きなフェリー旅に向いているのでは…」と、新たな旅も計画している様子。なるほど遠距離フェリーならば、たとえば北海道や九州といった遠方への移動も楽チンです。原付2種はフェリー代が安上がりだし、身体も休みながら行けるから一石二鳥。大排気量のバイクとは一味ちがう身軽な旅が楽しめそうです。

さてさて先日、わたしもクロスカブに乗る機会に恵まれました。せっかくなのでM子さんに負けじと“ゆるカブ”的な楽しみ方を考えてみることに。ホンダさんのHPで「日常に遊びとアドベンチャーのエッセンスを。」との一文を読んで閃きました。山へ行く相棒にするのはどうでしょう。たとえば都内からなら秩父や奥多摩、丹沢など近郊の山へ。ちなみに登山道へエントリーするのって林道を長く歩くことも多く、意外に時間が掛かるものなのです。クロスカブはオフ仕様ではないものの、最低地上高がプロ110と比べても20mm高くて、普通乗用車が走行できる林道ならば問題なく走れそうです。駐車スペースもクルマほど場所を取らず気を遣わなそう。で、さっそく山行きの道具をザックに積め込んで試乗してみたところ、背中をまっすぐにした姿勢のままで乗れるせいか、歩いているときよりザックを負担に感じませんでした。もしリアにボックスを付ければ、登山中に余計な荷物をカブに置いておくこともできるでしょう。さらに登山がOKなら渓流釣りにも使えるだろうし…とまあ、いろいろアイデアが膨らんできます。難を言えば、こんな風に欲しくなってムズムズしてくるのが、玉にキズなんだよね。

シート高は784mm。身長160cmのわたしはゆったりと座れます。広いリアキャリアには大きなザックや登山靴などを載せても余裕でしょう。背負う場合、ザックの底がキャリアかシートに接地するようストラップを調節すれば、もっと楽なはず。できればトレッキングポール専用のホルダーをリアキャリアの側面につけたい。

わたしの羽カブ90と並べてみると、かなり大柄なのがわかります。タイヤはどちらも17インチですがマフラーはクロスカブのほうが高い位置です。

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