カブ生活

ゆるカブ第百二十二回「カブ迷所探訪?! 東京ギロチンガード」

掲載日:2020年03月08日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

わわわ、タクシーの提灯が取れちゃう!! 頭上を新幹線や山手線が走るこのガードはタクシーの運転手さんの間で「提灯殺しのガード」とか「ギロチンガード」などとも呼ばれています。

2020年に消滅か!? 古きよき東京遺産をカブで走る!

高さ1.5m制限のガードだなんて、バイクならジャイロキャノピー(全高1690mm)が通過できないかもしれない低さ。ここは東京都港区高輪二丁目にある「高輪橋架道橋」です。

ビルが林立する国道15号からひょいと曲がると、にわかに昭和時代の下町へタイムリープしたかのような体で現れる迷所ガードなのです。頭上は東海道新幹線やJRの在来線が轟音を立てて往来し、ガード下すれすれをタクシーが走り、通行人や自転車に乗る人は身を縮めて通り抜けます。

勢いよく侵入して車体が跳ねたら一発アウトなクリアランスか! タクシーの運転手さんもよくわかっていて一旦停車してからソロソロと入っていきます。

ガードの手前には制限高1.5mの標識が目立つように設置。高輪側から侵入する一方通行です。

バイクもけっこう見かけます。ガード下は車道と歩道に分かれていて高輪側からの一方通行。道路幅は5mほど。高輪地区と港南地区を繋いで約230mの長さ。

線路の東西を繋ぐ生活道路だけに歩行者や自転車の利用も多く、親子で二人乗りの自転車や界わいにお住まいらしい外国人の方をお見かけします。身長の高い人は窮屈そうに身を屈めて歩きます。

ガードに侵入して100mほどの地点。空間が狭く息苦しい感じがします。閉所恐怖症の方は辛いかも。低速を促す金属の鋲が一定間隔で現れます。

カブに跨ったまま立っていますが160㎝の松本の頭上は握りこぶしひとつ分のスペースしかありません。

こちらはガードを通り抜けた出口側(港南地区)です。しばらく張っていたらキャノピーつきのスクーターが登場。見た目はギリギリなのだけど、よほど慣れているのか減速することなく通過!

ところで、このガードはJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」(2020年3月に暫定開業予定)の開業に伴う再開発で消滅し、新たな道つけで新設される予定です。今年の4月には車両が通行止めになると聞き、慌てて出向いたのは3月1日。ガード周辺を探したところ通行止めの告知などはまだありませんでした。でも近々通行止めになるのは間違いないようです。

ガードの歴史をたどれば1872年(明治5)に開通した新橋と横浜を結ぶ鉄道の工事によってできた水路が埋め立てられ大正時代に道路になったそうです。ガード下の高さが実質約1.7mと低いのは当時の基準(男性は160㎝台前半、女性は150㎝ほど)なのか。明治から大正時代を経て令和まで残り続けた東京遺産の迷所ガード。カブで走って実感(記憶)できるのはいまだけですよ!

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