掲載日:2019年08月18日 原付漫遊記 › 松本よしえのゆるカブdays
え・文・写真/松本よしえ
写真をよ~くご覧くださいませ。このカブのハンドルグリップ辺り、なんだか不思議じゃありませんか。ホーンがなぜこの向きに?
このカブはアクセルを開ける時に手前じゃなくて向こうへ捻る? 左手で操作ができるようにカスタムされた現役の出前カブでございます。その昔は岡持ちを右手に提げて出前するカブがいて、左手アクセル仕様があったという話も聞きますが、実物を拝見したのは初めて。いまや絶滅危惧種でしょう。
じつはこちらは三重県の津市の食堂です。鈴鹿8耐の前夜祭のパレードが台風6号の悪天候で急きょ中止になったため、ぽっかりと空いた時間に連れて行ってもらいました。60年近く前からカブで出前をしているという老舗食堂ですから、一部ではカブの聖地とも呼ばれています。2年連続で中止になった鈴鹿のパレードはたいへん残念でしたが、お店で頂けるホンダさん公認の100枚限定シール「カブ圏内」と「逆出前中」もしっかりゲット。思いがけずカブ縁の地を訪ねられてよかったなぁ。
でね、なんと左手側にアクセルとブレーキがついております。アクセルを開けるときは左のグリップを手前じゃなくて向こうへ捻るのですよ。ご一緒したカブ仲間一同は逆アクセルカブを囲んで盛りあがりました。
三重県津市大門にある老舗食堂「仲見世 大森屋支店」です。出前専用車は2台。その1台が逆アクセル仕様で、金色のバッジがまぶしい50周年記念のカブでした。カブのある店頭から去りがたく入店いたします。
ホンダさん公認の「カブ圏内、逆出前中」のシールを頂戴しました。連れていっていただいた津市在住のおサルのボスさんは「なにを食べても美味しいよ」とお薦め。店頭では化学調味料、冷凍食品不使用の表示も発見。
「みそかつ定食」を「みそかつ丼」にとワガママを聞いていただきました。甘渋い八丁味噌の味です。添えられた味噌汁も赤だし。
あっさりした「中華そば」も絶品! チャーシューやメンマも手作りの味で汁は飲み干せます。
台風通過後の雨にも負けず、食後は50m先の「津観音」へ。食堂の店名に「仲見世」とあるのは観音様の門前にあるという証です。ちなみに食堂から観音様へ向かう道筋は伊勢へと続く伊勢街道。「津観音」は日本三大観音(浅草寺、大須観音と並ぶ。709年創建)という古刹です。
かつては津市の繁華街として栄えた大門界わいはシャッター商店街に。昼なおひっそりとした商店街を歩いた後に食べる津市の名物「蜂蜜まんじゅう」は格別。ハチミツ入りの生地の中はこしあん。焼きたてのアツアツが食べられるのはここだけです。
津市は鈴鹿市のお隣りで国道23号ぞい。鈴鹿サーキットや伊勢へ出掛けたら再訪したいです。歴史や栄えた足跡をたどるディープな町巡りが面白そう。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!