

掲載日:2015年02月23日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/野岸“ねぎ”泰之
アイドリングストップ機構のついたeSPエンジンは、30km/h定地走行テスト値が80.0km/L、WMTCモード値でも56.4km/Lという、驚異の省燃費ぶりを発揮。信号待ちで3秒ほどするとスッとエンジンが止まり、ほんの少しでもアクセルを開けると非常に滑らかに再始動する仕組みのため、特にアイドリングストップを意識することなく、ごく普通に乗りこなすことができる。しかもアイドリングストップはスイッチにより任意でオンオフが可能で、バッテリー電圧が低下した際には自動的にキャンセルされ、バッテリー上がりを防いでくれる機能が備わっている。
エンジンをかけて走り出すと、ゆったりしたポジションのせいもあるのか、乗り味はしっとりと落ち着いた印象で、路面の凹凸などでもバタつく挙動は少ない。しかしアクセルを開けると意外なほど力強い加速を見せてくれるため、それが走りの安心感につながっている。とても燃費のいいエンジンなので、もっとのんびりした加速だと思っていたのだが、いい意味で裏切られた印象となった。
スピードメーター自体は見やすくベーシックなタイプだが、液晶部分に燃料計と時計を配置。特に時計は、通勤・通学時には手軽に時間を確認できるため、便利で実用的な装備といえる。新生タクトはスタンダードモデルでありながら、乗り手のユーティリティもおろそかにしない……きちんと仕立てられた既製服のような満足度の得られる、コストパフォーマンスと使い心地を両立させたスクーターといえるだろう。
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