ヤマハ YZF-R3 ABS
ヤマハ YZF-R3 ABS

ヤマハ YZF-R3 ABS – 走りの性能を高めた上級モデル

掲載日:2015年11月19日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真/伊勢 悟  動画/倉田 昌幸  衣装協力/HYOD

R25の車体に320ccエンジンを搭載し
走りの性能を高めた上級モデル

『YZF-R3』は、2014年からアジアをはじめ世界へ展開しているグローバルモデルだ。YZF-R25の車体をベースに排気量をアップし、軽量コンパクトな車体に、よりパワフルなエンジンが搭載されている。元々の扱いやすさに加え、動力性能が上乗せされているのが特徴だ。

ロードレースへの関心が急速に高まりを見せているアセアン・アジア市場に向けたハイエンドモデルであり、大型モデルを主流とする先進国市場におけるエントリーモデルとしての位置づけも、一卵性双生児であるR25と同じ。では、果たして何が違うのか? 今回の試乗で解き明かしてみたい。

ヤマハ YZF-R3 ABSの特徴

ヤマハ YZF-R3 ABSの画像

排気量アップだけでなく
R3専用に各部を最適化

YZF-R25のエンジンをベースにシリンダー内径を8mm拡大し、ボア×ストロークを68.0×44.1mmに設定した水冷並列2気筒4バルブDOHC320ccエンジンを搭載。42ps/10,750rpmの最高出力と、R25に対して3割増しとなる3.0kgf-m/9,000rpmの最大トルクを発揮する動力性能が、R3の最大のアドバンテージである。ちなみに吸排気系およびECUのセッティングもR3専用に最適化されている。

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シャーシは軽量かつ剛性バランスに優れるトラス構造によるスチール鋼管製ダイヤモンドフレームを採用。スポーティな走りと乗り心地を支える前後サスペンションには、フロントにアルミ製ハンドルクラウンおよびアンダーブラケットを持つ、φ41mm大径インナーチューブの正立フォークを採用。130mmの余裕あるストロークと相まって、スムーズかつ剛性感のあるハンドリングを実現している。また、リアにはリンクを廃することで軽量化とマスの集中化を図るヤマハ独自のモノクロスサスペンションを採用。125mmの豊富なホイールトラベルとロングスイングアームにより、優れた路面追従性とトラクション性能を獲得。さらにバネ下重量を低減し、ハンドリングに磨きをかけるアルミ鋳造10本スポークホイールやABS装備の前後ディスクブレーキを採用するなど、スポーツ性能を高める足回りの充実ぶりにも注目したい。

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タイヤに関しても、サイズこそR25と同様ながら、増大したトルクとパワーに対応して速度レンジが「S」から「H」にグレードアップされている。

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ヤマハ YZF-R3 ABSの試乗インプレッション

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軽快なハンドリングはそのままに
排気量を生かしたトルクフルな走りが魅力

スーパースポーツらしいフルカウル仕様なのでかなり前傾ポジションかと思いきや、乗ってみるとハンドル位置は意外と高めでシートは低め。スリムな車体と相まって、かなり足着き性は良い。ハンドルもよく切れるので取り回しもしやすい。

250ccのR25に対して、R3と聞くと300ccかと思うかもしれないが、じつは320ccというのがミソである。おそらくこのシリンダーブロックが許す限りの最大ボアを求めた結果の排気量なのだろう。最初から設計に余裕を持たせていたのかもしれない。もちろんエンジンに合わせて吸排気系もしっかり調整されている。いわばメーカー純正のチューニングマシンだ。ゆえに強力かつ扱いやすい。

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排気量が70ccも増えた恩恵は乗ってすぐに分かる。まず出足が鋭い。発進でのクラッチのつなぎが楽だし、狭い交差点を曲がるときも半クラッチでごまかす必要がない。ピークパワーに目がいきがちだが、じつは日常域での扱いやすさも増しているのだ。ツーリングでは高速道路での加速の伸びが違うし、登りのワインディングでもギアをキープしたまま行ける。例えば、R25だと一段下げて2速にするところが3速のまま、という具合だ。楽して速く走れるのがいい。

ハンドリングは基本的にR25と同じで、素直で扱いやすいのが美点。軽量コンパクト、スリムな車体を生かした軽快なハンドリングだ。車重がほぼ同じ(R25 ABSより1kg重い)なので、トルクがあるぶん車体を振り回せる。より軽快感が増している気がするほどだ。

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エンジンの出力特性も貢献している。コーナーでアクセルを閉じて、また開けていくときのフィーリングが絶妙で、ギクシャクすることなくスッとついて来てくれるので姿勢の乱れが無いし、精神的にも疲れない。非常にコントロール性が良く、自分の思い通りのラインを描ける。

加えて、豊富なストローク量を持つ前後サスペンションのしなやかな動きが、スロットルに連動した姿勢変化をきれいに作ってくれるため、コーナー進入では素直に倒し込めて、立ち上がりでは気持ちよく開けていける。YZF-R1にも通ずるスポーティかつ上質な乗り心地が味わえるのもヤマハらしい。

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ブレーキは初期タッチが柔らかく、奥でよく効いてくれるタイプだ。入力はコントローラブルで、ABSの作動はさらに奥の方なので、サーキット走行などのスポーティな走りにも十分対応できると思う。

スタイリングとディテールの完成度も魅力だ。機能美に満ちたメーターまわりやLEDテールランプをはじめ、全体的に質感が高く作り込まれている。性能はもちろんのこと、見栄えのする大柄な車格と言い、何台も乗り継いだベテランライダーが乗ってもその気にされてしまいそうな、本格的スポーツモデルだ。

YZF-Rシリーズの流れを汲む本格的なフルカウルボディでありながら、高めのセパレートハンドルや足着き性に優れる780mmのシート高を採用するなど、スポーティかつ普段使いにも優れた作りは、R25同様、幅広いユーザーにおすすめだ。

ヤマハ YZF-R3 ABSの詳細写真

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R25のエンジンをベースにボア×ストロークを68.0×44.1mmに拡大した水冷並列2気筒4バルブDOHC320ccエンジンを搭載。吸気ファンネルやエキゾースト長、ECUなどのセッティングは専用となっている。

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フロントブレーキは2ポットキャリパー+フローティングマウントのシングルディスクを採用。φ41mmのインナーチューブを採用したフロントサスペンションとともに、剛性感の高い確実なブレーキングを実現。本モデルはABS仕様となる。

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前後ホイールとも軽量なアルミ鋳造10 本スポークを採用。リアブレーキは1ポットキャリパー+シングルディスクの組み合わせ。ショートサイレンサーによりマスの集中化も実現している。

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精悍さをアピールする2眼逆スラントヘッドライトを採用。スポーティなセパレートハンドルタイプながら、ハンドル切れ角は34度と十分な余裕を確保した。

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R1と共通イメージの14リットル容量のフューエルタンク。スリムな後端部、エッジの効いた上辺部など、スポーツライディングを想定したデザインとなっている。

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シート高は780mmと大型スポーツモデルに比べるとかなり低めの設定。スリムなシートや、イニシャルがソフトに沈み込む前後サスペンションとも相まって足着き性は良好だ。

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テールライトは被視認性とともに見た目のグレード感も高いLEDタイプ。ウインカーはホワイトレンズを採用する。

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R1譲りの左右非対称ロングスイングアームを採用。穏やかな姿勢変化と優れた路面追従性、トラクション性能を実現する。

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フロントブレーキのマスターシリンダーは油圧タイプを採用。ストローク感のあるコントローラブルなタッチが印象的だ。

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しっかりとローレットが刻まれたフットペグや別体式ヒールプレートを備えた本格的なステップまわり。シフトリンケージは同軸式ではなく、短いストロークで節度感あり。

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リアシートの下にはETC車載器を収納できるスペースを用意。その他、車載工具と小物程度なら入るかも。

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機能満載なメーターまわり。アナログ式タコメーターとデジタル式速度計、中央上にはシフトタイミングインジケーターを配置。ギアポジション、燃料計、水温計、瞬間燃費や平均燃費、時計、トリップ1/2、オイル交換時期などを表示。

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SPECIFICATIONS – YAMAHA YZF-R3 ABS

ヤマハ YZF-R3 ABS 写真

価格(消費税込み) = 63万1,800円
※表示価格は2015年11月現在

「毎日乗れるスーパーバイク」をコンセプトに、YZF-R25の軽量かつ高性能な車体をベースに、排気量を320ccにアップしたフルカウルライトスポーツ。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク DOHC4バルブ並列2気筒
■総排気量 = 320cc
■ボア×ストローク = 68.0×44.1mm
■最高出力 = 31Kw(42ps)/10,750rpm
■最大トルク = 30Nm(3.0kgf-m)/9,000rpm
■トランスミッション = 6速
■サイズ = 全長2,090×710×1,135mm
■車両重量 = 169kg
■シート高 = 780mm
■ホイールベース = 1,380mm
■タンク容量 = 14リットル
■Fタイヤサイズ = 110/70-17
■Rタイヤサイズ = 140/70-17

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