ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 試乗インプレ・レビュー

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS
ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS

掲載日:2014年05月01日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー   

取材・文/佐川 健太郎  写真/山家 健一  動画/倉田 昌幸  衣装協力/HYOD

新しくなったニューミッドコンセプト
NCシリーズはどう変わったか

ホンダが提唱する新時代のモーターサイクル、『NC700X』に有段式自動変速機(=デュアル・クラッチ・トランスミッション、以下DCT)を搭載した『NC700X DCT』が登場したのが2012年。兄弟車であるネイキッドタイプの『S』に比べ、よりアップライトなポジションとロングストロークのサスペンションを採用し、市街地やロングツーリングでの快適性や幅広いシチュエーションで走りの楽しさを味わえる“クロスオーバーコンセプト”はそのままに、排気量アップとDCTの改良により、さらに機動力を増した最新モデルが『NC750X DCT ABS』である。従来モデルに比べてどこが新しく、どう変わったのか、しっかりと見極めたいと思う。

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 特徴

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よりパワフルに熟成しつつ
DCT特性も最適化

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 写真『NC750X DCT ABS』は、他の兄弟シリーズである『NC750S』や『インテグラ』とともに、排気量アップを図りながら燃費性能の向上と装備の充実化が図られているのが特徴だ。エンジン面ではまずボアを4mm拡大することで、従来モデルに比べ最高出力を3kW(約4ps)アップ、最大トルク値も発生回転数を変えることなく向上させている。その一方で、トランスミッションもハイレシオ化され、燃費性能もさらに高められた。また、従来の1軸バランサーから2軸バランサーとすることで、振動を低減し、快適性を高めるなど進化。

 

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 写真デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)には、状況に応じて的確なシフトチェンジを自動的に行う“ATモード”と、シフトスイッチにより任意に変速できる“MTモード”が設定されている。ATモードには一般走行に適した“Dモード”とスポーツ走行向きの“Sモード”が搭載されているが、今回はよりエンジンの低・中速域の力強さを活かした変速特性に変更しつつ、エンジンブレーキがより効く設定とするなどセッティングを最適化しているのがポイントだ。また、マフラー内の構造変更により、歯切れの良いエキゾーストサウンドとするなど音質にもこだわった。

 

車体は基本的に従来どおりだが、今回新たにオフロードイメージのパターンタイヤを採用し、クロスオーバーコンセプトのスタイリングを強調。また、メーターに瞬間および平均燃費を表示する機能を採用。シート表皮の変更やブレーキレバーを調整式とするなど、装備のアップグレードが図られている。なお、DCT仕様はABSが標準装備となり、シート高を30mm低くして足着き性に配慮したローダウンの『Type LD』が設定されているのも従来どおりだ。

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 試乗インプレッション

イージーさはそのままに
操る楽しさもアップ

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 写真NC750Xに乗ってまず感じたのは、ずいぶんとパワフルになったという印象。従来のNC700Xでも同じDCT仕様に乗ったが、発進の加速力が違う。元々低速トルク型のエンジンではあったが、出足によりパンチが増した感じだ。たった50cc分、4馬力程度の増量ではあるが、数値以上の力量感がある。サウンドがより力強く弾ける音質になったことも効いていると思うが、体感的にはかなり“速くなった”感があるのだ。DCTのセッティングも従来より自然なフィーリングになった。たとえば、Dモードだが、以前はいかにもコンピュータ制御という感じで、燃費重視のためかシフトアップのタイミングが極端に早く、自分が欲しい回転数が得られにくかったが、新型ではシフトタイミングがより実際の走行フィールに合ってきている。特にシフトダウンの場合、以前はタイミングが遅く、シフトボタンを自分で任意に操って積極的にギアを落としていかないと適切なエンジンブレーキが得られず不安なシーンもあったが、それがだいぶ解消されている。

 

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 写真もちろん、より回転数を上げてトルクバンドに乗せて加速したり、エンジンブレーキを有効に使ってコーナーに向けて車体の姿勢を作っていきたいときなどはSモードがおすすめだし、さらにライダーが積極的に関与してアグレッシブにバイクを操っていきたいときはMTモードをセレクトすべきだ。つまり、シフト操作に慣れていないビギナーやベテランでもラクして快適に乗りたい向きにはATモード、安全かつイージーにバイクを操る楽しさを味わいたいならMTモード、といった具合に、操作の仕方に幅広い選択肢がライダーに与えられているところがDCTのメリットだ。それが今回、熟成進化したわけだから大歓迎である。

 

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 写真ただしDCTも万能ではない。ノロノロ渋滞でも半クラが必要なく絶対にエンストしないのは心強い限りだが、極低速のUターンでは、逆に半クラを使えないので微妙な速度コントロールがしにくい場合もある。究極を言えば、コーナー進入時などもマニュアルトランスミッションであればブリッピングシフトダウンで瞬時に数段ギアを落とせるが、MTモードでもそこまでの瞬間的なギアチェンジはできない。もし、そこまでの関与を求めるのであれば、素直にマニュアル仕様のNC750Xを選べばいいだけだ。

 

クロスオーバーコンセプトを掲げる“X”は、同じエンジンと車体を持つ兄弟車の“S”に比べると大柄でシートも高めだが、乗ってみるとサスペンションの沈み込みで見かけより足着きも良く、コンパクトで軽い。便利なラゲッジスペースも、何も入れていなければ空洞のため、コーナーに向けての倒し込みも非常に軽く、それでいてエンジン搭載位置が低重心のため、旋回中でもピタリと安定感がある。扱いやすく、トルクフルな出力特性にも助けられて、とてもフレンドリーな、誰でも安心できるハンドリングに仕上がっている。

 

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 写真また今回、ブレーキが前後連動方式ではなく通常タイプとなり、Uターンなどの極低速で扱いやすくなったことも個人的には歓迎したい。扱いやすくて操る楽しさもあり、その気になればそこそこ速いし、便利なメットインスペースもあって、スタイルも良い。そしてホンダが誇るハイテクも身近に体験できる。まさに、老若男女すべてにおすすめできる“国民バイク”と言ってもいい存在だろう。

 

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SPECIFICATIONS – HONDA NC750X Dual Clutch Transmission ABS

ホンダ NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション ABS 写真

価格(消費税込み) = 83万8,080円
※表示価格は2014年4月現在

“ニューミッドコンセプト”シリーズとして開発した『NC700』シリーズの排気量を拡大し、各部を熟成しさせた進化版。“X”はクロスオーバーコンセプトモデルで、有段式自動変速機構であるDCTを搭載。

■エンジン型式 = 水冷OHC 直列2気筒 4バルブ

■総排気量 = 745cc

■ボア×ストローク = 77×80mm

■最高出力 = 54ps(40kw)/6,250rpm

■最大トルク = 68Nm(6.9kgf-m)/4,750rpm

■トランスミッション = 6速

■サイズ = 全長2,210×全幅840×全高1,285mm

■車両重量 = 229kg

■シート高 = 805mm

■ホイールベース = 1,540mm

■タンク容量 = 14リットル

■Fタイヤサイズ = 120/70-17

■Rタイヤサイズ = 160/60-17

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