モトグッツィ V7 Classic 試乗インプレ・レビュー

モトグッツィ V7 Classic
モトグッツィ V7 Classic

モトグッツィ V7 Classic

掲載日:2008年09月11日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー    

現代の技術でよみがえった
イタリアンモーターサイクルの金字塔

現存するイタリアのバイクメーカーで、もっとも古い歴史を持つのがモトグッツィだ。モトグッツィは長い歴史の中で、度々エポックメイキングなモデルを開発し、世界のバイクシーンに大きな影響を与えてきた。その中でも、現在のモトグッツィの車体構成である「縦置きVツイン+シャフトドライブ」の源流となった「V7」は、特に重要な1台だ。イタリアの警察用車両として開発され、評価の高さから民生用としても発売、世界中のライダーを虜にした。また、そのイタリア製としては初となる大型モーターサイクルとして、歴史にその名を残している。今回紹介する「V7クラシック」は、モトグッツィのリバイバルプロジェクトの一環として、V7を現代の技術で再構築したモデルだ。日本国内でのモトグッツィはどちらかというとエンスージアスティックなバイクと思われているが、近年では価格や信頼性も国産モデルと接近、にわかに注目度が高まっている。国産モデルには見られないユニークなエンジンと駆動系の組み合わせと、イタリアンバイクならではの美しいスタイリングを持つV7クラシックは、その中でもひときわ目を引く1台。このニューモデルがどんなテイストなのか、早速確認してみることにした。

モトグッツィ V7 Classic 特徴

モトグッツィ V7 Classic 写真オリジナルへの敬意と新解釈が作る
新しくて懐かしいスタイル

一言で言うと、美しい。それこそがV7クラシック最大の特徴であり美点だ。1967年に登場したV7と同じホワイトのボディに、レッドとブラックをあしらい、現代風にアレンジされたスタイルは、非常に品のある美しさだ。各部のメッキパーツも効果的に配されており、シンプルなスタイルにマッチしたアクセントとなっている。また、注目したいのは個性的な形のタンクで、またがった瞬間ぴたりと足が納まる絶妙の形状。クラシカルなイメージを演出しているタックロールタイプのシートも、座ると心地よいホールド感だ。ついルックスばかりについ目が行ってしまうが、バイクとしての造り込みも相当なもの。ポジションの快適さや足の自由度が高いステップ位置なども含めて、ただのリバイバルモデルではないことを感じさせてくれる。

 

忘れてはならないモトグッツィ伝の縦置き90°Vツインエンジンは、現代の技術でコンパクト化。しっかりと存在感を主張しながらも横へ張り出しが押さえられており、スリムな車体に対して良好なバランスを保っている。特にまたがったライダーから見ると、空冷フィンの並びが主張しながらもバイク全体のまとまりを崩さないように仕上がっており、走る前にじっくりとながめてしまった。どこか懐かしいようで、新しいのがV7クラシック。紛れもないニューモデルではあるのだが、オリジナルのスタイルをうまく解釈しなおしているため、「ああ、これが現代のV7なのだ」と有無を言わさず納得させられてしまうのだ。同じようなコンセプトのクラシックテイスト・バイクは多いが、オリジナルへの敬意と新解釈という点で、V7クラシックは1枚上手と言えるだろう。

V7からはじまった縦置き90°Vツインエンジンはモトグッツィの象徴とも言えるもの。リバイバルモデルであるV7クラシックには、高い信頼性と低燃費を誇るブレヴァ750用をベースにしたエンジンが搭載されている。

伝統の縦置き90°Vツイン

V7からはじまった縦置き90°Vツインエンジンはモトグッツィの象徴とも言えるもの。リバイバルモデルであるV7クラシックには、高い信頼性と低燃費を誇るブレヴァ750用をベースにしたエンジンが搭載されている。

1960~70年代のイタリアンバイクのデザインをリスペクトしたカラーリングとボディラインが特徴的。タンク形状、シートはもちろん、スポークホイールや葉巻型マフラーなど、当時のスタイルを思い起こさせる。

美意識を感じさせるボディライン

1960~70年代のイタリアンバイクのデザインをリスペクトしたカラーリングとボディラインが特徴的。タンク形状、シートはもちろん、スポークホイールや葉巻型マフラーなど、当時のスタイルを思い起こさせる。

ポイント

もう一つの個性、シャフトドライブ

モトグッツィのもう一つの特徴はシャフトドライブだ。Vツインエンジンと同じくV7から採用されており、現在のラインナップすべてが同機構を採用。メンテナンス頻度の低減と、走行時の静音化に貢献している。

クロームメッキのリングがあしらわれた2眼式メーターは、70年代に採用されていたヴェリア製のものをほうふつとさせる。盤面の文字や目盛りもクラシカルで美しい。液晶部は時計や外気温計の機能も備える。

メーターはこだわりの美しさ

クロームメッキのリングがあしらわれた2眼式メーターは、70年代に採用されていたヴェリア製のものをほうふつとさせる。盤面の文字や目盛りもクラシカルで美しい。液晶部は時計や外気温計の機能も備える。

モトグッツィ V7 Classic 試乗インプレッション

どこまでも走りたくなる面白さと
甘やかな鼓動がライダーをくすぐる

モトグッツィ V7 Classic 写真期待に胸を高鳴らせつつVツインエンジンに火を入れると、軽く身震いしてV7クラシックは目を覚ます。フューエルインジェクションによる始動性は良好で、早朝でもセルボタンの一押しでエンジンに火が入る。アイドリング時のエキゾーストノートは750ccクラスとは思えないほど低く、それでいて耳に心地よい音質だ。ゆっくりとスロットルをひねって走り出せば、豊かな低速トルクとともに美しい音色を奏でてくれる。Vツインの振動はとげとげしいものではなく、まろやかといっていいほどのバイブレーション。心地よい低音とあいまって、非常に甘やかな鼓動を伝えてくれるため、走り出すと「足を着きたくなくなる」ほどだ。

 

モトグッツィ V7 Classic 写真
もちろん、ただテイストが良いだけはない。細めの前後タイヤが生み出すコーナリングは軽快で、ライダーのアクションにあわせて気持ちよいリーンを楽しめる。ブレーキは前後ともシングルローターだが必要十分で、どれくらいブレーキをかけているかがわかりやすい設定だ。サスペンションは柔らかめだが過度ではなく、高速道路の走行でも安心した走行が可能。また、普段はおおらかな縦置きVツインも、本気で回せば迫力あるエキゾーストノートともに、750ccモデルならではの加速を見せ付けてくれる。V7クラシックは、トラディショナルな見た目からは想像できないほど、スポーティなライディング性能を持っていると言えるだろう。ただ、残念ながら今回の試乗ではスポーツバイクとしての実力をあまり発揮させられなかったかもしれない。時速60kmで3000~3500回転くらいのテイストが、あまりにも心地よすぎるのだ。スロットルをパーシャルに保ち、エンジンの鼓動に身を任せてVツインサウンドに耳を傾ける。速さやハンドリングなどといったパフォーマンス以前の根源的な心地よさ、それこそV7クラシックの持つ最大の性能ではないだろうか。

モトグッツィ V7 Classic こんな方にオススメ

快適で走れるバイクが欲しいなら
間違いのない選択肢のひとつ

外車だから、あの有名なブランドだからといって、V7クラシックを見逃してしまうのは大きな損失。扱いやすい車体に、味わいのあるエンジンを組み合わせ、快適かつ軽快に走れる外国車となるとそうは無いだろう。性能だけでなく、バイクに乗る楽しさを追求するライダーにとって、V7クラシックは最適な選択肢の一つと言っても過言ではない。また、以前からモトグッツィに興味があったライダーなら、歴史ある名車の名前を受け継ぐV7クラシックは是非1度体験しておいて損はないだろう。このスタイルとパフォーマンスは、モトグッツィへのファーストコンタクトとしてもおすすめできる。

モトグッツィ V7 Classic 総合評価

乗る者の心にどこまでも響く
官能的モーターサイクル

これまで色々なバイクに乗ってきたが、これほど音と鼓動が心地よいバイクは初めてかもしれない。動力性能やルックスだけで言えば、V7クラシック以上のモデルは存在する。しかし、甘く響くサウンドとバイブレーションを兼ね備えるとなると、このバイク以外は今のところ思い当たらない。乗れば乗るほどに離れがたくなってしまう、そんな印象を受けた。もちろん、すべてが満点というわけではない。縦置きのVツインエンジンゆえ足が熱の影響を受けやすいし、収納や積載と言う面ではやはり不足を感じてしまう。しかし、それを些細なことだと言い切ってしまえるほど、V7クラシックには面白さが詰まっている。ワインディングでもクローズドコースでもなく、ただ普通に道を流しているだけで気持ち良いバイクというのは、探してもなかなか見つからないものだ。数値でもタイムでもなく、ライダーの感性に直接訴えかけてくる魅力こそ、V7クラシックの持つ最大の美点。もし機会があれば、この心地よいライディングフィールを1度味わってみて欲しい。

SPECIFICATIONS – MOTO GUZZI V7 Classic

モトグッツィ V7 Classic 写真

価格(消費税込み) = 126万円

1967年に発売されたモトグッツィの歴史的モーターサイクル「V7」を最新の技術でリバイバル。クラシカルなスタイリングと現代のバイクとしての扱いやすさを両立させている。

■エンジン = 空冷90°V型2気筒744cc

■最高出力 = 35.5kw/6,800rpm

■最大トルク54.7Nm/3,600rpm

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