2017年 全日本モトクロス選手権 第9戦第55回MFJグランプリモトクロス大会

掲載日:2017年11月02日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/田宮 徹
取材協力/MFJ  レーシングリザルト

2017年 全日本モトクロス選手権 第9戦第55回MFJグランプリモトクロス大会

IA-1決勝ヒート1のスタートシーン。ライダーのゼッケンがまともに読めるのはこのスタート直後、それも上位数台という状態。レースは、カワサキトップチームに所属する小方誠選手(#10)の好スタートではじまりました。

IA-1は山本鯨選手が最高峰クラスで初タイトル獲得
IA-2は渡辺祐介選手が自身初の全日本チャンピオン

2017年のシリーズ最終戦となる全日本モトクロス選手権第9戦が、第55回MFJグランプリモトクロス大会として、10月21日(土)~22日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。

今季は、春の第4戦および真夏の第6戦でも全日本の舞台となり、いずれもドライコンディションに恵まれたSUGOでしたが、この最終戦は近年まれに見るほどのひどいマディに。予選日は、降雨そのものは少なめだったのですが、前日までに路面がマディ化していたことから、むしろ土が重くて走りづらい状況が生まれました。このため、コースの大幅なショートカットで対応しましたが、それでもスタック車両が多数発生して進行が遅れ、IA-1の予選キャンセルやIA-2予選の翌日延期などが施されました。

そして決勝日は、夜のうちに泥をかいたことで、だいぶ走りやすい状態でスタート。ところがこの日は、とくにお昼ごろから雨が強まり、大量の降雨によってコースのあちこちに川のような流れや沼のような水たまりがある状態となってしまいました。

この中、全日本選手権として開催されてきたIA-1、IA-2、レディース、IB-オープンは、いずれもシリーズタイトル決定がこの大会までもつれた状態でのレース。大幅にポイントを逃して大逆転という可能性も高い状態で、シビアな勝負が繰り広げられました。

そして全日本最高峰クラスとなるIA-1は、ふたつのヒートを3位と5位で走り切ったホンダファクトリーチームの山本鯨選手(#400)が、優勝と4位になったカワサキトップチームの小方誠選手(#10)に4点差まで迫られながらも逃げ切り、最高峰クラスでは自身初となるシリーズタイトル獲得を決めました。

IA-2は、ヒート1でランキング2番手の古賀太基選手(#922)が20位に終わり、これでリードを広げた渡辺祐介選手(#31)が初の全日本タイトルを獲得。レディースクラスは、竹内優菜選手(#2)が2014年以来となるチャンピオン奪還を果たしました。

2017年 全日本モトクロス選手権 第9戦第55回MFJグランプリモトクロス大会

IA-1の決勝ヒート1で優勝し、ランキングトップを守る山本鯨選手とのポイント差を6点にまで縮めた、カワサキトップチームの小方誠選手。一度はトップの座を明け渡しましたが、ライバルがスタックした間に逆転しました。

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ホンダファクトリーチームからIA-1に参戦する成田亮選手は、全日本通算150勝をかけて決勝ヒート1に。トップを走っていた小方誠選手(#10)のスタックをきっかけに逆転しましたが、自身も残り2周でスタックして悔しい2位。

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11点差のポイントリーダーとして、IA-1のシリーズタイトル獲得に臨んだ山本鯨選手。決勝ヒート1は、レース序盤から中盤にかけ、チャンピオン争いの相手である小方誠選手(#10)を僅差でマーク。3位でゴールしました。

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チャンピオンの行方が見守られたIA-1ヒート2では、KTMを駆る星野優位選手(#166)が序盤からトップを独走し、KTMが全日本最高峰で初優勝できるかも注目のポイントに。必死で逃げ切り、優勝を果たしました。

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IA-1決勝ヒート2で、再び150勝のチャンスを得た成田亮選手。単独トップの星野優位選手(#166)が、スタックした周回遅れに行く手を阻まれて最終ラップ直前に停止。これで背後に迫りましたが、成田選手はわずかに届かず2位でした。

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IA-1決勝ヒート2では、ホンダのサテライトチームから参戦する大塚豪太選手にも注目が集まりました。レースが後半を迎えた段階でも、大塚選手は2番手をキープ。3位でゴールし、全日本最高峰での初表彰台に立ちました。

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IA-1の年間タイトル獲得を懸けてこの大会を戦った山本鯨選手(#400)は、11点のアドバンテージをしっかり生かしたレースを展開。小方誠選手(#10)をマークしながらも無理しないクレバーな走りで、チャンピオンに輝きました。

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この最終戦は国際格式として開催され、海外ライセンスライダーでも参加可能。ホンダは、AMAトップライダーのジェレミー・マーティン選手を、新型CRF250Rのテストを兼ねて招へい。マーティン選手はヒート1で優勝しました。

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IA-2の決勝ヒート1で2位となったのは、2番手の古賀太基選手(#922)と2点差のランキングトップでこの大会を迎えた、ヤマハの渡辺祐介選手(#31)。古賀選手が20位に終わったことで、一気に有利な状況に持ち込みました。

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IA-2の決勝ヒート1で3位に入ったのは、今年からカワサキにマシンをスイッチして、なおかつ以前のIA-1ではなくIA-2にフル参戦してきた安原志選手(#19)。最終戦で、ようやく今季初表彰台に立つことができました。

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IA-2の決勝ヒート1では、トップ争いおよびリスタート後は2番手争いを繰り広げながら、転倒により20位に終わった古賀太基選手。ヒート2では意地をみせ、終わってみればジェレミー・マーティン選手(#6)を負かしての勝利!

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IA-2には、ウィメンズモトクロス世界選手権のチャンピオンであるキアラ・フォンタネージ選手(#88)が、ヤマハの招待によりスポット参戦。ドライの事前練習ではかなりの好タイムも、マディに苦しみ24位/DNFでした。

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IA-2決勝ヒート2で、ジェレミー・マーティン選手(#6)やチームメイトの古賀太基選手(#922)とトップを争い、惜しくも3位となった横澤拓夢選手(#35)。今季は開幕直前のケガで出遅れ、今回が今季初の表彰台です。

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IA-2のシリーズタイトル獲得をかけて決勝ヒート2に臨んだ渡辺祐介選手(#31)は、ヒート1でリードを大幅に拡大したことから、ヒート2はリスクを避ける走り。余裕の8位でフィニッシュして、自身初のチャンピオンとなりました。

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レディースクラスの決勝は、マディの速さに定評がある安原さや選手(#4)のホールショットで幕を開けました。ところが安原選手は、直後に潜んでいた深い泥にハマって出遅れ、1周目5番手からの追い上げを強いられました。

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レディースクラスで優勝した畑尾樹璃選手(#3)。レース中盤に安原さや選手(#4)と接戦を演じ、安原選手を振り切ってゴール。今回の勝利により、SUGOで実施された今季3回の全日本は、すべて畑尾選手が制することに。

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レディースクラスの決勝レースで、確実にゴールを目指す走りで6位入賞を果たし、2014年以来2度目のシリーズタイトル獲得を決めた竹内優菜選手(#2)。優勝を逃しても着実に表彰台圏内を確保する、堅実なレースを続けました。

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