2012 MOTO1オールスターズ 第6戦 スポーツランドSUGO/第7戦 HSR九州

掲載日:2012年10月18日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/しまお  取材協力/MFJ  レーシングリザルトはこちら(第6戦 スポーツランドSUGO)  レーシングリザルトはこちら(第7戦 HSR九州)

猛暑のなか行われた第6戦、SUGO大会。タイトなターマックコースレイアウトと、織り交ぜられたダートセクション。ハードな競技で、テクニックだけでなく体力作りも重要なポイントになる。

夏祭りのような第6戦 SUGOと
大荒れ、泥だらけの第7戦 HSR九州

前戦のSUGO大会を更新しないまま、九州大会を迎えましたので、まとめてレポートさせていただきます。8月19日にスポーツランドSUGOで行われた第6戦は、じっとしていても汗だくになるたいへんな暑さ。天候も安定せず、土曜の練習走行日は大雨に見舞われ、日曜の決勝当日は第2ダートセクションがキャンセルになり、第1ダートセクションのみのコース設定となりました。SUGOの全日本スーパーモタードのコースは、カートやジムカーナなどの大会が開催されているコースで、タイトなコーナーが続くレイアウト。得手不得手が分かれそうですが、ヒート1、ヒート2ともに#1佐合潔選手が周回ごとに後続を引き離す余裕の走りで、圧勝。

ヒート1では、#3金児“RYUTA”隆太選手が、#1佐合選手に続いて飛び出し序盤2位でしたが、#5“JAWS”増田選手が背後にピタリ。ずっとラインを読んでいたかのように、中盤のダートセクションで#3RYUTA選手をパスします。地元出場になる#7森田“ikki”一輝選手は、中盤まで4位でしたがダートで#3RYUTA選手のインを挿し3位に浮上。そのままポジションに変化がないままフィニッシュ。#5JAWS選手は前回の出場と同じく、土曜の練習走行には参加していませんでした。恐るべき適応力です。今年は全戦出場はしていませんが、相変わらずの人気と実力を誇る選手です。

ヒート2は、中盤までヒート1と同じような展開かと思う上位陣の顔ぶれでしたが、3番手を走っていた#7Ikki選手が転倒、#5JAWS選手が巻き込まれてしまい、上位争いから2人が消えます。その前を走っていた#3RYUTA選手が2位、#5JAWS選手の背後についていた#4三苫選手が3位となり、そのままゴール。SUGOは様々なモータースポーツ選手権が開催される著名なサーキットらしく、一般のお客さんも多く観戦していて、お昼のインターバルはまるで夏祭りのような雰囲気でした。

続いて9月16日に熊本、HSRにて開催された第7戦では台風接近の予報もあり、大荒れの天候が予想されていました。現地では金曜の夕方~夜間は激しい雷雨、練習走行日の土曜はおよそ雨模様。そんなコンディションでしたが、主催側から決勝当日は「雨天でもダート区間の使用あり」との通達が。目まぐるしく変わる天気に、ダートのコンディションも変化し続けるなか迎えた決勝ヒート1。ダートセクション入り口はコンディションの悪化で難所となり、スタート直後は集団が団子状態で進入、早速何台かがからむ転倒が発生。その中を、黄色いマシンの#7森田一輝選手が先頭を切って通過しました。HSRのコースは、ダートセクションがピットロード上の観戦スペースの目の前だったこともあり、このコンディションでもテーブルトップを飛び切る#7ikki選手にギャラリーから大きな歓声があがっていました。盛り上がりはそれだけでなく、序盤のダートセクションで#13金児“ZyZy”伸二選手の後についた#1佐合選手が、ターマック区間で前走車を次々とパス。中盤をトップで戻ってきたものの、今度は#7ikki選手と接戦、ダートセクションでのバトルが場内を湧かせました。また3番手争いで、MOTO1Proルーキー#21五十住洋佑“ZUMI”選手とベテランの#114谷田部高則選手の抜きつ抜かれつのバトルも大盛り上がり。終盤まで#1佐合選手に食らいついていた#7ikki選手が、ダートセクションのテーブルトップをジャンプでクリアし、#1佐合選手をパス。これには会場が大きくどよめきました。そのまま1位をキープしてフィニッシュ。また#21ZUMI選手は、ダートをうまくこなして3位表彰台となりました。

ヒート2では、なんと佐合選手がまさかのジャンプスタート(スタートの前にマシンが走り出してしまうこと)。ペナルティとして1分のピットストップとなり、もちろん最後尾からの追い上げとなりましたが、ここから目を疑うほどの速さですぐにトップグループに浮上。その後またも#7Ikki選手と激しいバトルを繰り広げ、結果は#7Ikki選手のミスで、トップ#1佐合選手、2位#7Ikki選手、3位はタイムアタックでダントツのトップタイムをマークしていた#4三苫選手となりました。周回ごとに順位が入れ替る予想不可能のバトルに会場は大きく盛り上がりました。

今回の九州で現在ポイントランキング1位の佐合選手のシリーズチャンピオンが確定となりましたが、2~4位まではポイント僅差となっており、最終戦11月4日のツインリンクもてぎでは表彰台をかけた熱い戦いが予想されます。

フォトTOPICS(写真点数/23枚)

01SUGOでは東北チームがいつも参加者をもてなしてくれる。今回は流しそうめん。山から竹を切ってきたらしく本格的。風情がある。

02一般の観戦者がこんなにも。日向ではじっとしていても汗ばむ陽気だったので、木陰に入って。ここからでもコース全景が見渡せる。

03多くのモーターイベントが開催されるスポーツランドSUGO。全日本MOTO1は西コースで行われた。有名サーキットということもあり、ピットロード上の観戦スペースにも酷暑の中、たくさんの観客が詰めかけた。

04かき氷がさぞ大量に売れたと思われる陽気。屋台も出て祭りの風景みたいなパドック。賑やかな感じでとてもいい。

05レースには出なかったが、オートレースへの転向を決めた松本康選手【写真右】がSUGOに現れた。#4三苫選手とコースサイドで観戦? 談義? していた様子。

06久々に参戦の#101“ささやん”佐々木貴志選手、お得意のブブゼラ。MOTO1openクラススタート前に、戦国時代のホラ貝のような演出! この後、MC恩田さんにうるさいと怒られていた。

07SUGOでもパーフェクトウィンを決めた#1佐合選手。周回を増すごとに独走状態へ。

08ブブゼラで怒られた#101ささやん選手は、久々の参戦にも関わらずヒート1が5位、ヒート2は4位に入賞。しっかりと成績を残した。独特なフォームで、走りをキメル。

09#12坂牧隆夫選手。以前、バイザーが取れたまま走ったレポートをお伝えしたが、SUGOではヒート2で6位入賞。

10ヒート1序盤の第1コーナー。#3RYUTA選手、#5JAWS選手、#7Ikki選手のバトルが盛り上がった。

11見ているほうがヒヤヒヤする、ダート出口の混戦。SUGOはこの後タイトなコーナーが続くレイアウトで、パッシングできるポイントが少ない。ダートセクションで勝負をかける光景が多かった。

12HSR九州。激しく雨が叩きつける悪コンディションで、路面状況が目まぐるしく変わる。ターマックエリアにも泥が散乱して難しいレースになった。

13テーブルトップからずり落ちる#21五十住洋佑“ZUMI”(いそずみようすけ)選手。それでもヒート1では3位入賞をしっかり決めた。

14#21ZUMI選手と#14谷田部選手のヒート1でのバトル。かなりの接戦だが、この日はダートでの走行が勝敗のカギを握った。この後、危なげなくダートをこなし、#14谷田部選手をパス、ルーキー表彰台となった。

15ヒート1表彰式の顔ぶれ。1位#森田一輝選手、2位#1佐合潔選手、3位#21ZUMI選手。

16大きな歓声が多く上がった、テーブルトップを飛び切る#7Ikki選手の大ジャンプ。このジャンプでヒート1は#1佐合選手をパスし、トップに立った。

17ストレートから左コーナーでダートセクション入り口に入るHSRのレイアウト。スライドしたままではダートに入れないので、体勢を立て直すかのようになる。#1佐合選手に食らいつく#7Ikki選手。

18タイムアタックでダントツのトップタイムを叩き出し、ヒート2では3位表彰台に上った#4三苫進選手の第1コーナー進入前のスライド。路面状況が悪く、多くのライダーが抑えた走りをする中、ひときわ攻めの走りを見せ、ギャラリーを喜ばせた。

19ヒート2終了後の#1佐合選手。最後尾からの追い上げながらトップでフィニッシュし、年間チャンピオンを決めた顔。ファンも大勢会場に足を運んでいて、パドックではお祝いモード。

20転倒があり、惜しくも2位となった#7Ikki選手だが、その走りは観客を大いに沸かせた。

21表彰式前の#4三苫選手。ポールポジションだっただけに3位の結果は悔しいだろうが、彼のキレてる走りが好きなファンは多い。MOTO1の見応えのひとつだ。

22ヒート2の表彰式。今回のようなコンディションでも快走を魅せたライダーたちに、観客やチームスタッフから惜しげもない賞賛が送られた。

23悪天候の中でもコース脇まで応援に出てきた多くの観客。走行中でも声援はライダーに届くようなので、応援しているライダーには熱い声を送りたい。

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