Vol.07 まだまだ負けたくない想いで走る

2014年もとうとう最後
予選通過するも本戦は苦戦

※今回は編集部の解説付きです。

2014年10月25日（土）、26日（日）に全日本モトクロス選手権の最終戦、MFJ-GPがスポーツランドSUGOで開催されました。

前回の広島（世羅グリーンパーク弘楽園）に続き予選通過できるように、事前練習をしに行きました。ところが、朝イチの練習で、まるで人形のように舞いながらぶっ飛んでしまったので、その後はただがむしゃらに走るのではなく、他のレディースライダーの走りを見ながら部分練習をしたりと、結果的には充実した１日を過ごせました。

私はいつも、全日本の１週間くらい前からレースのことをすごく考えるようになり、緊張したりイメージトレーニングしたりするのですが、今年は集中力がまったくない状態で会場入りすることがほとんどでした。でも、最終戦はしっかり事前練習したせいか久しぶりにしっかりイメージができて、緊張しましたが「予選を通過する」と強く思って現地入りしました。

予選はA組。自分の力を出せれば通る自信はありました。が、実際はそんな簡単にいかないのがレース。気合いは空回りしてしまい、またまたスタートに失敗するも１コーナーの混雑をうまく抜け、少ない周回数をギリギリ15位でフィニッシュし、通過を通過。無事決勝に進むことができ、少なくとも今シーズンの締めはまずまずかな、というところです。

予選のスタートシーン。周回数が少ない中での勝負だが、そこで出遅れしまう。ただこの後、先の集団でマルチクラッシュが発生し、それは回避できたかたち（編集部）。

スタートのクラッシュが避けられたこともあるが、予選は通過ラインギリギリの15位フィニッシュ。つまり、決勝では苦戦を強いられる可能性がある順位ということ（編集部）。

ところが、迎えた翌日の決勝。スタート直後に接触による転倒者が続出で、これに巻き込まれるのはなんとか回避したのに、「前に行こう」という気持ちより「広島の時のようにタレたくない。最後までなんとか体力を持たせたい」という気持ちが強く出てしまい、セーブした走りになってしまいました。すると、そのためか走りがバラバラで、すぐに腕は上がるし、情けない走りでポテこけも発生。30人中30位という、１年のしめくくりとしては情けない内容で2014年シーズンは終了してしまいました。

日曜日の決勝、スタート１コーナーでまたもやマルチクラッシュが発生。写真左奥の水色のジャージでスズキのバイクが、うまく抜けていく井口ママ（編集部）。

決勝のラン、大怪我などはなかったが30人中30位という苦しい結果となった。しかしシーズン締め括りを予選落ちでなかったので、来季につながるハズだ（編集部）。

今年１年間全日本に出場して感じたのは、みんなのレベルが確実に上がっていることです。今までなら、１回転んだくらいなら予選落ちてはしませんでした。ある会場で私と同年代のライダーから、「今の子は速すぎて歯が立たないから練習する気すら起きないよ」と言われたことがあります。私自身、確かに本当にしんどくて、やはり「太刀打ちできないな」と弱気な気持ちはあるのですが、もう少し粘りたい、辛いけどチャレンジしたいという気持ちが残っているので、「一緒に若い子の中でやれるだけやろうよ。やってみようよ」と励まし合いました。

以前、書いたことがあると思いますが（編注：連載１回目）、私は出場するからには目標があります。今年は自分に自信も体力もすべてなく、レベルも落ちる一方なので、目標を見失い諦めていたところもありました。予選のスタートに並んだ時、「なんで私ここにいるんだろう？　辛い。嫌だ」。そう感じている時は必ず予選落ち。当たり前な結果です。それでもじたばたして、目標を達成したこと・できなかったことはありますが、こんな結果しか残せなかった私を全力で支え、応援してくれた家族には大感謝です。

予選日に大坂を駆け上がっていく井口ママ。文中で遅い遅いと書いているが、実際に同じコースを編集者も走れば、もちろん断トツで井口ママが速いというレディースの高レベルさ（編集部）。

来シーズンは全戦出場か数戦になるかはまだ決めてはいないのですが、娘と一緒に全日本に出場する夢に向けて娘のレース活動を増やし、私は減らそうかな？　とも主人と話しています。でもいつレースに出てもいいように今年以上に練習をしておきたいと思います。シーズン途中から始まったこの連載ですが、2014年のシーズンを見届けてくれた読者の方々もありがとうございます。来年の私もよろしくお願いします。