掲載日:2012年09月07日 バイク用品インプレッション
撮影・文/野岸 泰之
シティユースの際にはジェット型、ツーリングにはフルフェイス、という具合に、用途や状況に応じてヘルメットを使い分けている人は多いだろう。また、そんな願望がありながら、実際にはヘルメットを一つしか持っていない、という人は、さらに多いかもしれない。今回紹介するOWLハイブリッドヘルメットは、そんな使い分けや願望をいとも簡単に実現してしまう商品なのだ。
このヘルメット、フルフェイスであり、チンガードを跳ね上げることもできるシステムヘルメットでもある。ところが、パーツを取り替えることでジェット型にも変身するという、まさにハイブリッドな商品なのである。この独創的な機能によって、フルフェイスの安心感と、システムヘルメットの利便性に加え、ジェットヘルメットの解放感まで味わえるのだ。
「変身」の方法はいたって簡単。シールドを外したらフェイスホルダーと呼ばれるチンガード部分を最大上まで引き上げて外し、ジェット用のホルダーに付け替えるだけ。あとは、標準で付属するジェット用のシールドをはめれば完成だ。逆の場合も手順は同様で、慣れれば1分もかからずにフルフェイスとジェットの変換ができるようになるだろう。
もちろん、肝心のヘルメットとしての機能も過不足はない。もはやヘルメットの世界では標準となりつつあるインナーシールドを装備しているのをはじめ、ベンチレーションや外して洗える内装など、さまざまな使い勝手のいい機能を搭載している。
OWLハイブリッドヘルメットを一つ持っていれば、ふだんの通勤・通学時にはジェット、休日のツーリングではフルフェイス、などの使い分けが簡単にできる。あるいは、ツーリングに交換パーツとシールドを持っていけば、行き帰りの高速道路ではフルフェイス、現地ではカメラを構えたり、人と話をするのに便利なジェット、なんてスタイルも可能。ヘルメットの世界に新しい風を吹き込んだこのモデルは、使う人のバイクライフを一新させてくれる、大きな可能性を秘めた一品と言えるだろう。
アゴの部分をガードするフェイスホルダーは、ワンタッチではね上げられる仕組。単なるフルフェイスでなく、口元がワイドに開くシステムタイプのヘルメットなので、休憩時などにも重宝する。
前頭部のちょうどおでこの左右にあたる部分に、スライドシャッターを備えたベンチレーションを装備。開ければフレッシュな外気を導入、閉じれば帽体と一体化したデザインでスッキリ。
フルフェイスのフェイスホルダーを外し、ジェット用のホルダーに付け替えてシールドを交換すれば、たちまちジェット型メットになる。側頭部にある細長い部分がジェット用ホルダーだ。
シャッター式マウスベンチレーションを口元に装備。開放することで外気を口元に取り入れ、息などによるシールドの曇りを軽減する。ツマミは小さめだがグローブをしていても操作はOK。
まぶしい日差しをカットしてくれる、スモークのインナーシールドを標準で装備。シールドの上げ下ろしは、本体左側にあるレバーを操作するだけ。ワンタッチで素早く上下することが可能だ。
チンストラップのバックル部にはラチェット式を採用。グローブをしたままでも簡単に締めることができて便利。解放するときはナイロンの赤タブを引くだけでワンタッチで外すことが出来る。