第2回 もしも…ホンダ PCX150に乗れたなら?【市街地走行編】

掲載日:2014年08月08日 長期インプレホンダ PCX150    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/本田技研工業株式会社

ホンダ PCX150の画像

新型PCX150は125ccモデルに比べて、排気量の差はプラス28cc、最高出力は1.4kW(2PS)、最大トルクは2N・mのアップとなっています。車両重量は、150のほうがプラス1kg。数字にしてしまうとわずかな差ですが、これが走りにどう影響してくるのか、誰もが気になるところでしょう。排気量増による性能アップと車両重量の差が生み出す、125ccモデルとのフィーリングの違いはどんな感じなのか? 今回は、一般道における走りを中心に、レポートしてみたいと思います。

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125より鋭いダッシュのため
操縦安定性がより向上

乗り出してすぐに感じたのが、スタートダッシュの鋭さ。125のPCXも決して遅くはないけど、PCX150はアクセルをさほど開けなくても出足がいいんです。アクセルをグイッと開けて加速すると、50km/hまで、体感的には2秒ぐらいで到達する感じです。このピックアップの良さがどういう場面で助かるかというと、住宅街など細い道での曲がり角。ゆっくり曲がる必要があるけど、立ち上がりでアクセルを開けるとシュッと加速でき、もたつきがない。これが意外と気持ちがいいんですよね。

さらに、赤信号で車の脇を抜け、先頭に出て停まった瞬間に信号が青に変わったので再加速、なんて場合にも心強いんです。パワーがなくピックアップの良くないスクーターだとフラついたり一回足を着いたりしがちな状況だけど、アクセルを開けると瞬時にグイッと加速してくれて、安定感は抜群。そのまま交通の流れをリードできるので、“通勤スペシャル”としても125版PCXを超えた実力を発揮してくれます。

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混雑する朝夕の通勤路で
王者となる日も近い!?

この実感を裏付けるように、朝夕の通勤時間帯の幹線道路では、原付二種であるピンクナンバーのPCXに混じって、軽二輪ナンバーのPCX150をぼちぼち見るようになってきました。その割合は、だんだん増えているように感じます。バイクがひしめく朝夕の幹線道路では、一気に加速して混戦を抜け出す性能が大切です。50km/hに到達するまでの感覚は、125のPCXが「ドルルルルルルル」に対してPCX150は「ドルルルルル」と、ルが2個ほど少ない感じ。同じスピードを維持するにも、アクセル開度に余裕があると疲労感が少ないもの。この意味でも、125に比べてアドバンテージを感じます。空いている幹線道路では車に交じって楽にクルージングできるし、渋滞区間に入ったら250ccクラスのスクーターよりも細身で小柄なボディを活かして小回りが利くので、車の間を縫うのも楽です。まさに125クラスと250クラスの“いいとこ取り”をしたマシンといえます。

そして意外とハマっているのが、新設された平均燃費表示機能。一度気になりだすと、コンマ1ポイントでもいいから数値を伸ばしてやろうと、自然とエコな運転になるんです。ちなみに現在までの最高値は48.6km/Lですが、ちょっと荒い運転をすると46km/L台に落ちてしまうので、油断できないぞ、と思いつつ楽しんでいます。

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ヘッドライトやウインカーの
LED化がもたらす注意点とは?

一般道での実力は相当高いPCX150ですが、気になる点がないわけじゃありません。まずは、ウインカーを出した際のカチカチ音がしないこと。もともとPCXは前モデルからウインカーリレーの音が小さめでしたが、LED化された新モデルでは、全くの無音になりました。人によっては「邪魔な音が消えた改良」って見方もあると思いますが、消し忘れ対策としてはどうなの? と思います。交差点で曲がった後は無意識にキャンセルスイッチを押すのでいいんですが、ハザードで停車した後、再発進の際に消し忘れることが多いです。せっかく新設されたハザードなのに……まぁこれは、うっかり忘れる僕が悪いんですけど(汗)。

それと、前回書いたLEDヘッドライトの昼間の被視認性について。後半に写真を載せますが、正面から見た場合は全く問題ないんですが、少し横から見ると、光の色が白いためにハロゲンライトより目立たない気がします。脇道から出てくる車などからは確認されづらいかもしれないですね。灯火のLED化はバッテリーにも優しく、先進装備を搭載していることは嬉しい限りですが、このあたりは少し注意が必要だな、と感じています。

ホンダ PCX150のチェックポイント!

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昼間のLEDヘッドライトの被視認性チェック。ライトがカメラの方にまっすぐ向いていれば、ロービームでもこの明るさ。立っている人からもよく目立ちます。

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少し軸がそれると、ライトはあまり目立たなくなります。ライトのリフレクターが反射するのでそれなりの存在感はありますが、脇からの被視認性が低下していることは認識しておくべきでしょう。

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排気量アップによるトルク増は坂道でも威力を発揮します。特に坂の途中でノロノロ状態から再加速、なんて場合にはパワーの差を実感します。

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少し離れた広い公園まで愛犬を散歩に連れ出すのに大活躍。トランクにはお散歩グッズが入って便利です。あ、走行中はもちろんザックのファスナーを閉めてますよ!!

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