第7回 もしも…ヤマハ マジェスティSに乗れたなら?【まとめ編】

掲載日:2015年02月23日 長期インプレヤマハ マジェスティS    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ マジェスティSの画像

マジェスティSを借りて3ヵ月以上が経過し、オドメーターは4000kmを超えました。取材や打ち合わせはもちろん、時には買い物やツーリングまで、日常生活の中でかなりの距離と時間を、このマシンと過ごしてきました。今まで長期にわたったマジェスティSのインプレッションも、今回でラストとなります。最終回ではまとめとして、マジェスティSというマシンの魅力と使い勝手をもう一度整理してみましょう。

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155ccという排気量なのに
十分便利で速い!?

当初、マジェスティSを借りることになった時には、正直なところ「155ccのスクーターといっても、125ccとそれほど変わらないんじゃないの?」とあまり期待はしていませんでした。ところが、いざ乗ってみるとその力強い加速とスポーティな乗り味には、びっくりさせられました。仕事柄、他のいろいろな125ccクラスのスクーターに試乗することも多いんですが、どのマシンに比べてもその差は歴然としたもので、排気量とクラスの差を実感させてくれました。また、ライバルといわれるホンダのPCX150と比べた印象では、加速のパンチ力やスポーツライディングに振った乗り味について、マジェスティSのほうがリードしていると感じました。

通勤時間帯をはじめ、混雑する都心の道路では、同じスクーターでも125ccクラスよりは加速力で一歩リード、250ccクラスと比べればスリムで取り回しのいい車体のおかげで、ストレスの少ないライディングが可能でした。それまで普段の打ち合わせや取材などでは、自前の250ccオフロードバイクを使って移動していたんですが、気が付けばいつの間にかマジェスティSにばかり乗るようになっていた、という感じです。それはつまり、十分に便利で速く、楽に乗れたから、ということだと思います。

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高速OKで積載性も高く
キャンプツーリングにも使える!?

高速道路に乗れる、しかも100km/hで安心、安定して走り続けることができる、というのもマジェスティSのポイントが高いと感じた部分です。高速道路に乗れない原付2種の125ccクラスに比べて大きなアドバンテージがあるのはもちろん、フロントが120/70-13、リアが130/70-13という太めで安定感のあるタイヤと前後の大径ディスクブレーキ、硬めにセッティングされたリアサスペンションなどのおかげで、ギャップやきつめのコーナーなどでも安心してアクセルを開け続けることができ、疲れやストレスを感じることは少ないと思います。

高速道路に乗れるとなると、ツーリングに使う機会も増えると思いますが、意外と収納力があるのも嬉しいポイントです。シート下のトランクスペースは、深さはそれほどないものの、内部の段差が少なく、効率よく物を詰めることができます。キャンプツーリングに使うことを想定して試しに道具を入れてみたところ、テント(軽山岳向け2人用)とシュラフ(3シーズン用)、インフレータブルマットが収まりました。キャンプツーリングで最もかさばるこれらをシート下に収納できたことで、他の荷物は大きめのデイパックを背負うなどすれば十分対応できそうです。

さらに、マジェスティSは500mlペットボトルプラスアルファが入るフロントポケットと、3kgまでのコンビニフックを装備しているため、現地での買い出しなどでも威力を発揮することでしょう。

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早めの給油を促す燃料計
でも燃費は悪くない

気になる燃費は、給油のたびに満タン法で計測した結果、最低で約28km/L、最高で約35km/hとなりました。燃費が悪かったのは都内中心の急ぎの移動でストップ&ゴーを繰り返し、急加速と急減速を続けていた時です。逆に燃費が良かったのは、高速道路を一定の速度で淡々と走り続けていた時でした。平均すると約32~33km/hでしょうか。もっとも燃費は乗り方や道路状況、ライダーの体重などによって大きく変わり、中には楽に40km/hを超えるという人もいると聞きますので、参考程度にしてもらえればと思います。

最後まで慣れなかったのは、燃料計の表示ですね。針式で見やすいのはいいんですが、Eの文字の上の赤い目盛りに針が来ると不安でつい給油をしてしまいます。僕の乗り方ではほぼ150kmを超えると赤部分に針が来ますが、この赤目盛りはスペースが広く、実際には針がEの文字にかかったところで給油をしても2L近くガソリンが残っていることもありました。高速道路に乗れるマシンなので安全策としてこうなっているのだと思いますが、タンクをギリギリまで使えば実際の航続距離は250km程度になるはずなので、給油の頻度を減らすためにも、もう少し表示に工夫があるといいな、と感じました。まぁ、実際にオーナーになれば「自分の燃費」が経験で導き出されるので、大した問題ではないかもしれませんが……。

通勤や通学だけでなく、ツーリングにも十分使えるマジェスティSは、まさに“ライディングプレジャー”を感じさせてくれるマシンでした。乗って楽しい、というのはバイクの基本であり、大切なことですよね。それをあらためて実感させてくれたことに感謝です。ありがとう、マジェスティS!!

ヤマハ マジェスティSのチェックポイント!

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シート下には圧縮したシュラフとテント、インフレータブルマットが収まりました。テントのポールもちゃんと入っています。

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グラブバーの後ろ側は細くなっているため、ツーリングネットやバンジーコードのフックは、プラ製の大きめのものなら引っかけられます。

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約200km走り、燃料計のEの文字にかかったところで給油したところ、5.74L入りました。計算上はあと1.7L近く残っていることになりますが、ガス欠の心配でドキドキします。

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13インチの太めのタイヤとよく利くブレーキで、いつもはミッション付きのバイクに乗る僕でも不安なく雨の中でも走れました。

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シートの段の部分にお尻を押し付けると踏ん張りがきいてとても安定します。身長が175cmを超えると足の置場も含め、少しポジションは窮屈かもしれません。

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