スズキ バーグマン200 試乗インプレ・レビュー

スズキ バーグマン200
スズキ バーグマン200

スズキ バーグマン200

掲載日:2014年05月01日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/田宮 徹

扱いやすさと走りのよさを両立する
国内新登場の中間排気量モデル

「バーグマン」とは、スズキが「スカイウェイブ」の海外シリーズに使い続けてきた車名。この名称そのままに、日本市場で2014年2月末に発売が開始されたのが、バーグマン200である。

 

この機種は、以前から欧州などで販売されてきたが、14年型で生産がタイに移されながらモデルチェンジを受け、グローバルモデルとしての新たな役割も担うことになった。国内市場で考えた場合、その排気量が示すとおり、コンパクトで扱いやすいが高速道路に乗れないなどのネガな要素もあるアドレスV125シリーズと、ゴージャスで快適だが狭い道路では持て余すこともあるスカイウェイブ250シリーズの間を、補完するモデルである。

スズキ バーグマン200 特徴

スズキ バーグマン200 写真 スズキ バーグマン200 写真 スズキ バーグマン200 写真


スリムな印象を受けるボディに
日常で役立つ機能を詰め込む

スズキ バーグマン200 写真車体は、スカイウェイブ250シリーズと比べてひとまわり短く、なによりフロントまわりを中心にスリムな印象。その一方で、アドレスV125シリーズと比較すれば十分にゆとりのある車格となっている。

 

このボディに、41L容量のシート下トランク、6L容量のロック付きフロントグローブボックス、さらに1L容量のフロントミニボックスと、これまでスカイウェイブシリーズで積載力にこだわってきたスズキらしく、十分な収納スペースをレイアウト。シート下トランクには自動点灯式の内部照明、グローブボックスにはDC12Vアクセサリーソケットを備えるなど、細かい配慮も忘れていない。

 

ホイール径は、フロントに13インチ、リアに12インチをチョイス。ビッグサイズと呼べるほどの設定ではないが、車体のコンパクト化と走行安定性の両立に貢献する。スクリーンはロングタイプで、市街地走行だけでなく、高速道路を使った長距離移動まで考慮した設定。燃料タンクは10L容量で、優れた燃費性能により300km前後の航続距離を狙っている。

スズキ バーグマン200 試乗インプレッション

シティランが楽しくなる
満足感いっぱいの加速力

スズキ バーグマン200 写真ふくらはぎが当たる部分をえぐったカットフロアボードと、前側が多めに絞られたシートのおかげで、足着き性は良好。身長167cmの筆者がシート最前部にまたがると、両足の裏が接地した。また、ライダー側シートのもっとも後ろに座ったままでも、両足の裏が1/3くらい接地する設定で、車重が161kgと軽いこともあって足着きに関する不安はない。

 

フロアボードの前方に、ライダーが足を投げ出せるスペースが設けられていることから、ライディングポジションにはかなり自由度がある。シートに深く腰掛ければ、ハンドル位置は適度に遠く、ヒジは曲がるが窮屈さはまるでない。またシートは、前席の後部からタンデム部にかけてかなり幅があり、ゆったりと乗ることができる。ただしそのぶん、乗っているときにもフロントに対してリアにボリュームがある印象を受ける。

 

スズキ バーグマン200 写真乗りだしてまず感じるのは、車体の軽さ。「200」という数字に何をイメージするかはひとそれぞれだと思うが、「250に近い」と想像した場合、あまりの軽快性に驚くはずだ。スカイウェイブ250と諸元を比べると、車重は50kg以上も少ないのだから、当然の話ではあるが、押し歩きから低速での取り回し、市街地でのコーナリングまで、あらゆるシーンが楽に感じられる。

 

それに加えて、フロントまわりを中心とした車体のスリムさも、市街地での快適性につながっている。またがっている限り、もちろんロー&ロングを売りにするスカイウェイブ250よりも前後長がないことはわかるが、それが極端な扱いやすさにつながっている印象は少ない。対して車幅は、じつはスカイウェイブ250とバーグマン200でそこまで大きな違いはないのだが、フロントまわりがコンパクトな印象のため、狭い場所にもグイグイと入っていけそうな気になる。

 

スズキ バーグマン200 写真さて、軽さに感動しながら街を流すと、次に驚くのはその加速性能だ。エンジンは、アイドリング時の振動が若干多めで、それが元気のよさを予感させるが、アクセルを開けていくと予想以上のパフォーマンスを発揮。騒音規制レベルが平成26年規制に合わせてあることから、かつての国内仕様スクーターが苦手としていた実用域で、加速が鈍ることもない。アクセル全開のフル加速では、7,500回転以上をキープしながら、一気に車速を伸ばす。メーターのレッドゾーンが9,500回転と考えれば、かなり高回転を保ち続けることがわかるだろう。

 

クローズドコースにおけるテストでは、最高速はメーター読みで130km/hを超える。このことから、国内の法定最高速度となる100km/h以下の領域では、まだまだ余裕がある状態。各社が販売する150スクーターの場合、機種によっては高速道路の使用はエマージェンシー扱いという印象だが、このバーグマン200なら日常的に高速道路を使うのもまったく問題ない。

 

スズキ バーグマン200 写真コーナリングは、前述の軽さに加えて、ハンドリングが非常にニュートラルなのがうれしい。行きたい方向に対して、素直に車体が進んでいくので、とにかく扱いやすい。バンク角は、市街地で普通に走るぶんには、十分な量が確保されている。とはいえ、車体のコントロール性に優れることから、郊外の道ではつい深くまでバンクさせて楽しんでみたくなる。この際には少し注意が必要で、一般的な機種のようにセンタースタンドではなく、アンダーカウルが接地してしまうことがある。柔らかい樹脂で、目立たない部分なので、軽く擦るぶんには転倒につながったりキズがめだったりすることはないが、飛ばし屋さんは頭に入れておきたい。

 

ブレーキは前後ともディスク式で、レバータッチはカチッとしている。ただし、その中にもしっかりとしたコントロール性があり、気持ちよい加速を安心して楽しむことができる。

 

日本市場では、250ccまでが軽二輪クラスとなることから、「どうせ保険や税金などの金額が同じなら、フルサイズのほうが・・・」と考えるユーザーも少なくないだろう。しかし実際には、バーグマン200はスカイウェイブ250のエンジンをスケールダウンしたような機種ではなく、軽さや小ささが生みだす市街地での扱いやすさなど、まったく別の魅力にあふれたモデルである。それでいて、加速性能では250に勝るとも劣らない。

 

ゴージャス感を優先するなら250にアドバンテージがあるが、走行性能と扱いやすさで選ぶならバーグマン200が有利。しかも、車両価格も250に比べて安い。ユーザーを悩ませ、そして大いに楽しませる、新たな選択肢の登場を大歓迎したい。

 

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SPECIFICATIONS – SUZUKI BURGMAN200

スズキ バーグマン200 写真

価格(消費税込み) = 52万3,800円
※表示価格は2014年5月現在

国内市場では2014年2月末に発売が開始された、軽量コンパクトなボディサイズと力強い走りの両立を狙ったスクーター。スカイウェイブの海外車名であるバーグマンを名乗る、グローバルモデルだ。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ

■総排気量 = 199cc

■ボア×ストローク = 69.0×53.4mm

■最高出力 = 14kw(19PS)/8,000rpm

■最大トルク = 17N・m(1.7kgf-m)/6,000rpm

■燃料供給 = フューエルインジェクション

■トランスミッション = Vベルト無段変速式

■サイズ = 全長2,055×全幅740×全高1,355mm

■ホイールベース = 1,465mm

■シート高 = 735mm

■車両重量 = 161kg

■燃料タンク容量 = 10リットル

■Fタイヤサイズ = 110/90-13

■Rタイヤサイズ = 130/70-12

■ブレーキ形式(F/R) = 油圧式ディスク/油圧式ディスク


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