掲載日:2017年07月24日 プロが造るカスタム
取材協力/ACサンクチュアリー本店
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2016』に掲載された内容を再編集したものです
RCM(リアルコンプリートマシン)として、これまでに400台以上のコンプリート車を製作してきたACサンクチュアリー。改めて振り返るとやはりZ系が主で、圧倒的な人気を誇るのは1973~1980年に生産されたZ1~MkII。1981年から販売が始まったZ1000J系は、どちらかと言うと少数派のようだ。
「確かに人気という面ではZ1~MkII系に及びませんが、いじり手として見ると、J系は相当に侮れない資質を持っていると思いますよ。最大の魅力はエンジンパーツの大半が新品で揃うことですが、ノーマル状態でフレーム剛性が高いこともJ系ならではの美点。事実、この車両もフレーム補強は、弱点と言われている後部エンジンマウント部を含めた数カ所だけですから。もちろん、チェーンラインをオフセットするためのインライン処理や、リアショックのワイドレイダウン加工は行っていますけどね」(同店代表・中村さん)
ちなみに、すべてのエンジンマウントがリジッドだったZ1~MkIIとは異なり、Z1000J系は振動対策として前側2点がラバーマウント式になっているのだが、この車両ではダイレクトなハンドリングを求めて、前側2点もリジッドに変更。
「マウント方式はオーナーさんの好みによりけりで、絶対的な正解はないんです。でも前側2点のリジッド化による振動の増加は、膨大と言えるレベルではないので、J系でスポーティな乗り味を求めるライダーにとっては、有効なチューニングになると思います」(同)
言ってみれば、前後エンジンマウント部の見直しこそが、J系を楽しむ勘所になるのだが、同店では日常域での快適性を重視して、あえてラバーマウントを活かしたJ系のRCMを製作したこともあるそうだ。
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