掲載日:2022年01月17日 プロが造るカスタム
取材協力/カスタムショップエタニティ
取材・写真・文/ガスグラフィックス
17インチのTMAXといった世界中から注目されるスクーターを創り続けることで、この「プロが造るカスタム」の企画に何度も登場しているのが埼玉県草加市にあるショップ、エタニティだ。お店としての成り立ちはビッグスクーターから始まったが、同店代表・上田さんが部類のバイク好きということもあり、実は集まるお客さんは多種多様。上田さん自身も、TMAXやフュージョンだけではなくスーパースポーツといった車両を愛車として所有しており、その流れで、“ずっと気になっていた”というZ900RSを2台購入。そのうちの1台を愛車兼ショップデモ車として、ご覧のように創り上げている途中なのだ。
上田さんによると、「Z900RSはその生い立ちからも、空冷Z系のイメージを踏襲した旧車テイストのカスタムが多い印象でした。もちろんそれはカッコイイのですが、エタニティとして手掛ける以上は、ウチらしい独自性を出したかったのです。その結果、現行の水冷Zとしてのカワサキらしさを追求してみました」とのこと。外観上はノーマルのビキニカウルはそのまま流用し、ジョーカーズのアンダーカウルを装着したのみ。それにも関わらず、この車両からはノーマル以上の逞しさを感じる。それは、OZレーシングのホイールやオーバーレーシングのスイングアームの変更と、フロントフォークの付き出しによるディメンションの変更による効果が大きいようだ。
ハンドルもアップスタイルのバーハンドルから、アクティブのセパレートハンドルに変更。「ノーマルカウルを加工することなくセパハン化できるのは、現状ではアクティブのみ」(上田さん)というのが重要ポイントだ。またブレーキ関係をブレンボのラジアルポンプ、グリップもリデアのカーボンハンドルグリップに変更するなど、機能性とドレスアップ性を両立させているのもエタニティらしいところ。
現状ではビッグスクーターで展開しているようなエタニティとしてのオリジナル商品はサイレンサーのみだが、数ある社外品を選別し美しくまとめあげるセンス。これこそがエタニティの実力であり、モーターサイクルのジャンルでも存分に発揮されていることは、この車両を見てもらえればお分かりだろう。同店ではもう1台のZ900RSと合わせて、この車両の魅力を徹底解剖中。上田さん自身がツーリングなどでフル活用しながら、オリジナリティ溢れるカスタム車としての完成度を目指し、それをお客さんに対してフィードバックしていく予定だ。