掲載日:2016年12月26日 プロが造るカスタム
取材協力/ファスト
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2015』に掲載された内容を再編集したものです
今では覚えている人も多くないかもしれないが、1988年に登場したZX-10は、ニンジャ系水冷エンジンで、初めてダウンドラフト吸気を採用したモデルだった。
ニンジャ(GPZ900R)とZZR1100の間に挟まれた2モデル(もうひとつはGPZ1000RX)は、今では何とも影が薄くなってしまったが、RXはフルカウルのGTスタイルを確立したモデルだし、ZX-10は、ヘッド設計を大幅に進化させたという意味で、非常に意義が大きかった。ともあれ、いずれも四半世紀以上前の機種であり、今乗るなら、なるべくノーマルっぽさを残したスタイルで乗るのも、また一興だと思う。
ベースは1989年式。レンサル製ハンドル、セミシングル形状&クッション多めのシートなどは、ツーリング仕様を思わせる
「このZX-10は、ロングツーリングを速く、快適に、ということでオーダーされたものです。エンジン、足まわりなどトータルで手を入れましたが、バルブやホース類などの純正パーツが欠品の上、専用パーツもほとんどないため、各部加工などにけっこう苦労しましたねえ(笑)」(ファスト代表・山上さん)
車体との干渉が最も問題となったのは、吸排気系。マフラーはノジマ管(ZRX1100用)を使うことにしたものの、フレーム、オイルパンと干渉するため、該当箇所をカット&溶接加工。一方キャブレターもFCRφ39mm(ZZR1100用)に換装しているが、キットに含まれる接続部=スピゴットそのままでは、タンク裏側に干渉してしまうため、スピゴットをワンオフして、何とかスペースに収めている。「スピゴットは約20mm短くなってます。そのままでは特性がかなり変わってしまうので、低速域などで乗りにくさが出ないよう、入念にセッティングしています。こっちの仕上がりも、かなりいいと思いますよ」(同)
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