
掲載日:2011年03月04日 プロが造るカスタム
「このZ1は、オーナーさんが『カスタムバイク』として他店から購入したものなんですけど、乗ってみるとどうにもバランスが悪いということで、ウチに持ち込まれたんです。パーツチョイスやエンジンの中身も、実際にバラしてみるとびっくりするようなものが多くて、不安要素を取り除くつもりが結局一気に全部やってしまったという1台なんですね。結果的に無駄になるパーツも沢山出てしまって、オーナーさんもとても苦労されたと思いますよ」(代表・清永さん)
そんな苦労の甲斐あって清永さんお薦め仕様に生まれ変わったZ1だが、この車両を作ったことで新たな発見もあった。
「今までウチでは排気量1105ccのエンジンにヨシムラステージ2カムを組んだ仕様というのをお薦めしてたんですが、この車両にはφ71mmピストンで1045ccに、そしてST-2カムを組んでます。ウチでもあまりしたことのなかった組み合わせだったんですが、これがかなり良かったんですよ(笑)」(同)
1105cc+ST-2カムの利点は、低速トルクは排気量で、高回転域の良さはST-2カムで出すという『全域でのおいしさ』にあった。ところが1015や1045ccといった少し小さめの排気量との組み合わせでは「下のドン着きが適度に弱められて、安心してスロットルを開けられる」という、街乗りに最適な特性となっていたのだ。そしてスロットル開度の比較的小さいストリートでは、この 「安心して開けられる」という要素が活きてくる。さらにφ71mmピストンを使った1045cc仕様までなら、ライナー入れ替えもケースボーリングも不要、つまりコスト的にも有利なのだ。
ストリート用のカムはST-1、というZカスタムの定石からは外れているが、それだけで間違いとならないのもまた、カスタムの面白いところだと思う。
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