エクステンション / Z1-R カスタム写真
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カワサキ Z1-R

掲載日:2011年02月02日 プロが造るカスタム    

フォルムや“らしさ”をそのままに
現代的な動力&運動性を取り込む

ベースになるバイクやオーナーの考えが軸になって個性を高めるカスタムバイク製作だが、もうひとつ、その個性を左右する要素がある。カスタムを手がけるショップの信条だ。これにによっても、できあがるバイクの感じは大きく変わってくるものだ。このZ1-Rを手がけたエクステンションの場合は、ストリートのあらゆるシーンをカバーする走行性能を与えること、そしてカスタムなのに違和感をまったく感じさせないルックス。このふたつが信条であり、同店で製作されるカスタムに共通した要素となっている。

 

この車両はそのエクステンションが筑波サーキットでの旧車草レース、TOT(テイスト・オブ・ツクバ=当時はTOF=テイスト・オブ・フリーランス)に1990年代後半に参戦させていたDOBARクラス用レーサーをイメージして2000年頃に作り上げられたというもの。これ以前にもカスタム化を受けていて、その当時の仕様は「ノーマルの車体にワイドホイールを履いただけ」というものだったのだが、エクステンションによってそのレーサーイメージで全面変更を受け、このようなカタチに進化を遂げた。また、外観はレーサーをイメージしているものの、各部はストリートで快適に走れることを最優先。扱いやすさを前面に出しながら、ワインディングでもかなり走れる快速マシンに仕上げている。

 

使用オリジナルパーツに関しては、機能もさることながら、装着したときの見た目のバランスまでも考慮して、作製あるいは加工がされているとのこと。これはSTDのイメージを極力崩したくないという考えの表れで、スイングアームやステップキット、タンデムステップなどアルミパーツの多くにブラックアルマイト処理が施されていたりするのも、このためなのだ。

 

また、機能面に関してエクステンションがとくに力を入れているのが、フロントフォークのインナーキット。これはオーナーひとりひとりの体重や、走り方、マシンのハンドリングに合わせてチョイスできるよう配慮されたものだ。もちろん、車体全体のディメンション、前後の重量バランスなどにも気を配っており、これらの設定を大きく左右するステムキットやスイングアームなどは、ほぼワンオフ対応で製作している。

 

Z系などの旧車にワイドホイールを履かせ、現代的な見栄えや乗り味で仕上げるのもひとつの方向性だろう。だが、Zそのものが持つフォルムやハンドリングを活かし、それを伸ばして楽しむことは、Z本来の姿を知る良い機会にもなり得る、ということも知っておきたい。このZ1-Rは製作こそ2000年頃だが、そこから10年を経た今見ても、今作られたと言っておかしくないほどの普遍的な感じさえする作りだ。それを裏付けているのは、冒頭に述べたようなショップ自身のしっかりした信条だと言えそうだ。

エクステンション Z1-Rの詳細写真は次のページにて

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