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使いやすさや安全性を向上させ、後から登場するライバル車に対抗するため、毎年のように仕様変更が行われたCB750フォア。荒々しい初期モデルにも熟成が進んだ後期モデルにも、それぞれの個性と魅力がある。この車両は1974年発売のK4型。ガソリンタンク側面のグラフィックのデザインによって、鯉のぼりカラーと呼ばれた。
ボア61×ストローク63mmと僅かにストロークが長い738ccエンジンは、街中では4,000rpmも回せば十分に流れをリードできる。ボリューム感と磨き甲斐のあるヘッドカバーはSOHCならでは。
4連のキャブレターはリンクを用いた強制開閉式。負圧式キャブや現行のFIモデルに比べれば操作感は重いが、長距離走行で苦痛を感じるほどではない。
特徴的な4本マフラーは後端のバッフル径が絞られて、K0時代に比べて音量はずいぶんマイルドになったが、発するサウンドは現行車にはない迫力だ。集合マフラーより4本マフラーの方が勇ましい。
フロントブレーキはオーバーホールされており、耳障りな引きずり音はまったく聞こえてこなかった。ブレーキレバーを3本の指で握れば十分な制動力を発揮するのが、ドラム車とは異なり現代風。
リアサスペンションはノーマル。シート下部、リアウインカーマウントを兼ねたグラブバーは、荷掛フックになるとともにメインスタンドを掛ける際に役立つ。
CB750フォアシリーズの中で、K1用とK4用だけは現在でもメーカー純正シートが入手できる。このシートも純正新品だ。
K0のディマースイッチはハンドル右側に設置されていた。後にウインカー、ホーンボタンが付く左側に移された。
左右のメーター内部に配置していた、ニュートラル、油圧、ウインカー、ハイビームインジケーターはハンドルポスト部分に集中させて視認性を向上。
750Fourの文字の下にベースが付くのがK4のサイドカバーの特徴だ。K1以降はカバーの張り出しが少なく足つき性が改善された。