【Page2】エンジンや足まわりはいじっても「見た目」はそのまま。

掲載日:2010年01月04日 特集記事オトナのシングルYAMAHA SRX    

記事提供/2009年6月1日発行 絶版バイクス1

エンジンや足まわりはいじっても「見た目」はそのまま。

同一車種を所有するオーナー同士の情報のやり取りや、交歓の場となるのがクラブミーティング。1990年代半ばまでは、バイク雑誌を通じてメンバーを募集して、ハガキや手紙でミーティングの告知を行い、天気予報に気を揉みつつ開催日を待つのが一般的だった。しかしパソコンによる電子メールや、とりわけブログの普及によって一個人が世界に向けて情報や意見を発信できるようになり、オーナーズクラブの様態も大きく変化した。クラブという集団活動から、もっと小さな規模での活動が頻繁に行われるようになってきた。

 

1985年に登場したSRX400/600は、78年に登場したSR400/500に続くヤマハスポーツシングルである。デビュー当初よりシンプルながら質感の高いデザインが好評で、ファッショナブルなライダーが好んで所有した。と同時に、80年代から90年半ば頃に盛り上がったサンデーレースのシングルクラス(NS1やMS1クラス)のベースマシンとしても重宝され、サーキットではSRXワンメイク? 的になっていたことは、40歳前後のライダーにとっては記憶に新しいはずだ。
初期型の登場から20年以上、Ⅳ型と呼ばれる最終型が出てからでも10年以上を経たSRXを今でも愛し、仲間との交流を楽しんでいるクラブのひとつが「中部man3」である。インターネット掲示板を通じて自然発生的に生まれたSRXのクラブに集うオーナーの中で、中部地方在住のメンバーでこれまた自然発生的に活動しているのが中部man3。

 

そもそもは、関東地方で行われていた箱根man3の趣旨を継承して、中部地方でもSRX仲間で集まろうじゃないかというミーティングは、三河地方の山間部でman3=monthly、つまりひと月に一度開催されている。
3月に行われたミーティングでは、関東地方からの参加者も含めて30台近くのSRXが集合。同じバイクに乗るオーナーと知り合いたいという人の多くがインターネットを利用し、「SRX」というキーワードで検索を掛けているとはいえ、いわゆるオフミーティングでこれだけの台数が集まるところに、SRXオーナーたちの愛車精神が伺える。

 

初期型から最終型まで参加機種の幅は広く、ノーマルからフルカスタムまでまちまちだが、ほぼすべての参加者に共通するのは、デザインには手を加えていないという点。実際、エンジンや足周りはモディファイしても、タンクやサイドカバー、テールカウルに続く外装のデザインだけはいじれないという声も多く聞かれた。そればかりでなく、メーターやマフラーのデザインまでもノーマルが最高という意見も多かった。それだけ完成されたデザインを持つのがSRXであり、オーナーはそこに惚れ込んでいるのだろう。人を飽きさせないデザインと、現行モデルに劣らない走行性能を併せ持つ希代のスポーツシングルは、まだまだ元気にオーナーを楽しませてくれそうだ。

 

1.ミーティング当日、愛知県内の道の駅に集まったSRXはおよそ30台。遠くは千葉、埼玉からの参加もあり、バイクが大切なのはもちろんだが、参加者がオトナになるほど仲間との交流を大切に思うオーナーが多いと実感できる。

 

2.エンジン、電気、キャブと、それぞれ得意分野を持つオーナーが集まるのもクラブミーティングの良いところ。どうも調子が悪い、となればたちまちレスキューの輪ができる。同じ機種に乗る者同士だから、トラブル解決のアイデアもポンポン出てくる。

 

3.ナビにムービー、おまけにETCと、20年前には考えられなかったハイテクを装備した車両もちらほら。走行シーンを収めれば、後から何度でも楽しめる。

 

4.「道の駅」はミーティング会場として定番のスポット。5台、10台の集団はちょくちょく見かけるが、30台となると圧巻だ。ただしバイクがスタイリッシュでオーナーがオジサンばかりだから、周囲への威圧感はゼロ。

 

5,6.集まるだけでなく、即席試乗会が行われることもある。いろんな仕様のカスタムをちょっと借りてひとっ走り、というのも単一機種ミーティングの楽しさだ。

 

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