掲載日:2010年02月17日 特集記事 › 旅とアソビの250トレール
2009年1月1日発行 月刊ガルル No.273より記事提供
トレールだからうずくアソビ心。トレールだからチャレンジしてみたくなる未知の領域。ひとりだったら絶対に入っていかないセクションでも、4人いるとアタックしてみたくなる。林道脇に見える沢。上り斜面に添って伸びるシングルトラック…。それもまた、トレール旅の楽しみのひとつだ。 田島「セローなら行けるかなと思って、沢アタックしちゃいました」 菅野「セロー以外のバイクで、『同じことをせよ』って言われたらどう?」 田島「WRはちょっとプレッシャーがかかるなぁ。サポートしてくれるのはありがたいけど、『あんまりそばにいないでください』みたいな感じ。じゃあKLXかXRかって言われたら、XRですね」 小川「でしょ? やっぱり極低速だとKLXには重さを感じるよね」 菅野「小林さんはもちろん、どのバイクでも華麗なアクションを決めてくれるライダーですが、自分でマシンを選んでこういう遊び方をするならやっぱりセローですか?」 小林「間違いなくそうだね。いちばんヒタヒタ走れるマシンでしょ。次は、やっぱりXR、かな」 菅野「選ぶポイントは、どこなんでしょうか?」 小林「ポジションと、極低回転域でのエンジンフィーリングだろうね。コンパクトにまとまったポジションで、足着きにも文句の付けようがないセロー。アクセルチョイ開けのところでのパワーフィーリングが気に入っているXR、って感じ」 菅野「こういうところでセロー、っていうのは、やっぱり全員一致の意見ですね」 小林「ただね、極低速でバイクを操るっていう観点で言えば、ウイリーしていちばん安定してたのはKLXだったよ」 |
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小川「え? いつの間にウイリー比較試乗してたんですか?」
小林「林道で先行して、みんなを待ってる間(笑)。KLXはいろんな意味で、安定感がウリのマシンだよ」
小川「でもアタックランなら、セローの次にXR、なんですよね?」
小林「XRはKLXと対照的で、ハンドリングにほどよい軽快感がある。だからアクションにつなげやすいんだよね」
菅野「やっぱりWRは最後に選ばれるバイク? 僕はマシンの軽さを重視して、『セロー禁止』と言われてしまったらWRを選ぶかもしれないですけどね。足着きが悪いことも、マシンを放り出すことも覚悟の上で」
小林「いや、プロのケモノ道アタッカー( 笑)として言わせてもらうとね、パワーに任せてアタック、ってセクションならWRにも大いに分があるんだ。でもさ、道なき道を進む場合には、先にどんなセクションが待っているかわからないわけでしょ。そういうときの心の準備として、セローやXRの懐の深さがすごくありがたいんだよね」
小川「WRやKLXでアタックして、ラジエターを壊しちゃったら、一大事だよね。セローやXRの空冷エンジンに、そういうメリットを見いだすこともできない?」
田島「そこまで徹底的に遊ぶ人は、トレールバイクが持っている汎用性なんて要らないかもしれないですけどね。ラジエターが壊れちゃうってことは、たぶん他のところもそれなりに…、ですよね。それともXRオーナーならではの愛情?」
小川「たしかにそうかも」
フロントブレーキは全車2ポットキャリパーを採用。WRとKLXはウェーブローターを装着しているが、制動力に関しては全車不満のないレベルにあった。KLXとXRはレバー操作に対してナチュラルに制動力が立ち上がってくるが、WRとセローはストローク量が少ないように感じられた。とくにセローは利き始めからフルブレーキまでの握りしろが少なく、唐突にかかることがあった。このタッチの違いにテスターの評価も分かれた。
市街地ではWRの足着き性が気になるが、車重の軽さでカバーできるという意見となった。平均的な身長であれば、WR、KLX、XRのどれでも苦にせず乗ることができるはずだ。しかし、アタックではセロー以外は不安、という意見で一致した。足を着いて走破するようなセクションはセローの独壇場とも言える。その反面ポジションがきつく、動力性能が上がったにも関わらず高速移動がきつい、長時間は厳しい、という評価も出てきた。
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