カブ生活

ゆるカブ第百五十七回「ゆるカブ探偵、荒川を迷走する」

掲載日:2021年08月22日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

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気温35℃越え、どっか~んと晴れた荒川の土手にCT125が映えます。真っ黒いシートはお尻が焼けるように熱いです。

ホンダの"荒川のテストコース跡"はどこ?

ここは荒川右岸約29㎞辺り。埼玉県和光市と東京都板橋区の境に広がる河川敷です。1958年5月、この場所にホンダの高速テストコースが完成しました。幅3m、全長1450mのアスファルト舗装の直線路。コース開きのお披露目ではドリーム号が時速150㎞で走り抜けたとか(※Hondaホームページ「語り継ぎたいこと~チャレンジの50年~」より参照)。それから10年以上活躍してコースは閉鎖されましたが、もしかして現在もコースの痕跡があるんじゃ!? そんな期待をして荒川河川敷へとやってきました。

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グーグルマップ上で「ホンダ荒川テストコース跡」と入力すると現れる辺り。河川敷の野球グラウンドへ向かう道には「土日祝日のみ開門」を謳う案内があります。平日は鋼鉄の門扉が閉まっています。

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現在も笹目橋辺りから幸魂大橋のちょい上流にかけては約2㎞続くほぼ直線路になっています。ここで出会った物知りライダー氏によれば、この直線もテストコースの一部らしいと。痕跡がないか捜索してみましたが夏草に覆われた河川敷が広がっているだけ。まさに"兵どもが夢の跡"です。

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帰宅後に国土交通省の「地図・空中写真閲覧サービス」で航空写真を検索してみました。1975年1月撮影の航空写真(カラー)で2本の平行した直線路が確認できます。この写真の奥に見える鉄塔は当時から同じ場所にあったようです。

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「バイク禁止」の標識がありました。河川敷にバイクが集うのを防ぐためか、かつての暴走族対策の名残りか。かなりボロボロで近寄らないと判別できません。

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グラウンドでは草野球の試合中。長閑な風景ですが2019年10月の台風19号で冠水して一面が川になりました。

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河川敷へは「笹目橋」のすぐ西側にある「芝宮橋」で「新河岸川」を渡ります。この橋は現在架け替え工事が進行中。右手に新しい橋の橋脚が見えますね。

けっきょくテストコースの痕跡は見つからなかったけど、貴重な歴史に触れるキッカケになりました。当時のテストコースの写真を見ると路面はかなり白く、現在のアスファルトとは比較にならない簡易な舗装だと感じます。それでもほぼ同じ場所に立って直線路が続く先を眺めればコースの大きさを実感します。ただし真夏は日影がないので暑くてヘロヘロ。熱中症にはくれぐれもご注意ください。

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