

掲載日:2014年02月24日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合宏介
積雪の残る寒いシーズンの試乗だったが、スイッチを押した瞬時にエンジンがかかる。この時、従来のセルモーターで聞く「キュルキュル」というような音はしない。ダンクはACGスターターを採用しているので、実に静かにエンジンがスタートするのだ。静かどころか無音といっても良いくらいである。このACGスターターのおかげで、アイドリングストップ状態からでもエンジンは瞬時に目覚めてくれる。
なお、アイドリングストップ中でもヘッドライトやウインカーなど電装系は通電しているが、テールランプに消費電力の少ないLEDが採用されるなど電力消費を抑える工夫が施されている。さらに、バッテリー電圧が低下している場合にはアイドリングストップを自動停止するシステムや、万一のバッテリー上がりに備えたキックペダルも標準装備されたことで、より積極的にアイドリングストップ機能が活用できるようになっている。
ゼロスタートからの加速は、50ccだからと気を抜いていると、体が後ろに置いていかれるほど元気に加速する。これは現代の一般道を安全に走るために必要な資質だと思う。というのも、実際の道路上には駐車車両や道路工事箇所など、キープレフトを維持できない状況に直面するのが日常だからだ。こうした状況に出くわした場合、一時的とはいえ四輪などの一般車両と同じ車線へ入らざるを得ない。その時に必要となる充分なパワーをダンクはそなえているわけだ。
全く同等とは言えないが、昔の2スト50ccを知っているライダーでも、満足できるパワー感だろう。時速30キロという原付の制限速度が、将来的に10キロや20キロ高められたとしても、全く問題なく適応できる性能だと言える。「20世紀の規制はもう古い。21世紀の50ccの新基準はこれだ」そんなホンダからのメッセージを感じた試乗だった。
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