

掲載日:2013年06月28日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/野呂瀬悦史
実車を前にしての第一印象は「車格が大きい」ことだった。重量物の積載も考慮されたカブプロ110の足回りを前後に装着し、さらに前後17インチタイヤを採用したことで、現行スーパーカブ110よりも全長・全幅・全高いずれも数値的に大きくなっている。しかし、これらの数値より明確に違いが体感できるのが着座したときの印象だ。クロスカブは座面が広くクッションの厚みもある専用シートが装着され、結果的にスーパーカブ110のシート高735ミリに対して同784ミリと高く、座れば足つきなどでハッキリと違いを感じることができる。なお、このクロスカブ専用シートと現行スーパーカブ110のシートには互換性があるという。つまり、クロスカブのシート高を低くしたい場合や、スーパーカブのシートに厚みが欲しい場合、それぞれのシートに交換をしてみるのも一つの方法となるだろう。
高めのシート高に合わせるように、クロスカブはハンドルもアップポジションとなっていて、走り出せば乗車姿勢は自然な状態で無理がない。クッション性の高いシートの恩恵もあって、長時間に渡り快適さがキープされるため、ロングツーリングも軽々とこなせそうだ。もちろん、未舗装路などの連続走行でも、ストローク量の充分なサスペンションや厚めのシートは振動軽減に貢献してくれるだろう。なお、クロスカブは、スーパーカブ110と比べて20ミリ高い155ミリの最低地上高が確保されているため、路面状況への対応力が格段に向上している。車格が大きくなったのも、こうした走破性や快適性といった性能向上に由来するための機能と装備を装着した結果なのである。
CT110を思わせるデザインのクロスカブだが、実際、装備面で似ている部分が多々ある。その代表が可倒式ステップの採用や右側用サイドスタンドの取付け穴の存在だ。さらに細かい点をあげれば、拡大鏡が採用されたミラーもそうだろう。CT110の純正ミラーは、かなり大きく映る拡大鏡タイプだが、クロスカブは「ちょっと大きいぞ?」というレベルで気になるほどではなかった。なお、両車ともタイヤサイズが前後とも2.75-17というのも同じ点。クロスカブの標準タイヤはロードパターンだが、このサイズならオフロードパターンのタイヤを探すのも難しくないといえる。
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