ホンダ クロスカブ
ホンダ クロスカブ

ホンダ クロスカブ – フィールドを選ばないクロスオーバーなカブ

掲載日:2013年06月28日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/野呂瀬悦史

ホンダ クロスカブの試乗インプレッション

ホンダ クロスカブの画像

速度ではない本質的な速さを手に入れた
「元気な加速」がクロスカブの走りの身上

ホンダが誇るインジェクションシステム「PGM-FI」によって制御された109ccの空冷4ストエンジンは、セル一発で容易に動き出す。徹底的に低フリクションを追及したエンジンは、真冬でも始動直後から安定したアイドリングを刻むわけだが、その様子はキャブ世代のライダーにとって驚愕の光景でしかない。「エンジンをかける技術」は不要の時代になったのである。なお、エンジンスタートはキック併設で、万一のバッテリー上がりにも対応できる点は、クロスカブにも受け継がれたカブシリーズの魅力のひとつといえるだろう。

ホンダ クロスカブの画像

クロスカブの走りの特徴は「元気な加速」に尽きる。丸目のカブ110から現行のスーパーカブ110にモデルチェンジした時に、ゼロスタートからの加速がわずかに速くなったが、今回は、それ以上に明確に加速が向上した。スーパーカブ110のスペックと見比べると、変速比は同じだが2次減速比が変更されていた。つまりスプロケによる調整で、低速(加速型)に調整されているのである。なお、スーパーカブ110とクロスカブの両モデルでスプロケが流用できるなら、チェーンなどの細かな調整が必要だが、自宅近隣の交通事情に合わせた走りの味付けが可能になるだろう。

ホンダ クロスカブの画像

クロスカブは、加速が向上した分、最高速は時速90キロほどで頭打ちとなる。ただし、加速が必要なシーンは、最高速が求められるより明らかに多く、どちらが必要な性能かは明確だ。手にした加速力に対して、制動力はリアのドラム径を大型化して対応。車重も105キロとスーパーカブ110に比べると重くなっているが、制動力に一切の不満は感じられなかった。CT110を思わせるデザインや各種パーツ、そして加速型のセッティングなど、クロスカブは21世紀の「ハンターカブ」としての資質を備えたモデルといえるだろう、なお、アウトドアイメージが強いクロスカブだが、信号によるストップ&ゴーが多い街中も得意なシティランナーでもある。小型二輪免許でOK。さらに、小型二輪AT免許でもOKなクロスカブ。手に入れれば、都市部から自然の中まで連れて行ってくれる「頼れる相棒」になるのは間違いないだろう。

ホンダ クロスカブの画像

ホンダ クロスカブの詳細写真は次ページにて

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索