スズキの名車カタナ日本仕様車とは

掲載日:2017年04月05日 雑誌掲載記事ピックアップ    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部  画像提供/ロードライダー編集部

1982 GSX750 S1

バイク隆盛期の日本で行われた「カタナ狩り」とは?
カスタムという言葉が生まれる前時代を駆け抜けたカタナ

1982年、日本国内仕様のナナハンカタナ(GSX750S1)が発売された。車体はGSX1100S/1000Sとほぼ同じ。リアホイールのみ2.15-18と幅が狭くなり大径となっていた。当時は輸出仕様のスタイルで認可が受けられなかったため、スクリーンを外し、ハンドルは高く手前にセットされたアップハンドルが装着された。

スクリーンレスはプロトタイプのイメージに通じるものもあり、アップハンドルは操作性という点では一理ある装備ではあった。しかし、走行性能だけでなく、そのデザイン性も大きな魅力だったモデルだけに、楽しみにしていた当時の日本のライダーたちの落胆は大きく、先進的なデザインに追従できない国内規制への皮肉を込めて「耕運機」と呼んでいた。

なお、ナナハンカタナ購入後に輸出仕様のハンドルに交換する人が後絶たなかったが、このカスタムが当時は違法とみなされ、「カタナ狩り」と呼ばれる厳しい取り締まりを受けることになる。その後、1982年7月のスクリーン認可でスクリーンを追加したGSX750SSが誕生。さらに翌83年にはフロント16インチ、リア17インチの足回りと出力向上が施されたGSX750S2が発売された。

1982年夏のカウル認可に伴い、同年末の発売モデルからスクリーンが追加された。また、写真の1983年モデル(GSX750S2)からは最高出力が69馬力から72馬力に、ホイールサイズが2.15-16/2.50-17になる。しかし、ハンドル形状はそのままだ。なお、近年、一部でこのアップハンドルスタイルが再評価されているという。

こちらは1983年モデルのSDと呼ばれる輸出仕様のGSX1100Sカタナ。フロント1.85-19、リア2.50-17のサイズはそのままに星形10本からブーメラン配置6本スポークのホイールとなった。また、ビニールレザーシート、アルミ鍛造ステップ、新型シリンダーヘッドカバーが採用され、車体色は赤×銀、青×銀に。エンジン/BS34キャブレターはブラックアウトされクランクピンを溶接、ジェネレーターも大型化された。スクリーンやハンドルなどに違いはあったが、当時の日本のライダーは、このスタイルに通じるマシンとしてナナハンカタナを手に入れたのだ。

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