スタイリッシュなデザインと実用性の高さでユーザーを魅了、ヤマハシグナスグリファス、NMAX、X FORCEのスポーツ性を引き上げるケイツー・テック製スクーター用マフラーラインナップ

掲載日/2024年2月28日
取材協力/株式会社ケイツーテック
写真、文/箱崎大輔
構成/バイクブロス・マガジンズ
1990年代に全日本ロードレース選手権GP125クラス・世界選手権GP3クラスに参戦し、ヤマハTZ125の開発ライダーも務めたレーシングライダーの久保和寛氏が、2004年に設立したのがケイツー・テックである。

スクーターモデルに個性を付与する
エキゾーストパイプ

同社の主力製品である絶版車2ストロークモデル用チャンバーや現行4ストロークモデル用マフラーは、ライダーとしての経験やスキルを存分に発揮しながら、最高出力ばかりを追求するのではなく、公道での使用を前提とした常用領域での扱いやすさを重視しているのが特徴だ。

2スト好きにとってはチャンバーブランドとしてのイメージが強いケイツー・テックだが、実は創業以来4ストロークスクーター用のスポーツマフラーの開発にも定評がある。原付二種の125ccクラスや軽二輪の150~160ccクラスは市場の大きなアジア諸国の主力クラスとなっており、スポーティモデルからラグジュアリーモデルまでバイクメーカーも積極的な機種展開を行っている。

スクーターはヘッドライト周りをはじめとした外装パーツのデザインによって車体全体のイメージが大きく変化するが、エンジンや駆動系は複数モデルで共有され、マフラーに関してはあくまで排気系統の一部として処理されていることも多い。一方、ケイツー・テックのスクーター用マフラーラインナップは、単なる排気装置ではなく明確な個性を与えるカスタムパーツとして開発されているのが大きな特徴である。

可変バルブタイミングを採用した新世代のブルーコアエンジンを搭載した125ccのヤマハシグナスグリファスとNMAX、同じく155ccブルーコアエンジンを搭載したヤマハNMAX155とX FORCE用に開発されたGP-R(ジーピーアール)シリーズは、シリンダーヘッド部からサイレンサーに向かう手曲げならではの美しい曲線を描くステンレス製エキゾーストパイプと、コンパクトながら音量を抑えつつ重厚感のある低音を響かせるサイレンサーの2ピース構造を採用。純正マフラーに比べて圧倒的にコンパクトなサイレンサーは、素材やデザインが異なる4タイプがあり、ユーザーの好みに応じたスタイルを実現可能。

気になる走行フィーリングは、街中で使われることが多いスクーターの特性に合わせて、スロットルを開けた際にレスポンス良く追従し、中間加速を重視した味付けとなっている。スポーティなスタイリングと低音中心の迫力あるサウンド、さらに実用域でストレスのない走りを楽しめるGP-Rシリーズは、シグナスグリファス、NMAX、X FORCEのカスタムにとって欠かせないマフラーとなることだろう。

スクーターの純正マフラーはサイレンサーの容積が大きく、エキゾーストパイプの存在感が希薄なのに対して、ケイツー・テックのGP-Rシリーズはシリンダーヘッド部分からスイングアーム上方まで長くレイアウトされたパイプが特徴だ。

エキゾーストパイプを曲げるにはNCベンダーを使った機械曲げと、バーナーで加熱したパイプを人間の手で加工する手曲げがある。機械曲げの方が製造効率は高いものの曲げ部分に角ができるのに対して、手間と時間は掛かるが入り口から出口まで曲線がなめらかにつながるGP-Rシリーズの手曲げエキゾーストパイプは、スペシャルパーツとしての大きな見せ場にもなっている。

GP-R(ジーピーアール)メガホン


ステンレス製手曲げエキゾーストパイプからテーパー状に拡大するメガホンサイレンサーは外径φ90mm、テーパー長250mmでバッフルを内蔵。

シグナスグリファス(2022~)用 価格52,800円
NMAX(2021~)用 価格52,800円
NMAX155(2022~)用 価格52,800円
X FORCE(2022~)用 価格52,800円

GP-R(ジーピーアール)テーパー 3ピースエンドタイプ


エキゾーストパイプからつながる140mmのテーパー部分と、外径φ86nn、筒長140mmのストレート部分、エンド部分に3分割の輪切りパイプを組み合わせた3ピースエンドタイプ。

シグナスグリファス(2022~)用 価格52,800円
NMAX(2021~)用 価格52,800円
NMAX155(2022~)用 価格52,800円
X FORCE(2022~)用 価格52,800円

GP-R(ジーピーアール)テーパー M1エンドタイプ


エキゾーストパイプからつながる140mmのテーパー部分と、外径φ86nn、筒長140mmのストレート部分、スラッシュカットのエンド部分を組み合わせたM1エンドタイプ。

シグナスグリファス(2022~)用 価格52,800円
NMAX(2021~)用 価格52,800円
NMAX155(2022~)用 価格52,800円
X FORCE(2022~)用 価格52,800円

GP-R(ジーピーアール)STD 3ピースエンドタイプ


外径φ86mm、筒長280mmのオーソドックスな円筒サイレンサーの後端に3分割の輪切りパイプを組み合わせた3ピースエンドタイプ。

シグナスグリファス(2022~)用 価格48,400円
NMAX(2021~)用 価格48,400円
NMAX155(2022~)用 価格48,400円
X FORCE(2022~)用 価格48,400円

GP-R(ジーピーアール)STD M1エンドタイプ


外径φ86mm、筒長280mmの円筒形サイレンサーの後端にスラッシュカットのエンド部分を組み合わせたM1エンドタイプ。

シグナスグリファス(2022~)用 価格48,400円
NMAX(2021~)用 価格48,400円
NMAX155(2022~)用 価格48,400円
X FORCE(2022~)用 価格48,400円

GP-R(ジーピーアール)STDチタン 3ピースエンドタイプ


レーシーで美しい焼き色が特徴的なチタンサイレンサーは外径φ86mm、筒長280mmの円筒形で、3ピースエンドタイプはサイレンサー後端に3分割の輪切りパイプを組み合わせたスタイル。

シグナスグリファス(2022~)用 価格57,200円
NMAX(2021~)用 価格57,200円
NMAX155(2022~)用 価格57,200円
X FORCE(2022~)用 価格57,200円

GP-R(ジーピーアール)STDチタン M1エンドタイプ


外径φ86mm、筒長280mmの円筒形チタンサイレンサーの後端にスラッシュカットのエンド部分を組み合わせたM1エンドタイプ。チタンならではの焼き色が個性的。

シグナスグリファス(2022~)用 価格57,200円
NMAX(2021~)用 価格57,200円
NMAX155(2022~)用 価格57,200円
X FORCE(2022~)用 価格57,200円

中古市場でも高い人気を誇る
シグナスX対応のサイレンサーシリーズ

通勤や通学といった実用性に加えて、デザインの良さからカスタムユーザーからも大いに支持された、ヤマハの125ccスクーターを代表するシグナスXシリーズ。2003年に登場した初代はキャブレター仕様で、2007年にモデルチェンジを受けたシグナスX/SR以降はフューエルインジェクションを採用している。両モデルとも現在でも中古車市場で高い人気を維持しており、ケイツー・テックでもさまざまなデザインのマフラーをリリースしている。


輪切りピースを溶接したステンレス製エキゾーストパイプから一体的なデザインでつながるメガホンサイレンサーが特徴。街乗りで扱いやすい中間加速を重視した特性で、外径φ90mm、テーパー長250mmのサイレンサーは低音が響くサウンドを実現。シグナスXには年式によってO₂センサーの有無があるため、注文時にバリエーションを選択。メガホンサイレンサーのデザインは同一ながら、ステンレス製手曲げエキゾーストパイプを採用したGP-Rメガホンも用意されている。

Volta(ボルタ)メガホン シグナスX(1・2・3型) 価格50,600円
GP-R(ジーピーアール)メガホン シグナスX(1・2・3型) 価格50,600円



輪切りピースを溶接したステンレス製エキゾーストパイプに、140mmのテーパー部分と、外径φ86mm、筒長140mmのストレート部分からなるサイレンサーを装着。テールエンドは3分割の輪切りパイプ、またはスラッシュカットのM1エンドを選択可能。年式によってO₂センサーの有無があるため、注文時にバリエーションを選択。エキゾーストパイプはステンレスの輪切りピースを溶接したVoltaとステンレス手曲げのGP-Rが用意されている。

Volta(ボルタ)テーパー シグナスX(1・2・3型) 価格50,600円
GP-R(ジーピーアール)テーパー シグナスX(1・2・3型) 価格50,600円


外径φ86mm、筒長280mmの円筒形サイレンサーを使用したSTDタイプには、エキゾーストパイプの違いによりステンレスの輪切りピースを溶接したVoltaと、ステンレス手曲げのGP-Rがある。VoltaはGP-Rよりエキゾーストパイプが短いため、マフラー全体としてもショートスタイルとなる。サイレンサーエンドは3分割の輪切りパイプを組み合わせた3ピースエンドかスラッシュカットのM1タイプが選択できる。Volta、GP-Rともにチタンをラインナップ。

Volta(ボルタ)STD シグナスX(1・2・3型) 価格46,200円
Volta(ボルタ)STDチタン シグナスX(1・2・3型) 価格55,000円
GP-R(ジーピーアール)STD シグナスX(1・2・3型) 価格46,200円
GP-R(ジーピーアール)STDチタン シグナスX(1・2・3型) 価格55,000円


輪切りピースを溶接したステンレス製エキゾーストパイプから一体的なデザインでつながるメガホンサイレンサーが、洗練された車体デザインにマッチする。マフラー特性は街乗りで扱いやすい中間加速を重視し、外径φ90mm、テーパー長250mmのサイレンサーは低音が響くサウンドを実現。メガホンサイレンサーのデザインは同一ながら、ステンレス製手曲げエキゾーストパイプを採用したGP-Rメガホンも用意されている。

Volta(ボルタ)メガホン シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格50,600円
GP-R(ジーピーアール)メガホン シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格50,600円



外径φ86nn、筒長140mmのストレート部分と140mmのテーパー部分を組み合わせたのがテーパータイプ。エキゾーストパイプはステンレスの輪切りピースを溶接したVoltaとステンレス手曲げのGP-Rがあり、サインレンサーエンドは3分割の輪切りパイプを組み合わせた3ピースエンドかスラッシュカットのM1タイプが選択できる。

Volta(ボルタ)テーパー シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格50,600円
GP-R(ジーピーアール)テーパー シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格50,600円


外径φ86mm、筒長280mmの円筒形サイレンサーを使用したSTDタイプには、エキゾーストパイプの違いによりステンレスの輪切りピースを溶接したVoltaと、ステンレス手曲げのGP-Rがある。VoltaはGP-Rよりエキゾーストパイプが短いため、マフラー全体としてもショートスタイルとなる。サインレンサーエンドは3分割の輪切りパイプを組み合わせた3ピースエンドかスラッシュカットのM1タイプが選択できる。

Volta(ボルタ)STD シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格46,200円
GP-R(ジーピーアール)STD シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格46,200円



チタンならではの美しい焼き色が個性的なサイレンサーは外径φ86mm、筒長280mm。ステンレス製のエキゾーストパイプは輪切りピースを溶接したVoltaと手曲げのGP-Rがあり、VoltaはGP-Rよりエキゾーストパイプが短いためマフラー全体としてもショートスタイルとなる。サインレンサーエンドは3分割の輪切りパイプを組み合わせた3ピースエンドかスラッシュカットのM1タイプが選択できる。

Volta(ボルタ)STDチタン シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格55,000円
GP-R(ジーピーアール)STDチタン シグナスX SR 4型/5型(2015年11~) 価格55,000円

INFORMATION

住所/大阪府羽曳野市野110
電話/072-952-2958
営業時間/9:00~17:00

かつて、ヤマハのテストライダーとして2ストレーサーTZ125の開発に携わり、世界グランプリにもワイルドカード出場を果たした久保和寛選手。久保選手がレース活動に区切りをつけた後に、チャンバー・マフラーのコンストラクターとして独立したときのブランド、それがK2-tec(ケーツーテック)です。自身がテストライダーだったという経歴は、マフラーの開発にも大いに活かされ、「ライダー兼コンストラクター」であることが多くのファンに支持されてもいます。ただし、市販マフラー・チャンバーは、レース用のそれとは異なるもの。かつてバイクブロスでは「市販品はユーザーの求める性能レベルと、彼らが手に取れるほどの価格をバランスさせて、製品にその価格以上の価値があることを認めてもらうことが大切」という話を取材させていただいたことがあります。なお、ヤマハ出身ながら、近年はNSR250R(MC28・21)用チャンバーでも話題を集めるなど、製品ラインアップはホンダなど他メーカー、汎用品にも及んでいます。

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