スズキの名車カタナファイナルエディション

掲載日:2017年04月19日 雑誌掲載記事ピックアップ    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部  画像提供/ロードライダー編集部

2000 GSX1100SY(FINAL EDITION)

時代の変化、技術の進化を巧みに取り入れ
20年に渡り人気モデルであり続けたGSX1100Sカタナ

1990年、スズキは70周年記念モデルとしてGSX1100SM カタナ(通称:アニバーサリー)を発表した。1000台限定で復刻されたこのモデルは輸出仕様だったが、同年の国内オーバー750cc解禁を意識し、国内認可に必要なタンデムベルトと荷掛けフックを標準装備していた。なお、このGSX1100SMが人気車両となったため、翌1991年にはSMと同型となるGSX1100SLカタナが発売された。SLにはアニバーサリーモデルとしての限定ステッカーが貼付されていなかったが、SMとSL共に「アニバーサリー」という扱いになった。

1992年にはSLの車体色を赤×銀のツートンカラーにしたSSLも登場。この90年からの連続生産とそれを支えたカタナの人気を受けて、1994年にはついに日本仕様の1100カタナとなるGSX1100SRカタナが登場する。このSRは、フロントフォークのANDFが廃止されたほか、KYBリアショックにはリザーバーを追加。ヘッドライトも常時点灯式となった。また、オプションだったオイルクーラーも標準装備になり、電動アシストクラッチも追加された。エンジンはキャブセッティングとマフラーの内部変更でGSX1100SMより16馬力減の95馬力となっていた。このモデルは1996年までラインナップされ、日本に再びカタナブームを呼び起こした。

そして1999年の東京モーターショーに登場したのが、GSX1100SYカタナ・ファイナルエディションだ。2000年に日本市場に向けて1100台限定で発売されたこのモデルは、フロントブレーキが4ポッドキャリパーになったほかディスクも大径化された。また、スイングアームピポット上に補強を追加。ホイールはサイズをそのままにチューブレス化。そして進角もデジタル式になるなど、「カタナのカタチをした現代のバイク」として登場したモデルであった。

2017年3月の段階では、このカタナのファイナルエディションが、本当の最終モデルとなっている。しかし、登場から30年時以上が経過した現代においても、古さをまったく感じさせないデザインこそがカタナの本質であり、他の名車と呼ばれるモデルとは異なる点だ。もしかしたら、明日にもで、新しいカタナが登場するのではないか?そんなワクワク感を抱きつつ、カタナという名車が存在していたことを胸に刻んでおくのも悪くないだろう。

GSX1100SY カタナ・ファイナルエディションのNo.1100車。見えづらいがトップブリッジのプレート「1100」の刻印が見える。この車両は静岡県浜松市のスズキ本社前にあるスズキ歴史館に展示されている。

1990 GSX1100SM。スズキ70周年記念車として1000台限定で復刻したアニバーサリー・カタナ。国内のオーバー750解禁も視野に入れた装備が施されており、日本でのカタナブーム再熱の起点となった。

1994 GSX1100SR。日本専用仕様の1100カタナとして登場したのがSR。常時点灯やオイルクーラー標準装備のほかにも、電動アシストクラッチを採用されたことがトピックとなった。

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