【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティC

掲載日:2023年07月12日 プロが造るカスタム    

取材協力/CUSTOM SHOP ETERNITY
取材・写真・文/ガスグラフィックス

【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティCのmain画像
ヤマハ マジェスティC(カスタムショップエタニティ)

エアロブランドを統一せずに、競合他社をミックスする
この難問に挑戦したエタニティのセンスに注目

今回登場するマジェスティCは、ビッグスクーターブームが最盛期を迎えていた、2006年の作品だ。製作は、ビッグスクーターチーム=エタニティのリーダーであり、そこから同じ名前で専門店を立ち上げた上田さんによるもの。現在は埼玉県草加市にお店を構えているが、この当時は、東京都江戸川区で活動しており、本物のラグジュアリースタイルを作り出すショップのひとつとして、すでに認められていた時代だった。

【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティCの02画像

この車両の特徴は、装着されたエアロパーツのメーカーがそれぞれ異なるという、いわゆるエアロミックスで作り上げられていることだ。フロントフェンダー、フロントサイド、サイドフラップのメーカーは、JET’S(ジェッツ)。ブランド名はドラッグボンバーで、ラグジュアリーでありながらちょっと派手なダクトデザインが印象的だった。リアスポイラーはBELL(ベル)のバッドボーン。エアロブームを生み出したブランドであり、嘘偽りなく、あの当時のユーザーの多くが憧れたことは間違いない。その下に鎮座する存在感あるリアアンダーカウルも、ブーム創世記から終焉まで長期に渡って支持されたP-CAN(ピーカン)。そして、フロントフェイスとアンダーカウルにエタニティの自社製品を使用し、合計4ブランド混合でこのスタイルが作られたことになる。

エアロの造形は、各メーカーのブランドごとに、こだわりが表現されていることは言うまでもない。つまり、それはブランドを混ぜてしまうとデザイン上の辻褄が合わなくなることを意味する。それにも関わらずエタニティは、それぞれの特徴とデザインの美しさを理解した上で、違和感なくバランスさせることに成功しているのだ。しかもこの時代は、まだエアロのワンオフ加工が主流ではなかった。つまりこのマジェCは、基本的にはほぼポン付けでまとめていることも忘れてはいけない。こういったセンスと技術こそが、プロショップとしてブーム終焉後も活動を続ける理由のひとつなのだ。

詳細写真

【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティCのカスタム03画像

フロントフェイスはエタニティ、サイドとフェンダーはJET’S製ドラッグボンバー。こうしてみると、各エアロのデザインコンセプトは明らかに異なるが、この相反する雰囲気を見事に調和させている。しかも、フェイスはラグジュアリーとは雰囲気が異なるカーボンを使用。この攻めたアイデアがエタニティの魅力でもある。

【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティCのカスタム04画像

美しいメッキ加工が施されたホイールとフロントフォークアウター部。ラグジュアリーには、本物の質感だけしか許されないことを物語っている。スピンナーはカスタムガレージフリーダム製で、こちらも人気商品だった。

【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティCのカスタム05画像

メッキパーツで完璧に統一されたハンドル回り。ワンオフスイッチボックス、PIVOTの追加メーターも含めて、迫力満点の仕上がりだ。ブレーキ関係はベルリンガーを採用。メッキではなくブラックを使ったことで、さりげなくカーボンフェイスとの一体感が生まれている。

【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティCのカスタム06画像

シートはエタニティのオリジナルシート。表皮にはエナメルとマットの2種類を活用し、単調になりがちなシートの表情を豊かにしている。使い方次第では野暮ったくなるグリップバー付きのタンデムバックレストも、ラグジュアリーアイテムに見えるのがポイント。

【カスタムアーカイブ】ブランドミックスが斬新なラグジュアリーなマジェスティCのカスタム07画像

カーボンタイプのサイレンサーもエタニティのオリジナル商品。カチ上げスタイルにすることで、品のいいラグジュアリー感をあえて崩している。フロントサイドカウルやリアスポイラーなどが派手めな造形のため、この絶妙なヤンチャ加減が全体的にマッチしているのだ。

カスタムポイント
  • ●フロントフェイス…ETERNITY カーボンフェイス ●フロントフェンダー…JET’S ドラッグボンバー ●フロントサイドカウル…JET’S ドラッグボンバー ●サイドフラップ…JET’S ドラッグボンバー●アンダーカウル…ETERNITY ワンオフ ●リアスポイラー…BELL バッドボーン ●リアオリジナルアンダーカウル…P-CAN ●シート…ETERNITY ワンオフ ●マフラー…ETERNITY ワンオフ ●エアクリーナー…ETERNITY ワンオフ ●ハンドル…OVAL ●グリップ…DAYTONA ●ミラー…M-FATORY  ●サスペンション…apr DC-AIRエアサスペンション ●ホイール…Y’S GEAR ●マスターシリンダー…BERINGER ●キャリパー…BERINGER ●ヘッドライト…メッキ加工 ●ウインカー…STRAWBERRY ●テールランプ…STRAWBERRY ●オーディオ…KENWOOD ●電飾…LED ●プーリー…MALOSSI ●クラッチ…KITACO ●ペイント…シャドウペイント ●その他…PIVOTメーター、スイッチボックスワンオフ、24cmロングホイールベース加工、フリーダムスピンナー

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索