掲載日:2024年02月07日 プロが造るカスタム
取材協力/Bike Shop Clean
取材・写真・文/ガスグラフィックス
スクーターブームの当時は、ヤマハ系正規ディーラーとして活躍していたのが、千葉県市川市にあるバイクショップクリーンだ。並み居る専門のカスタムショップとは異なり、ディーラーとしての安全性や実用性重視による車両作り。それが、クリーンのカスタムスタイルだった。
ここに紹介するヤマハ・マジェスティ(4D9)は、2009年当時に同店が作り上げたもの。オリジナル商品として各車種のエアロパーツも手掛けてきたクリーンが、当時の現行車であった4D9用のフロントフェイスを開発し装着した車両だった。それ以外の外装は基本的にノーマルのまま。インナーカウルをブルーにペイント。また、わずかにロングホイールベース加工とローダウン加工を施しているが、非常にシンプルな構成で完成。見た目のインパクトなどは皆無だが、カスタムへの満足感と実用性をしっかりと両立させた、ディーラー系ショップならではのスタイルだった。
ビッグスクーターと言えば、どうしても大掛かりな加工が伴うハード系車両のイメージが多いことだろう。実際にこの企画でも、そのような車両を数多く紹介しているため、そういう影響を与えてしまっていることは自覚している。しかし、当時クリーンが作り上げたこのマジェスティのように、お金をかけすぎずにカスタムを楽しむアイデアはたくんさんあるのだ。エアロもローダウンもフレーム加工も、ほどほどに留めてバランスさせる。ビッグスクーターカスタムの初級者には、このお金をかけ過ぎないバランス感を最初に養って、そこから自らがどの方向へと進むのか? このまま楽しむか、それとも更なる高みを目指していくのか? そういう選択肢の基準となるこのライトテイストの存在を、覚えておいてもらいたい。