ヤマハ XVS950CU ボルト Cスペック
ヤマハ XVS950CU ボルト Cスペック

ヤマハ XVS950CU ボルト Cスペック – カフェレーサーの復活。魅惑のスタイルと音質

掲載日:2015年05月14日 試乗インプレ・レビュー    

レポート/石橋 知也  写真/柴田 直行  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はカスタムNo.1マガジン『ロードライダー』の人気企画『New Model Impression』を再編集したものです

正式名はXVS950SU BOLT-C。通称はBOLT C-Spec。つまりボルトのカフェレーサー。このスタイルはクラシックスポーツの原点だ。そして走りはしなやかで、どこか懐かく感じる。

カフェレーサーの復活
魅惑のスタイルと音質

ビリー・ジョエルがニューヨークのロングアイランドに、カフェレーサーのカスタムショップ“20th Century Cycles”をオープンさせたのは、たしか2000年だった。その頃からアメリカやヨーロッパでは、カフェレーサー人気が急上昇。今では専門のTV番組(ディスカバリーチャンネルで放送中。テストライダーはエリック・ボストラムだ)、WEB、雑誌もある。でも、日本はまだ欧米ほど火が付いていない感じだ。

だからBOLTのCスペック(C=カフェレーサー)がリリースされたことはちょっと嬉しく、流行に敏感なヤマハらしい感じがした。

カフェレーサーのお約束はセパレートハンドル、バックステップ、シングルシートだ。BOLT Cも当然これらを装備。でも、前傾はキツくなく…というより低中速で走っても楽々で快適。ステップ位置はアップハンドルのSTD BOLTより後ろではあるけれど、スーパースポーツのそれとは違って中間位置で、それがかえって1970年代の改造カフェっぽい。トライアンフ・スラクストンやノートン・コマンド961とは全然違ってきつくない。シートはシングル風のダブル。表皮がスウェード調マット仕上げで、お尻が滑りにくく、座面もフラットで広め。ブレーキング時も前に落とされず、長時間乗っても快適なものだ。

こんな楽なライディングポジションなので、気軽に街に乗り出せる。タウンスピードを楽しめる要因のひとつがエンジン。鼓動感や排気音のサウンドがVツインらしいし、気持ちを苛立たせないのがいい。トウキョウやヨコハマの街をカッコ良く流す。昔、たまに出かけた横浜外人墓地にある“えの木てい”の前を通った時は、若いころを思い出した。バイクはバーチカルツインのヤマハXS650Eや借り物のベベルのドゥカティ900SS…だったかな?

今や貴重な空冷エンジンは60度Vツイン。バランサーも位相クランクもなしで振動が心配だったけれど、ワインディングロードをそこそこ飛ばしたり、高速道路の巡行ぐらいでは問題なし。デュアルボアφ35mmスロットルボディと各気筒1個ずつ配された4ホール・2方向噴射インジェクターが上手い具合に低中速域を演出している。ECUは32ビット。

跨ると、このスロットルボディに取り付けられたエアクリーナーボックスを右膝で、Vバンクカバーを左膝(後方気筒が左にオフセットしているから)で挟む格好になる。スリムで小ぶりな12リットルフューエルタンクだから、タンクは膝に当たらない。でも、この手のVツインの操作の主役はステップへの荷重と腰の向きで、両膝をガチガチに絞めないようにするのがコツ。その方が左右に軽快に運動させられ、旋回力も引き出しやすい。シート高は765mmと低い。欲をいえばステップまわりをもう少し整理してくれれば…。

スポーティに走っても、路面が良ければ車体のしなやかさが生きる。不等間隔爆発(300-420度間隔)のトルクが路面を蹴る感じもほど良いから、安心してスロットルを大きく開けられる。あえて2本サスでショートホイールベースにし、スイングアームもしなやかな丸断面にしたなど作りの狙いが、走りにちゃんと出ている。ホイールベースはモノサスのXVS950の1,685mmに対して1,570mmだ。幅の狭いドライブベルトも、芯線をいろいろ試してスムーズさと蹴り出し感の良さを探ったものだという。

ただ、少しハードに攻めるとさすがにステップが接地するし、荒れた路面や高荷重時では前後サスの減衰力が不足。その辺の対策はオーナーの楽しみとして残してあると思えばいい。前後ブレーキは強力ではないけれど、コントロール性は良い。また、ABSモデルも用意されている。

やっぱりカフェレーサーはいい。こういうバイクに心動かされるのは、カッコつけて許される年齢になったということかな。もちろんスタイリッシュな若い人もどーぞ!!

セパハンや専用シートでCAFEに

BOLTをベースに、セパレートハンドル/バックステップ/新型シート/フォークブーツを使い、メーター/Fウィンカー位置変更、Rショック長変更などで見事なカフェレーサーに変身させた。V Star 950ベースのエンジンを、ダブルクレードルフレームにリジッドマウントする

ヤマハ XVS950CU ボルト Cスペックの詳細写真は次ページにて

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