ヤマモトレーシングは、その名称からもわかるように日本国内における屈指のレーシングコンストラクターである。30年ほど前の1980年に東大阪市にて創業され、海外においてはデイトナ100マイルに参戦、マレーシアで開催されたスーパーバイクインターナショナルGPでは優勝を果たしている。また国内においては、鈴鹿8時間耐久ロードレースや全日本選手権などに参戦し、群雄割拠のチームがしのぎを削った1990年にはRVFを用いて全日本選手権でのチャンピオンの栄冠にも輝いているのだ。
レースにおいては「勝つこと」がコンストラクターの大命題である。だが、ヤマモトレーシングは、決してそれだけに固執してはいない。2003年と2005年にはホンダCB1300で鈴鹿8耐に参戦、ストリートカスタムから保安部品を外したかのようなスタイルの車両で、フルカウルのレーシングマシンと渡り合う姿は、多くの観客を魅了したのだった。
サーキットで培われたテクノロジーやノウハウを送り出すパーツに注ぎ込む、それがヤマモトレーシングの物作りの基本的なスタンスといえるだろう。そして、ブランド名として展開しているのが『 spec-A 』だ。
マフラーのサイレンサーに燦然と輝くそれは、全てのシーンにおいて、最高の性能を体感できる存在であることの思いが込められているのである。マフラーに求められる性能のアップや軽量化、そしてスタイリングの向上などと、乗って楽しく、また所有する喜びも得られる製品となっているのである。
現行車においては、パワーアップなどを果たしているのはもちろんのこと、ユーザーに安心して使ってもらえるように排ガスや騒音規制などにも対応しているのも特筆すべき点だろう。
CB1100 SPEC-A
ステンレス 4-1 メガホン
VFR1200F SPEC-A
SLIP-ON TYPE-SS
CBR1000RR SPEC-A
スリップオンチタン
VT750S SPEC-A
SUS2-1 ステンレス
サーキットで培われたテクノロジーやノウハウを送り出すパーツに注ぎ込む、それがヤマモトレーシングの物作りの基本的なスタンスといえるだろう。
そして、ブランド名として展開しているのが『 spec-A 』だ。
ヤマモトレーシングを代表する製品は上記のマフラーだが、それ以外にも各車種に対応したアルミの削り出しパーツなどを多数展開している。
機能性の向上や、あるいは質感の変更によるルックスの向上など、ユーザーのニーズを確実に掴んだ製品の数々は市場での評価も高い。
今後はCB1300用のアルミ削り出しマフラーステーや2本出しマフラーなどのリリースが予定されている。
CB1300SF SPEC-A
エンジンカバー&
クラッチカバー
CB1300SF SPEC-A
クランクケースカバー&
スプロケットカバー
CB1300SF SPEC-A
ステップブラケット
CB1300SF SPEC-A
セパレートハンドル
創業直後からオリジナルマフラーをリリースしてきたヤマモトレーシング。そのためマフラー作りにおいても、30年あまりのノウハウを持っていることは言うまでもないが、驚かされるのはその製作に必要な治具の大半が今もなおファクトリー内に残されていることだろう。つまり、既に生産中止となった車種でもマフラーが入手可能なのだ。かつての憧れの車両を入手して、カスタムを楽しみたい、あるいはリペアパーツとして装着したいといった要望にも応えられるのだ。
ここでは代表的な車種の画像を掲載しているが、これ以外にも多数あるので、気になる方は同社のホームページをチェックしてみよう。
CB-1 SPEC-A
ステンレス4-1チタン
セカンドバージョン
CBR400RR SPEC-A
ステンレス4-1
アルミサイレンサー
NC-30 SPEC-A
ステンレス4-2-1
カーボンサイレンサー
GSX250Sカタナ SPEC-A
ステンレス4-1
カーボンサイレンサー
ヤマモトレーシングの特筆すべき点として、そのほとんどののパーツを社内において一貫して生産していることがあげられるだろう。マフラーしかり、削り出しのパーツもしかりである。そのために前述の少し古い車種の製品にも対応することが可能であり、万が一のアクシデントの際の修理に関してもスピーディーだ。週明けに同社に到着すれば、その週末にはユーザーが装着して再び走りを楽しめるようにというスタンスなのだ。
また出力などを測定するシャーシダイナモも完備しており、製品のラインナップにない車種に関してはワンオフでの対応もしてくれるとのことだ。
これからはインジェクションが主流になってくるとして、そのための研究・開発にも余念が無く、今後新たにリリースされてくる製品にも要注目なのだ。