掲載日:2010年01月15日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
バイクはスピードが全てではありませんが、それでも「世界最速」という言葉には大きな魅力があります。これまで数々の世界最速を謳うモデルが登場してきましたが、その中でも特別な存在と言えるのが「ZZR1100」。1990年代終盤に起こったカワサキ、ホンダ、スズキによる“最速競争”へ繋がる、「元祖世界最速」モデルとして、今も高い人気を誇る1台です。デビューしたのは今から20年前となる1990年、当時としては驚異的とも言える最高出力147ps/10,500rpm、最大トルク11.2kg-m/8,500rpmと言うスペックをひっさげ、実測で時速300kmオーバーという性能を発揮、多くのライダーを魅了しました。あまりのハイパフォーマンスに初期型こそトラブルがあったものの、1994年のフルモデルチェンジで問題を解決し、その後も熟成を続けていきました。世界最速の記録自体は1996年に破られてしまったものの多くのファンに支えられ、ZZR1200へとバトンタッチを行うまで20年に渡って生産が続くロングセラーモデルに。また、見た目こそグランツーリスモ的な雰囲気ですがスポーツ性能も高く、その点もライダーに愛される要因となっていたようです。
中古車市場においてはさすがに前世代のモデルということで価格は落ち着いています。特にC型は非常にリーズナブルな設定になっていますが、これから購入するならやはり1994年のD型以降がベター。前述したミッションの変更など大きな改善が行われているだけでなく、カスタムパーツの対応も多くなっています。当時世界最速を誇ったポテンシャルは現在から見ても高いレベルにあり、高性能なスポーツツアラーとしての魅力は十分でしょう。あのころ憧れたスーパーマシンも、今なら手の届く価格になっています。歴史に残る名車であるZZR1100は、選択肢に入れておいて損はありません。
1989年の東京モーターショーで発表され、1990年より輸出モデルとして発売。GPZ900Rから続く水冷エンジンの4代目を搭載し、最高出力147ps/10,500rpm、最大トルク11.2kg-m/8,500rpmという圧倒的なまでのパフォーマンスを見せつけ、市販モデルとして世界最速マシンの称号を獲得。ただ、あまりにも規格外なマシンであったため、初期はミッショントラブルが多発したが、1993年のマイナーチェンジで対策された。
世界中で大ヒットを記録したZZR1100は、1994年にフルモデルチェンジを敢行。基本スペックに変更はないが、トラブルが多発したミッションの改善やラムエアシステム開口部の拡大、クランクシャフトの重量見直し、燃料タンク容量の拡大など多岐に渡っている。その後1995年のマイナーチェンジでメーターやミッション、マフラーの変更が行われ、1997年にはラムエアダクトにサブチャンバーが増設されるなど熟成が続けられた。
このころには他メーカーから同コンセプトのマシンが発売され、世界最速の座からは退いてしまっていた。すでに性能的にも熟成の域に達していたため大きな変更はないが、フレームのカラーリングがブラック仕様になった。2001年にはヨーロッパにおける300km/h規制のためメーターの表示が280km/hまでとなったほか、環境性能を重視するためキャタライザーを採用。生産はこの年が最後となり、後継モデルのZZR1200へ道を譲った。
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