掲載日:2011年03月03日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
07年秋にデビューしたWR250Xは、オフロードモデルのWR250Rと同時開発されたスーパーモタードモデルだ。Rと共通化されたフレームは、アルミ製のメイン部と、鋼管製のダウンチューブやリア部を組み合わせた、ハイブリッド構造を採用。さらにメイン部は、鋳造と鍛造のアルミパーツを、高精度で溶接したユニットとなっている。これに搭載されるのは、燃料供給にF.I.を採用した、DOHC4バルブの水冷単気筒エンジン。チタン製の吸気バルブなどを装備し、厳しい排出ガス規制や加速騒音規制に対応しつつも、最高出力は31馬力を叩き出す。
走行性能を重視したモデルだけあり、フレームやエンジン以外の装備も超本格的。モタードの定番である前後17インチホイールには、ラジアルタイヤを装着。インナーチューブ径46mmの倒立式フロントフォークと、リザーブタンクを装備したフルアジャスタブル式のリアサスは、いずれもX専用にセッティングされている。フロントブレーキは、ディスクがRより大きな298mm径で、キャリパーや細部もRとは異なる仕様。さらに、エンジンのギアレシオやF.I.マッピングも専用化されている。
これらの装備がバランス良く組み合わさることで、WR250Xは俊敏な走りが楽しめるアグレッシブなモデルとなっているが、コンペティションマシンのように走行性能のみを追求、ということではない。当然ながら、ナンバー付きなので、公道での扱いやすさや日常での使い勝手も考慮されている。だから、アクティブに公道スポーツを楽しみたいというライダーばかりでなく、ファッショナブルにストリートを走りたいという人にも、もちろんお薦めできる。
07年秋のデビュー以降、11年型まで3回の変更を受けているが、その内容はいずれもカラー&グラフィックのチェンジのみ。走行性能に大きな影響を与えるような変更は、とくに行われていないので、中古で狙ってみるのも悪くないだろう。もちろん、高性能なぶんこのクラスとしては流通価格は高めではあるが、ピカピカの新車を手に入れればこれ以上ない満足感が得られることは、言うまでもない。