正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する
取材協力/ヨシムラジャパンうず潮レーシング福山 写真/柴田直行 取材・文/石橋知也 構成/バイクブロス・マガジンズ
※記載の内容は2017年12月取材時点のものです
掲載日/2018年1月15日

オンロード派の人たちにはちょっと意外かもしれないが、今や世界のモトクロス界では『USヨシムラ』はトップブランドだ。AMAやGPではファクトリーチームが採用し、全日本最高峰IA1クラスでも優勝したKTMには、USヨシムラ管が装着されていた。その活躍の実態は……

モトクロスレーサーの4ストローク化から土の世界に本格的に参入
AMAでも世界GPでもヨシムラマフラーは大人気

ヨシムラが本格的にモトクロス、エンデューロ、ダートトラックなどのオフロードの世界に参入するようになったのは、4ストロークモトクロッサーが登場してからだ。ヨシムラは4ストロークエンジンのチューナーだから、2ストロークエンジンのモトクロッサーは守備範囲外だったのだ。

1997年にヤマハのファクトリーマシンYZM400Fがデビューすると、すぐにYZ400Fが市販された。そして各メーカーも追従し、4ストロークモトクロッサーを発売した。『ヨシムラR&D(リサーチ&ディベロップメント)オブ・アメリカ』(通称USヨシムラ)は、4ストロークモトクロッサーやエンデューロマシン(手始めはスズキ・DR-Z400)用のマフラーやチューニングパーツを開発し、市販した。

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

活動が本格化したのは2000年頃からで、レースでのサービス、サポートも行なっていった。そしてAMAのファクトリーチームが採用するまでになり、この流れはヨーロッパでのMXGPでも同様だった。

こうしたUSヨシムラマフラーの優秀性から、日本でも個人輸入し、装着するチームやライダーが増えた。しかしそこには問題があった。日本の音量規制がFIMやAMAと異なるので、そのままでは車検をパスできないのだ(MFJ規定は112dB/A以下・2mMAX測定方式と最も厳しい)。個人が独自にバッフルで消音しようにも上手くいかず、肝心の性能も落ちてしまう。またマフラーは、ウール交換はもちろん転倒での破損などがあるからメンテナンスが必要なパーツだ。しかし、これが個人ではできない。

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

そこでヨシムラジャパンは、USヨシムラマフラーを本来の性能を維持しながら音量規制に合わせるよう再開発し、2016年4月から正規品として販売を開始。同時に正規品のアフターサービスも行なうようにした。現在このMX用正規USヨシムラマフラーを取り扱うのは、ヨシムラジャパン以外では今回取材に協力していただいた『うず潮レーシング福山』と『T.E.SPORT:東福寺エンタープライズ』だ。

2017年全日本最終戦でKTM+USヨシムラマフラーの星野選手が優勝
正規輸入品のUSヨシムラマフラーなら性能も音量も文句なし

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

「最初にヨシムラさんに協力をお願したのは2013年でした。ウチは2008年からKTMで活動していますが、他社製マフラーではMFJの音量規制をクリアするだけでも大変でした。それにKTMはヨーロッパのコースに合わせたエンジンで、いわゆる高速型。一方全日本は低中速コースなので、エンジン特性が合わない。そこを国内用に再開発されたヨシムラマフラーだと補ってくれるんです。正規品が出てからは本当にユーザーが多いですよ」と、うず潮レーシング福山の岩本久夫代表。

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IA1の2017年最終戦で、日本のファクトリー勢を抑えてKTMで見事優勝したライダーの星野優位選手は……

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

「KTMのSTDとヨシムラマフラーでは乗りやすさが全然違います。元々KTMはツキの良いエンジンなんですが、日本では乗りにくい場合もある。ヨシムラマフラーは下からスムーズで開けやすく、高回転域の良さも残してあるのでコレしかないという感じです」と絶賛。

肝心の音量規制に関してはというと……

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「車検で困ったことはないですね。予め用意してもらっていたサウンドディフューザーの調整で問題なくクリアしました」と、チーム監督で450cc(IA1)担当メカニックの池田孝宏さん。

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「250cc(IA2)の方も音量で問題になったことは1度もないです。250ccは上を多用するんですが、伸びも良いんです」と250cc担当メカニックの菊池岳さん。

そして驚くのが450ccで2レース、250ccだと3レースもそのまま使えてしまう耐久性の高さだ。その後も練習車で使ってから、ヨシムラにウール交換などのメンテナンスに出すという。もちろん転倒などで破損したサイレンサーも「ビックリするぐらいキレイに直って戻ってきます!」(両メカニック)とのことだ。

「マフラーはメンテナンスして使っていくパーツだ、という意識がモトクロス界ではまだ低いですね。壊れてから使い捨てみたいな感覚で。サービスが受けられるマフラーメーカーはヨシムラぐらいです。正規品でメンテナンスを受けて使っていく方が、シーズンを考えればお得です」(岩本代表)。

メーカーのメンテナンスを受ければ、IAクラスでも1シーズン2セットで戦えてしまうという。こうしたメリットは国産メーカーの車両も同じで、岩本代表は「最近は国内メーカーの純正マフラーも高価で、壊れて買い換える場合もヨシムラマフラーが人気なんですよ」とまで言う。

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KTM450SX-F(全日本IA1星野車)とうず潮レーシング福山の面々。左から池田孝宏さん(星野選手担当メカニック)、岩本久夫代表、星野優位選手、菊池岳さん(IA2ハドリー・ナイト担当)。※記載の内容は2017年12月取材時点のものです

こうして国内モトクロスのマフラー事情を変えてしまったヨシムラ。今後も多くのライダーやチームを支えていくことだろう。

ヨシムラマフラーで高速型KTMが日本のコースに合った出力特性に変貌

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うず潮レーシングのKTM450SX-F。ベースはファクトリーマシンではなく市販モデル。マフラーは正規USヨシムラRS-4。

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

パンチングパイプ脇に見えるのがサウンドディフューザーで、音量や出力特性の調整が可能。音量規制はFIM、AMA、MFJで異なる。正規USヨシムラマフラーには数種類のサウンドディフューザーが付属し、規制に対応できる。マフラー単体重量をレース前に測定し管理しておけば、ウールの抜けた量を知ることができる。重量管理はお薦め。

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

破損修理も当然可能で、相当な破損と思われても、リペアできる場合が多い。カーボンエンドは破損しやすいが、交換可能。エキパイやスプリングなどは単品購入できるサービスがあり万全の体制だ。

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

RS-4レーシングサイクロンはKTM用も国産車用もフルチタン(チタンエキパイ+チタンサイレンサーカバー)のTT、ステンレスエキパイ+アルミサイレンサーカバーのSA、スリップオン(アルミカバー)が基本的に揃っている。

正規『USヨシムラ』マフラーが全日本モトクロスを席巻する

レーザーマーキングによるシリアルナンバー(QRコード)は正規品であることの証。ヨシムラジャパンでオンラインオーナー登録をすれば吸音・消音材のウール交換・修理などのアフターサービス(有料)を行なってくれるので安心だ。

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BRAND INFORMATION

ヨシムラジャパン

1954年に活動を開始したヨシムラは、日本を代表するレーシングコンストラクターであると同時に、マフラーやカムシャフトといったチューニングパーツを数多く手がけるアフターマーケットメーカー。ホンダやカワサキに力を注いだ時代を経て、1970年代後半からはスズキ車を主軸にレース活動を行うようになったものの、パーツ開発はメーカーを問わずに行われており、4ストミニからメガスポーツまで、幅広いモデルに対応する製品を販売している。

住所/神奈川県愛甲郡愛川町中津6748
電話/0570-00-1954
営業/9:00-17:00
定休/土曜、日曜、祝日

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