ISDEとはどんなレース?

ISDEとはどんなレース?

掲載日:2013年09月17日 エクストリームエンデューロ    

文/大川 誠  協力/KTMジャパン

今年は100周年という記念の年
日本からも幾人ものライダーが参戦!

みなさんこんにちは。MFJ全日本エンデューロIA(編注:国際A級)#10大川誠です。

 

私は2013年イタリア・サルデーニャ島で開催されるISDE(International Six Days Enduro)に出場します(開催期間:2013年9月30日~10月5日)。この連載を通じてオフロードバイクの楽しさを伝えたり、これからISDEを目指そうという人の助けとなればと思い、このスペースをいただきました。コーヒーやお酒を片手に、軽い気持ちで結構ですのでたくさんの方に読んでもらえればと思います。

 

エンデューロって? ISDEって何?

さて、エンデューロって何? ISDEって何? というところから簡単に説明したいと思います。

 

エンデューロはオフロードバイク競技の1つですが、オフロードバイクというとモトクロスやトライアル、ラリーを真っ先に連想する人が多いと思いますが、このどの競技とも異なるのがエンデューロです。簡単に説明すると、決まったコースを通って、決まった場所までに、決まった時間に到着する必要があります。その他、コースの途中には幾つか速さを競う場所(テスト区間)があります。競技の順位はテスト区間を速く走ったライダーから上位の順位が与えられますが、決まった場所に遅刻(遅着)や早く到着(早着)した場合にはペナルティが発生し、順位が下がっていく仕組みになっています。

 

ISDEは文字通り、このエンデューロという競技を6日間連続して続ける競技で、体力の他、レース中にマシンが壊れた、壊してしまった場合にはライダー自身で修理する必要があり、整備力も問われる競技でもあります。この辺りが単発で行われるエンデューロとは趣が異なる点です。

 

ISDEには大きく、6人一組の国別で順位を競う“ワールドトロフィー”と、3人一組の“クラブチーム”の2種類があります。ワールドトロフィーはいわゆるオリンピックのようなもので、各国のトップライダーで構成されます。一方、クラブチームはホビー的な要素もあり、誰でもエントリーする事が可能です。

 

TeamJapan

今回自分が選択したのはクラブチームですが、本来の希望としてはワールドトロフィーチームとして参加したい思いがありました。しかし、残念ながら6人メンバーを揃える事が出来なかったために、クラブチームとして参加する事を決意しました(参加クラスはE2。2ストローク250cc/4ストローク450cc)。

 

ISDE(International Six Days Enduro)はもっとも古いオフロード競技で、6日間にわたって1,000キロ以上を走破する過酷なレースです。エンデューロ競技は、その他のモータースポーツと異なり、選手本人だけがマシンに触れることが許されているため、ライディングだけではなく、短時間で的確に整備・修理する技術が求められるなど、オフロード競技のトライアスロンに例えられます。ISDE(International Six Days Enduro)はそのエンデューロの最高峰と言えるレースです。

ここでチームメンバーを紹介します。IA#5内山 裕太郎選手、IA#8大川原 潤選手の3人で「TeamJapan」として参加します。内山選手、大川原選手ともにISDE経験者であり、スキルの他メンタルも強い、非常に心強いメンバーとの参加となり毎日ワクワクが止まりません。

 

KTMとの出会い

内山選手、大川原選手は多方面で紙面を飾ったり良いリザルトを残しているので、あえてこれ以上の説明をしませんが、ここで業界ではマイナーキャラの私、大川を少し紹介させて下さい。

 

中学生の時からオートバイには興味があり16歳ですぐ免許を取得。ロードバイクに憧れていましたが叔父の影響でオフロードバイクを購入。林道ツーリングからやがて常設コースを走り、現在で言うクロスカントリーレースにのめりこむ。一時はモトクロスレースにも参加し、主に関東圏が対象となるMCFAJに参加、エキスパート(IB相当のクラス/編注:国際B級)まで昇格。2005年にKTMに出会って以来は、エンデューロにのめりこみ現在に至ります。自分にとってはこのKTMとの出会いがISDEをより知ることになり、やがて出場を目指すきっかけとなりました。KTM所有と同時に現在のチームロッカーズに所属。言わずと知れた池田兄弟やMondoMotoのオーナーでもある市川氏と親しくなり、拍車をかけるように海外のエンデューロに目を向けるようになりました。その中でもISDEは働きながら海外エンデューロに参加する事が現実的で(※1)、さらに最短距離で世界基準で自分を試す事が出来ると考え、やがて全日本エンデューロで経験を積みながらISDE出場を目指し今年(2013年)のエントリーとなりました。

競技中にライダー自身がマシンをメンテナンスしたり修理しなければならないのも、ISDEの特徴。

競技中にライダー自身がマシンをメンテナンスしたり修理しなければならないのも、ISDEの特徴。

 

※1 エンデューロの世界大会にはEWCという代表的なものがあり、過去何名かの日本人ライダーが出場した実績がある。しかし、EWCはマシンの準備などをはじめすべて自分で準備しなければならず、個人で参加するには膨大な時間と費用が必要になるハードルの高さがある。それに対し、ISDEはマシンレンタルとサポートサービスなどライダーの負担を軽減する仕組みがあり、EWCレベルのライダーが出場するエンデューロフォーマットを体験するという意味では、間口が広くなる。この仕組みにより、サンデーライダー(=社会人ライダー)でも1年~2年計画で参加する事も可能になる。

 

ISDEの魅力

一番の魅力は、世界基準で自分を試す事が出来るのと共に、日常では得る事が出来ない達成感や満足感が6日走り切ったライダーだけが味わえる点と自分の中では理解しています。その他、世界を代表するライダーとコース、場所、時間を共有出来る事も魅力だと感じます。また過去に、1回だけ海外レースを経験した事があり(編注:マレーシア3Daysエンデューロ。現、アジアンラリー)、レース後は自分への活力やモチベーションアップした事から、今回も同様の期待値があります。

 

期待値と言えば、今年は開催100回目を記念する大会なので更に華やかなISDEであり、特別な何かがあるのではないかという期待をしています。

 

大川選手が参戦するTeamJapanのメンバー。左から、大川 誠選手、内山 裕太郎選手、大川原 潤選手。

大川選手が参戦するTeamJapanのメンバー。左から、大川 誠選手、内山 裕太郎選手、大川原 潤選手。

と、きれいなことばをツラツラ並べましたが、やっぱり気の合う仲間と一緒にバイクの事だけを考えISDEを通じた旅が出来るのが一番の魅力かもしれませんね。まだまだ準備に奮闘中ですが、今後ISDE準備編や現地情報などみなさんに情報発信したいと思います。次回を楽しみにしていてください。

 

ISDE Team Japan 応援ウェア販売のお知らせ  

ISDE Team Japan
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