リトルカブラ88は同じハチハチでもHRヘッド搭載!!ビッグバルブ&ハイコンプピストンでさらに楽しい!!

掲載日:2017年01月21日 特集記事    

文・写真/田口勝己  写真/栗田晃  取材協力/シフトアップ(エンジンパーツ)

登場車両:ホンダ リトルカブラ

弊社駐輪場で1年以上眠っていたころはこんな感じのリトルカブラだった。車体各部は一般的点検&必要に応じてグリスアップを施し、今回は走りやすさを求めて原2仕様の定番、88㏄=ハチハチ・ワールドを楽しんでます。

弊社デザイン部に所属するもっちゃんこと坂本さんは、リトルカブラの復活にあたって「原付2種の88(ハチハチ)にしたいですね~」なんてご要望でしたが、やっぱり安定のパワーデリバリーが魅力でビッグバルブヘッドを搭載することになりました~

格安購入で予算を抑えることができたので、その分をエンジンチューニング費用に回したマシンオーナー。だったら作業は編集部でサポートしましょうと始まったのが、もっちゃんカブラ企画。洗車から始まり、最初に施したのがノーマルシリンダーヘッドを使った88㏄だ。吸排気はノーマルのままだが、ノーマルヘッド用デコンプ付きカムも組み込んだので「出だしが良くなりました!!」程度の印象だった。やっぱり吸排気をいじらないとエンジンパフォーマンスを引き出せませんね。続いてケーヒンPB 19キャブとホンダC90用純正マニホールドを購入。マフラーはポチッとやったベトナム系モナカマフラーの中古である。すると今度は「加速が以前と違ってスムーズというか、走っているときの感じが良くなりました」との印象。「もっと速くしてみたいの?」と訊ねると「モンキーのときはいじり過ぎると不安定でしたが、カブは車体が大きく安定しているから、やってください!!」と力強いご返答。

だったら最初からフルキットを組み込めば~、なんて思ったりもするが、こづかいを貯めながら徐々に楽しんでいますからね。それでもやっぱりフルキットにはそれなりに良さがある。単純な速さだけではなく、扱いやすさとか走っていて安心できるスムーズさとか、やっぱり違う良さがあるのだ。実際のところ、フルキットへコマを進めるユーザーが多く、88㏄チューンが「永遠の定番」となっているのにはそんな理由があるのだろう。フルキットとこれまでの違いは、燃焼室デザインが異なるシリンダーヘッドとその形状にマッチしたピストンを採用していることだ。この燃焼室は国内仕様モデルとしては最強と呼ばれた6V時代のダックス70用ホンダ純正ヘッドが参考にされている。このヘッドのパフォーマンスは大きく、ピストンには4ミニチューンの世界ではもはや標準的仕様とも呼べる鍛造素材からの削り出し仕様が組み合わされる。常時ブン回しのレースエントリーを視野に入れたパーツでもあるため、街乗りの純正ピストンと比べてピストンクリアランスがやや広めなのがアフター製キットパーツ共通の特徴だ。

早速、本誌ガレージにて組み立て、試運転&キャブセッティングを行いマシンオーナーに納車。「これでも同じ88㏄なんですね!!回りますね~ !!低回転でもチカラがあるからギヤをミスして2速発進でも楽々ですね~ !!」と、その印象をお話してくれた。ちなみにガレージでセッティングしたときにエンジン回転が今まで以上回るため、ファイナルギヤがショート過ぎるのに気が付いた。

そこで、ドライブスプロケットをノーマルの14T→15Tに変更しておいたが、それでも2速発進が楽々できるほどパワフルになったのだった。やっぱりフルキットには、フルキットでしか味わえない良さ、愉しさがありますね~♪

当初はノーマルヘッド用に開発されたΦ52mmの88㏄ピストンを組み込み、ノーマルヘッド用のデコンプ付きハイカムにしていたが、今回は遂にフルコースを決断。またまた組み換え~

横型エンジンチューニングの泥沼へようこそ~♪ 鍛造素材から削り出されたハイコンプピストンキットとHR(ハイレボリューション)ヘッドと専用カムシャフトを追加購入!! アップデート!!

ノーマルとは比較にならない走り!!大満足のフルキット!!ノーマルエンジンからフルキットへの近道なら88㏄HRボアアップキットがおすすめ。今回は鋳鉄スリーブ仕様をチョイスした。価格は税抜4万2000円。力強い走りは超魅力的!!

縦型エンジン以上にメンテナンス性が良く感じる横型エンジン。エンジン腰上の作業ならば、車載状態で楽々分解できる。ガスケットも同梱されてくるので安心だ。

他社製品は昔ながらの紙箱入りだが、シフトアップのフルキットはプラスチックコンテナに入って納品される。後々、多方面的に使えるのが、何より嬉しいとの声も多い。

縦型エンジン以上にメンテナンス性が良く感じる横型エンジン。エンジン腰上の作業ならば、車載状態で楽々分解できる。ガスケットも同梱されてくるので安心だ。

前回、ビッグキャブを取り付けたときにマニホールドもC90用純正部品へと交換していたが、インテークポートの太さが合わないので、ガスケットを参考にリューターで拡大加工。

リューターでマニホールドをカットする際には、大型万力で本体を固定し、ロングシャンクの超鋼バーでポート拡大する。刃先にグリスを塗って削ると切粉が飛び散らずに良い。

チューニングキットのヘッド側吸入ポートはガスケットサイズと同寸穴になっている。要するにガスケット基準で切削加工すれば限りなく段付きが少ないポート形状にすることができる。

こんな感じにホンダ純正のC90用マニホールドを加工した。おおよそのサイズが決まったら、最後はベルトサンダー用のベルトをカットして作った磨き棒で仕上げ磨きを行った。

こちらはこれまで88㏄で走らせていたノーマルヘッドの燃焼室。排気バルブの色がキツネ色でイイ感じ。全体的にススけているがノーマルヘッドだとこんな燃え方になってしまう。

シリンダーを挿入する前にはシリンダー内壁にスーパーゾイルスプレーを塗布した。エンジン組み立て用スプレーとして大活躍!! リピーターが増えている。

ピストンリングの合口合わせと裏表には要注意。メッキリングのトップとセカンドリングの合口にはマークがあるのでそれを上に、オイルリングエキスパンダーの合口は端部を上向きに。

ストレートで購入できる格安の樹脂製ピストンリングコンプレッサーは大ヒット商品!! 指先でつまんでリングを縮めればシリンダー内にピストンをススーッと挿入できる。

ピストンを挿入したらカムチェーンが噛み込まないように引っ張り上げつつクランクシャフトをゆっくり回してみよう。リングのカジリが無いか。キキーッと音が出たら大NG!!

「やっぱり気持ち良く伸びますね~」by もっちゃん





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