第5回 もしも…ホンダ PCX150に乗れたなら?【ツーリング編】

掲載日:2014年09月26日 長期インプレホンダ PCX150    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/本田技研工業株式会社

ホンダ PCX150の画像

うちに来て以来、いつも取材や買い物など、日常の足として活躍してくれているPCX150。ふと気が付いたら、何か用事があるときにばかり乗っていて、純粋に走りを楽しんでいないかも!? これではPCX君があまりにも不憫です……。ということで、今回は日帰りですが、ツーリングに連れ出してみることにしました。旅に使うと、いつもと違う一面を見せてくれるのか? 早速チェックしてみましょう!

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登りの続く高速道路でも
登坂車線に入る必要なし!?

神奈川の県央地域にある自宅から目指したのは、山梨県の勝沼方面。往路は高速道路を使います。まずは相模原愛川ICから圏央道に乗り、2014年6月末に開通したばかりの区間を通って中央道へとスイッチ、甲府方面へと向かいます。

以前、高速道路編で比較的平坦な高速での走りは問題なしとお伝えしましたが、今回の高速はちょっと様子が違います。関東近辺にお住まいの方ならわかると思いますが、相模湖付近から談合坂SA、そして笹子トンネルに至るまで、行きは基本的に登りとなるのです。

乗る前は、坂の部分はおとなしく登坂車線に入らなきゃダメかな、と思っていました。ところが、日帰りで荷物が少ないこともあってか、PCX150はけっこうな勾配区間でも周囲の流れに完全について行けます。それどころか、中央道は基本的に制限速度が80km/hなのに、ちょっと気を許すと簡単にオーバーしてしまうほど。登り坂でも大型トラックをスイスイ抜いていく実力がありながら、捕まるほどスピードオーバーにならない……大型バイクのような胸のすくような加速はなくても、ある意味、ストレスのないツーリングを約束してくれます。

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タイトコーナーを軽々と
走れるのはとても楽ちん!!

中央高速を勝沼ICで降りたら、一路「ほったらかし温泉」を目指します。ここは甲府盆地の北の端に位置する山梨市や甲州市の街並みを見下ろす山の中腹にあり、晴れていれば富士山も望めるという、眺めのいい温泉です。温泉は「笛吹川フルーツ公園」を目指し、さらに先に進んだところにあるのですが、そこに至るまでの道は、「笛吹川フルーツライン」と呼ばれる、果樹畑の中を走り抜けるワインディングロードです。

たまに急こう配のタイトコーナーが出現しますが、大型バイクなら減速した後に半クラッチで旋回しないとグラリと来そうな場面でも、車体が軽く、125よりもパワーのあるエンジンのため、ヒラッと寝かしてスッとコーナーを抜ける、なんて乗り方が可能です。少し大げさかもしれませんが、トルクのない250ccのオフロードバイクなんかで頻繁にギアチェンジをしながら走るより、乗りやすくてスムーズに走れるのでは、なんて気さえするほどです。

肝心の温泉は湯船での撮影が禁止で、おまけに曇って富士山は見えませんでしたが、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かって、リフレッシュすることができました。ちなみにここまで、ほとんど疲れを感じていません。

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燃費が良くて疲れ知らず
ツーリングでの実力、高し!

この後は、甲府南ICを超えてR358に入り、グングンと標高を上げながら富士五湖の一つである精進湖を目指しました。そこからR139~R138と走りつないで山中湖に抜け、通称道志みちと呼ばれるR413で、神奈川県の相模原市に出て、自宅に帰るルートを取りました。

帰路は一般道だけを使い、登りのワインディングや富士五湖を巡る流れの速い高原ルート、そして道志みちに入ってからは、基本的に下りのクネクネルートという、バラエティに富んだ道路状況でした。そんな中で実感したのは「PCX150は他の普通2輪と同じように、ツーリングにも十分使える!」ということです。法定速度+αでの走りなら、クルマにあおられることもなく、楽しく走れるし、少々路面の荒れた山間部の国道などでも、14インチホイールと出来のいいサスペンションのおかげで、不安なくコーナーに進入することができました。また、往路で高速を使って目的地までのアクセス時間を短縮することができたのも、150ccならではの便利な点ですね。

帰宅するころには暗くなり始めていましたが、LEDヘッドライトの白さは、街灯の少ない道路でも路面をよく照らしてくれて助かりました。トータルでおよそ250km走りましたが、驚くほど疲れが少なく、高速や峠でアクセルを派手に開けていたにもかかわらず、燃費も46km/L以上を記録しました。少し不満なのが、積載性でしょうか。今回は日帰りなのでシート下トランクに14Lのヒップバッグと小ぶりの三脚、それにレインウエアを収納しましたが、これでいっぱいな感じです。キャンプツーリングなどを想定すると、シートの上にも荷物を積みたいのですが、グラブバーを兼ねるリアのスポイラー部の裏側が厚く、一般的なサイズのストレッチコードのフックがかからない形状なのです。荷物の多いツーリングをするには、リアにボックスをつけるのが必須かもしれませんね。あとは、高地や夜など、涼しいところを走ると、車体がスリムなだけに、意外と風が当たって足が寒いことぐらいでしょうか。ともあれ、トータルでは大満足。PCX150の乗りやすさと優秀な性能を、十分に感じ取ることができたツーリングでした。

ホンダ PCX150のチェックポイント!

ホンダ PCX150の画像

今回はこれだけの荷物をシート下に収納。日帰りには十分な収納力で、中があまり熱くならないのがグッド。反面、シート上への積載性は良くないです。ちなみにクッションとしてウレタンパッドを敷いてます。

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ほったらかし温泉は日の出前から22時まで営業。晴れていれば富士山や夜景がキレイに見えます。

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甲府盆地から富士五湖へと向かうR358.このあと勾配とコーナーがどんどんきつくなりますが、PCX150は頼もしく走ってくれました。

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ついに平均燃費計が50km/Lを超えた表示を確認して感激です!! 満タン法による実燃費は約46.4km/Lでしたが、それでも驚異の好燃費ですね。「オイル交換ランプ」が点灯していますが、それについては次回掲載予定です。

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