ホンダ DN-01 試乗インプレ・レビュー

ホンダ DN-01
ホンダ DN-01

ホンダ DN-01

掲載日:2008年06月11日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー   

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

新しい時代を予感させる
独創のオートマチックモデル

2005年に開催された第39回モーターショーで注目を集めたコンセプトモデルが、3年の月日を経て、「DN-01」としてついに市販化された。「Discovery of a New Concept」をテーマに開発されたDN-01は、ホンダがこれまでにないカテゴリと新たなるライダー層を獲得するために創り上げた、これまでにない種類のモーターサイクルだ。680ccという大排気量のVツインエンジンを搭載し、ミッション機構はオートマチック。しかも、これまでのビッグスクーターのようなベルト駆動ではなく、「HFT(Human-Friendly Transmission)」と名付けられた新しい油圧無段階変速機を搭載しているため、そのフィーリングは未知数だ。生物を思わせる有機的なフォルムに、クルーザーバイクをほうふつとさせるロー&ロングスタイルは、まるで既存のカテゴリに区分けされるのを拒むかのような印象を受ける。今まで多くのバイクに乗ってきたが、ここまで事前に乗り味が予想できないものはなかった。「バイクに新しい時代が来た」、そう思わせるにふさわしい1台だ。この未知のモーターサイクルを前にしたときの興奮を例えるならば、免許を取り初めての愛車を前にしたときのようだ、といえば伝わるだろうか。

ホンダ DN-01 特徴

ホンダ  DN-01 写真先進のメカニズムを内包した
唯一無二の個性的フォルム

DN-01でまず目をひかれるのは、「モダンオーガニックボディー」をコンセプトにデザインされた独創的なフォルムだ。複雑な曲面が組み合わせられたボディラインは、まるで生き物のようになまめかしい雰囲気を醸し出している。特にフロントマスクのインパクトは大きく、見方によっては獲物を狙うサメのような精悍さを感じさせる表情だ。

 

現在ラインアップされているどのバイクにも似ないルックスは、街中でも視線を引き付ける存在感を放っている。ボディラインにあわせて造形されたシートはゆったりとしたサイズで、ライダー側だけでなくパッセンジャー側も安定感のある座り心地だ。また、サイドが絞り込まれているため、女性でも安心できる足つきの良さを確保している。取り回し自体はさすがに大型バイクの重さを感じるが、いざまたがればシートの低さと形状から、車体がコンパクトに感じられるのは、DN-01の美点と言えるだろう。

 

この車体に搭載されているパワーユニットには680ccの水冷OHC4バルブV型2気筒エンジンで、これにホンダ独自のオートマチックミッション「HFT」が組み合わせられている。このHFTは油圧を利用したオートマチックトランスミッションで、油圧機械式無段変速機では世界初となるロックアップ機構を採用。 高レスポンスやスムーズな変速だけでなく、巡航時の高い燃費効率にも配慮されている。現在の国産二輪オートマチック車で類似の機構を備えているものは他になく、DN-01はルックスだけでなくメカニズム的にも唯一無二のモデルと言えるだろう。

低回転からトルクフルな水冷OHC4バルブ52°Vツインエンジンには、油圧機械式無段階変速機「HFT」が組み合わされ、適度な鼓動感とスムーズで伸びのある加速フィーリングを楽しめる。

新感覚のエンジンとミッション

低回転からトルクフルな水冷OHC4バルブ52°Vツインエンジンには、油圧機械式無段階変速機「HFT」が組み合わされ、適度な鼓動感とスムーズで伸びのある加速フィーリングを楽しめる。

「モダンオーガニックボディー」をコンセプトに開発されたスタイリングは、複雑な曲面構成を持ちながらもシャープなルックスに仕上がっている。他に類を見ない顔つきは街中でも注目の的だ。

個性溢れるオーガニックデザイン

「モダンオーガニックボディー」をコンセプトに開発されたスタイリングは、複雑な曲面構成を持ちながらもシャープなルックスに仕上がっている。他に類を見ない顔つきは街中でも注目の的だ。

メーターは速度計と回転計が一体となったデジタルメーターを採用。また、ツイントリップメーター、燃料計、シフトモードが表示される。昼間はもちろん、夜間でも視認性が高く、情報が読み取りやすい。

多機能で視認性の高いデジタルメーター

メーターは速度計と回転計が一体となったデジタルメーターを採用。また、ツイントリップメーター、燃料計、シフトモードが表示される。昼間はもちろん、夜間でも視認性が高く、情報が読み取りやすい。

ライダー、パッセンジャーともにゆったりと体を預けられる肉厚なシート。座り心地もよく、長距離のライディングでも疲れにくい。また、左右が絞り込まれているために足つき性も問題ない。

ゆったりと体を預けられるシート

ライダー、パッセンジャーともにゆったりと体を預けられる肉厚なシート。座り心地もよく、長距離のライディングでも疲れにくい。また、左右が絞り込まれているために足つき性も問題ない。

ホンダ DN-01 試乗インプレッション

ゆとりとスポーツを楽しむ
コンフォート・クルーザー

ホンダ  DN-01 写真これはもうバイクではなく、「未来のコンフォート・クルーザー」と呼ぶべきではないか。DN-01でのライディングはそれほどまでに快適だ。680ccの大排気量エンジンがもたらすパワーを、大きな変速ショックもなく伝達するHFTの動きはすばらしく、Dモードでの走行はまるで魔法のじゅうたんのようだ。ソフトな座り心地のシートに体を預け、右手をひねれば望みの速度までスムーズに加速してくれる。その上で適度な鼓動感をライダーに伝えてくれるため、既存のオートマチック車にありがちな「乗せられている」感も少ない。スポーツ走行向けのSモードによるパワフルな加速や、マニュアル6速モードでのアグレッシブなライディングも面白いが、DN-01ならではのゆとりあるクルージングを楽しむならやはり標準のDモードに落ち着く。特に高速道路でのクルージングはDモードの魅力を最も味わえるシチュエーションで、適度に引き締められた足回りとあいまって、まさにコンフォート・クルーザーと呼ぶにふさわしい余裕のある走りを見せてくれる。また、ブレーキには前後連動にABSを加えたコンバインドABSを採用しているため、路面状態や速度を強く意識せずとも安全な制動ができるようになっている。これも快適さの要因と言えるだろう。

 

ホンダ  DN-01 写真ただ、さすがのDN-01もスーパースポーツが好むタイトなワインディングは苦手科目。バンク角があまり深くないため、激しく峠道を走るといった用途には向いていない。とはいえ、これは車格や想定される走行ステージを考えれば無理も無いことだ。DN-01がもっとも実力を発揮するのは、目を三角にして攻めるようなライディングではなく、心にゆとりを持って楽しむクルージング。高速道路を使ってロングツーリング、となればDN-01は無類の快適性を発揮してくれるだろう。ほどよく当たる風を楽しみながら時間を忘れていつまでも走りたくなる、そんな魅力を持っているバイクだ。

ホンダ DN-01 こんな方にオススメ

個性と走りを両立させた
週末に乗りたくなる1台

DN-01は、日常の足ではなく週末の趣味としてバイクを楽しむライダーにおすすめしたい。ソロはもちろん、タンデムでのツーリングにおいても、スムーズかつトルクフルな走りは魅力的だ。週末のバイクライフには、日常的な匂いのしない、近未来的なDN-01が良く似合う。また、バイクに所有感や個性を求めるライダーにとっても、DN-01は十分に選択肢の中に入る1台。他には真似のできない有機的なフォルムは注目度も抜群。実際、インプレッション中は信号待ちで話しかけられ、料金所で排気量をたずねられ、スタンドでは乗り味を聞かれるなど大変な人気だった。今これほどの注目を集めるバイクはDN-01をおいて他には無い。性能面でもルックス面でも個性的なモデルが欲しいなら、この新世代のモーターサイクルは魅力的だ。

ホンダ DN-01 総合評価

新しいバイクのカタチを提案する
ホンダの新しい挑戦を楽しみたい

いつの時代も、新しいことを始めるには相当の力が必要だ。ここ10年以上、性能面で進化を続けてきたものの、バイクという乗り物の概念については変わらないままだった。DN-01はルックスや機能において、これまでのカテゴリ分けやバイクに対する意識を変えようとする大きな挑戦とも言える。実際に乗ってみたが、オートマチックでありながらスクーターではない。イージーな操作でありながら、バイクに乗る愉しさも損なっていないDN-01は、既存のカテゴリに分類するのが難しい。バイクシーンの沈滞が叫ばれる中、あえて今後の試金石となるようなモデルを出したホンダの英断は称えるべきものだ。これからのバイクの在り方に一石を投じるDN-01は、今だからこそ乗っておきたい1台ではないだろうか。

SPECIFICATIONS – HONDA DN-01

ホンダ DN-01 写真

価格(消費税込み) = 123万9,000円

680cc水冷Vツインエンジンを搭載するDN-01。HFTに代表される従来のバイクの枠に収まらない新技術、見る者の目を惹く斬新なデザインなど、新世代バイクと呼ぶにふさわしいモデルだ。ソロでも、タンデムでもクルージングの快適さも魅力的。

■エンジン = 水冷4ストロークOHC4バルブV型2気筒 680cc

■最高出力 = 61PS/7,500rpm

■最大トルク = 64Nm/6,000rpm

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