冬の道志・箱根を往く

掲載日:2008年02月27日 ツーリング情報局関東エリア    

くねくね道の先に広がる展望台
警察の取り締まりに注意

みなさん、こんにちは。暦の上では“春”の季語が登場しつつあるこの頃ですが、寒い日が続きますね、今年は。それでも天気の良い日は気温も高くなり、春を予感させるような温もりを感じるときがあるのではないでしょうか。さて今回は、首都圏近郊にある手軽なツーリングコースを紹介します。道程を簡単に説明すると、神奈川県秦野市から始まり「ヤビツ峠」を越えて「道志道」、「山中湖」を巡り御殿場から「芦ノ湖」へと進み、厚木方面へと走る周遊コースです。

イメージ東名高速の秦野中井ICを降りたところからスタートしましょう。国道をしばらく走った後、右折して県道70号へ入ります。最初ゆるやかな勾配の2車線路ですが、やがて1.5車線のタイトなワインディングへと変貌していきます。カーブで30km、直線で50kmに届くかどうかの狭い山道も、両脇には緑豊かな木々の生い茂る森が続き、都会のコンクリートジャングル(表現が古い?)に囲まれた日々を送る者にとっては、たまらなく楽しい道程です。シールド越しに、きらめく木漏れ日をめいっぱい感じながらの、ファンライドを楽しめるでしょう。道を進んでいくと、急に森がひらけて青空が見え、山腹に設けられた展望台が唐突に姿を見せます。展望台の名は“菜の花台”。この木造の展望台からは、南は相模湾・江ノ島、西は富士山までを一望できます。カップルのデートスポットとしても有名のようで、展望台には、ペンでいろいろな書き込みが…(笑)。“菜の花台”を後にし、タイトなワインディングをさらに北へと進みます。道が2車線へと広がる頃には、曲率のきついカーブも少なくなり、行く手には宮ヶ瀬湖が見えてきます。宮が瀬湖沿いには、きらめく湖面を両脇に従えた長いストレートがあり、開放感に誘われて思わずアクセルをぐいっと開けたくなるところなのですが、気をつけて。ここはスピード違反をする人が多いところで、取り締まりも頻繁にあります。まだまだ先は長いので、節度を守って走りを楽しんでください。

ライダーに人気の“道志道”
雪の残るのどかな田舎道

イメージ県道70号→県道64号と走り、国道413号、通称“道志道”へと走りましょう。道志道は山間を走るのどかな田舎道です。国道ですので、そこそこの交通量はありますが、周辺に工場や都市が少なく、トラックやバスをあまり気にせず走れるのが魅力です。この日は、一昨日の積雪が道路脇に残っている中での走行でした。幸いにも道路には圧雪も無く、快適に走れましたが“雪が残っていたらどうしよう(汗)?”と、正直ドキドキしつつ走っていました。道の駅“道志”には、この寒さと雪に臆せず走りに来ているツーリングライダーもかなりいます。“みんな元気だなぁ”と自分のことを棚に上げつつ、そんなことを思う私(笑)。道の駅“道志”では、冬場には炊き出しの豚汁などが露天で売られています。それをひとつ買い、冷えた体を温めてから出発するのも、この時期はオススメです。道の駅を越えて道志道を西へ進み、緩やかな峠“山伏峠”を越えると、標高1000m近い高地にある湖「山中湖」の袂へと出ます。山中湖の澄み切った湖面の上を遊覧船が走り、水面の向こうには富士山が雄大な姿を見せてくれます。仲間と一緒なら、湖畔の駐車場にバイクを停めて、ひなたぼっこしつつ談笑に花を咲かせるのもオツではないでしょうか。レストランや売店のあるエリアもあり、昼時に訪れてゆっくり休憩するのにもピッタリです。

箱根の山岳ロードを満喫
夕暮れからの寒さに注意

イメージここから先は進路を西から南東へと変えて、山を下ってゆきます。幹線道路の国道138号を箱根へと走ります。通行量のある区間なので御殿場を過ぎるまでは焦らず慌てず、ゆっくり走りましょう。御殿場を抜け、国道138号から県道401号へ右折すると、また楽しい山道の始まりです。県道401号→箱根スカイライン→芦ノ湖スカイラインと山岳ロードを繋ぐルートは、箱根の山道を満喫できる定番のツーリングルート。道もまずまず良く、走りを楽しめるはず。芦ノ湖を一望できる展望エリアなど、そこかしこに設けられたパーキング付き展望エリアからは、魅力的な眺望を望むことができます。初めてここを訪れたのならば、ひとつひとつ寄っていくのも楽しいですよ。箱根山岳ルートの中でも、中低速の気持ちの良いコーナーが続く芦ノ湖スカイラインは、走りを楽しむならココ。と言えるほど面白い道です。走り系のバイク雑誌で、コーナーの走り方解説などに使われることも多く、雑誌で見た「あの写真のコーナー」をここで見ることができます。走っているだけだと意外と気づきにくい、雑誌で見たあのコーナーですが、見つけるコツは「駐車場」。カーブの外側に沿って駐車場のあるところを撮影ポイントにしていることが多いので、探してみてください。

イメージ芦ノ湖スカイラインを終点までくると、そこは「箱根峠」。朝から走っているなら、そろそろ日も傾き始めている頃。春分の日を越えるまでは、日が暮れるとぐんと冷え込みますし、路面が濡れている時は足下も心配です。早々に山を後にしましょう。箱根峠から先は、箱根新道・ターンパイク・国道1号と色々ルートはありますが、今日は箱根新道を下っていきます。ここから先は、箱根新道→小田原厚木道路→東名高速と、首都圏方面に戻るのならば、高速道路で一気に戻ることができます。ツーリグの前半が比較的中低速のワインディング中心のコースだとしたら、後半は高速クルージングの世界。暁に色づき始め、黄から橙、紫、青、藍 そして暗闇へと美しく染まる大空のグラデーションを頭上に仰ぎ、行く手を走るバイクや車のきらめくテールランプをパスしながら、温かな家と家族の待つ家路へと急ぐRUNが、このショートツーリングの〆になります。

さて、いかがでしたでしょうか。2月のツーレポでは首都圏でもメジャーなツーリングスポットを組み合わせて紹介しました。今年は比較的寒く、山間部には2月だと雪が残っていることも多いと思います。春の声が本格的に聞こえ始める3月辺りに走られることをオススメします。私のツーレポも、今回で最終回になります。きちっと〆切を守って記事を書く。というのも、趣味として楽しんでいることとはいえ、それでも大変だなぁ。というのを痛感した一年でした(笑)。走って楽しめるツーリングコース中心でルートを考えていたため、さてネタ(話題)をどう膨らませていくかについて毎回悩みました。約一年間、つたないツーリングレポートにお付き合いいただきありがとうございました。

コーイチ
プロフィール
コーイチ

東京都在住。HONDA CBR600Fに乗り、関東のあちこちを走り回る根っからのツーリングライダー。CBRの走行距離も7万キロを越え、週末ごとにその走行距離は伸びるばかり。ツーレポを担当することになり、「10万キロ越えが近づいた」と笑う。

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