掲載日:2020年06月21日 プロが造るカスタム
取材協力/マーベラスエンジニアリング記事提供/ロードライダー編集部 ※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2018』に掲載された内容を再編集したものです。
'18年2月初旬に新所在地へ移転、新規オープンしたマーベラス。このニンジャカスタムは、同店代表・折目さんが所有する“折目ニンジャ”の最新仕様だ。外観からは純然たるサーキット仕様に見えるのだが、まずはそのあたりの説明から。
「最近サーキット遊びにハマっていて、基本、そっちがメインの作りになってます。内容も見た目より走りに必要なものをチョイスしていくというのがコンセプト。サーキットでもタイムだけに囚われず、あくまでも楽しむことをメインに考えていきたいと思ってるんですけどね」(折目さん)
本気でタイムを出しにいくのならハンドルもセパレートにした方がいいのだろうが、あえてバーハンドルにこだわるのも、こうした考えがベースにあるから。一方でチューニングは折目さんも言う通り、走りの機能に特化したものとなっている。フレームはネック角を変更(キャスターで29→25度)、190サイズのリヤタイヤに対応できるようピボット部も加工を施した上で14カ所を補強&アンダーチューブとサブフレームを直付け加工して剛性アップ。フォークはオーリンズφ 43mm正立タイプにウイリー製トリプルツリー、リヤはウイリー製アームにオーリンズサスといった構成だ。
「フォークはオクムラMEチューンですが、ベストな仕様を模索するためリバルビングを繰り返しているところです。リヤのオーリンズも改良中。ストリート用なら、ウチで開発したナイトロン製マーベラスSPがお薦めなので、そう書いといてください(笑)。ウイリーさんのリヤアームは15年ほど前にオーダーしたものですが、走りメインで考えると、もうちょっとインフォメーションがほしいところ。これは今後シンプルで路面フィードバックをより感じやすいものに変更予定です。フォークまわりもオーリンズの新型正立RWUに、剛性を少し下げたタイプのトッブブリッジを組み合わせた仕様にしようと思ってます」
ZRX1200R用ユニットに換装されたエンジンはJE製ハイコンプピストン、ZZR1200純正6速ミッション、スリッパークラッチキットなどを組み込んだ上でチューン。オイルクーラーはアッパーカウル内にマウントされている。次シーズンにはタンクをショートタイプに変更予定というが、これもライダーをより車体前方に座らせるため。タンク後端、 ステップベース上に貼られたパッドもライディング時のホールド性を高めるためのものだ。
「公道はゆったり、ガンガン走りたいときはサーキット、というのが今の私のスタンスです。ドレスアップもいいですけド、付けたパーツの性能がどんなものか五感で感じ取れたら、うれしさも喜びも倍増すると思うんですよね」
「大事な相棒をいたわりつつ、サーキットで装着したパーツの性能をいかんなく発揮させる。走るのが大好きなお客様にはこのスタイルをお薦めしています」と折目さん。このニンジャ改もまさにその方向性で組まれている。
オイルクーラーはアッパーカウル内にマウント。実走行でもこの位置の方が冷却効率が圧倒的に高いという結果が出ているそうだ。
ZRX1200R純正に換装されたエンジン。クランク、コンロッドは2015年に新品交換(コンロッド鏡面仕上げ、WPC&DLCコーティングなども実施)されており、ミッションもZZR1200純正6速に換装済み。カムはアドバンテージ製ST-1.5、ポート研磨は同店ST- 3。各部パーツフルバランス加工によりバランサーシャフトもキャンセルされている。
キャブはTMRφ38mmでハイスロはアクティブEVO。TGナカガワ製オイルパンバイパスキットも装備する。
3.50-17/6.00-17ホイールはビトーR&DのマグタンJB2。FブレーキはブレンボGP4-RR、同レーシングマスター、サンスター製ワークスエキスバンドの特注品で構成。「ハードブレーキング時のフェードに悩まされていましたが、モノブロック&チタンピストンに交換してからは安定した制動力が得られるようになりました」と折目さん。
Rブレーキはブレンボ削り出し2Pキャリパー+サンスターワークスエキスバンドφ220mmを同店製サポートでマウント。
ステップはナイトロレーシングを、同店オリジナルプレート(10mmバック/25mmアップ)を介してマウント。タンクは近々スピードテック製ショートタイプに変更予定とのことで、ポジションまわりもその際に見直される可能性が高い。EXは同店製コニカルゴルディのフルキット。
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