掲載日:2020年04月26日 プロが造るカスタム
取材協力/岡田モータース記事提供/ロードライダー編集部 ※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2018』に掲載された内容を再編集したものです。
「この車両のオーナーさんは、元々ゼファー750に乗っていて、ウチのZカスタムを見て、Z1に乗り換えたという方です。製作にあたっては『足着き性が良く、軽快でパワーがあり、走りやすく、サーキットでも使用できる』というのがコンセプトでした」そう語る岡田モータース代表・岡田さん。
中でも岡田さんが重視したのは「ミドルネイキッド並みの軽快感あるハンドリング」。一方でサーキット走行のような高速域でも安定感のある車体に仕上げているとのこと。このあたりは17インチ改、エンジンチューニングとも膨大な実証データを持つ同店ならではといったところだ。具体的には車体姿勢、アライメントなどを最適な状態へ持っていき、これに合わせた前後のサスペンションセッティングを実施。その車体にトルクフル、かつ高回転域まで回るエンジンを載せている。
「エンジンはワイセコ製ピストンでノーマル903から1,105ccまでボアアップ、さらに5速クロスミッション、強化クラッチなどを組みました。カムはSTDですが9,500rpm以上も楽に回ります。市街地走行でも油温は上がっても105℃ですね」
このエンジン、決して突出した部分があるわけではない。にも関わらず精度の高い回転感、高回転まで回りきる特性をもっているということはパッケージ全体のバランスが取れており、加工と組みの精度が高いのだろう。仕様が同じでも性能は同じとは限らない。すべては精度と組む人次第。それがチューニングというものなのだ。