掲載日:2020年03月08日 プロが造るカスタム
取材協力/NAC TEL098-963-7566記事提供/ロードライダー編集部 ※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2018』に掲載された内容を再編集したものです。
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X4カスタムにおいても「ノーマルの持っているポテンシャルをフルに引き出す」ことを基本ポリシーとしてきたNAC・立野さん。最近はいわゆるヴィンテージ車のレストアも多く手がけているそうだが、今までこだわってきた完全整備&ファインチューニングという手法は、当然のことながら旧車レストアとも相性がいい。そう言えば立野さんはKZ1300も所有、ここのところツーリングに使ったりしているそうである。
「この車両のオーナーさんは以前からCBXが憧れのバイクだったんですね。ツーリングで僕のKZ1300を見たりしているうちにやっぱり6発はいいねえ、という話になって『いいベース車両があったら仕上げたい』という展開になったわけなんです」そう語る立野さん。
しばらくしてちょうどいい車両が見つかり、そこからレストア作業が始まった。何よりも真っ先にやったのは、現在パーツの出る純正パーツをリストアップすることだった。「欠品が多いと思ったんですが、案外出るパーツが多くて驚きました。この点ではKZ1300より、全然良かったですね(笑)」
コンセプトは極力ノーマルで仕上げることと、現行モデル並みの状態までレストアすること。ホイールや前後ブレーキ、各部補機類などは純正で、メインフレームに関してはリペイントも行っていないそうだ。主要パーツで交換されているのはマフラー(Kファクトリー製チタンの左右出し)とリアサス(アラゴスタ製)程度。新車同然の外観はノーマルパーツの再生、塗装、再仕上げなどによって実現されている。作業はボルト1本まで徹底的にやったそうだ。
写真では分かりにくいかもしれないが、外装色はノーマルのグローリーレッドよりも深みのある赤を使い、さらにダイヤモンドフレークを加えたもの。各部コーションラベルなどはリモーション製のリプロ品を新たに貼り直している。よく見るとリアサスのスプリングシートやスプリングも、この車体色に合わせてパウダー塗装されていて、まったく違和感なし。「峠などで乗ると、思ったよりも軽くてキビキビよく走る。オーナーさんはこのCBXが初バイアスタイヤで、乗り味の違いも新鮮だったようですね。そんなところも旧車の楽しさだと思います」(同)
φ35mmフォーク、ステムはSTDでハンドルやメーター、スイッチ類なども前期型CBX(1000)の純正を徹底的に再生。メーターはリモーション製。
タンク、シートカウルなどは純正色のパターンを踏襲しながらも深みのあるレッド、ダイヤモンドフレークでアレンジ。
ウインカー、ホーン、シート表皮、グラブレールなども純正のままだ。
左右出しマフラーはKファクトリー製チタン。アルミ削り出しのエンジンハンガーはオーヴァー。
ベースは初期1979年式。エンジン、キャブレターもSTD(コンディション良好のためO/Hは未実施)で、クラッチハウジングをリモーション製に変更するのみ。
フロント19/リア18のコムスターホイール、ブレーキなども純正のまま。ブレーキラインのみステンレスメッシュに変更。
リアサスはアラゴスタ製ツイン(ショック長360mm、バリアブルレート=2.2 〜2.8kgf/mm)で他の車両と被らない、カラーオーダーできることも選択の決め手となったとのこと。センタースタンドもそのまま装着されている。
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