掲載日:2019年11月10日 プロが造るカスタム
取材協力/サンクチュアリー横浜大和記事提供/ロードライダー編集部 ※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2018』に掲載された内容を再編集したものです。
このGPZ900Rは、当初は足まわりをカスタムするために、サンクチュアリー横浜大和に入庫した。ところが作業を始める前に同店の代表・川浪さんが各部を点検したところ、電装系やフレームなどに問題が発覚。そのあたりの事情をオーナーと相談した結果、今後も長く乗り続けることを前提にして、レストアとカスタムを同時進行で行うことが決定した。
「近頃、ウチで作るニンジャカスタムは、そういうケースが少なくないんです。もちろん、オーナーさんから依頼された作業を行って完結するというケースもあります。でも、ニンジャは最終型でも15年前という旧車です。入庫時に各部の様子を見ると、ほとんどの個体で経年変化に起因する問題が出ます。その問題への対処の仕方はオーナーさんによりますが、多くのお客さんは今後も乗り続けることを考えて、レストアを依頼してくださいますね」(川浪さん)
前述したように、当初は足まわりのカスタムを主目的としていたこのマシンは、フレーム/外装類のリペイントと電装系/冷却系部品の全面刷新を行い、さらにはライポジパーツや吸排気系の見直しも敢行。ただエンジンに関しては、あえてSTDのままとしている。
「エンジンに手を入れなかった一番の理由は、コンディションが良好だったからですが、それに加えてオーナーさんの懐事情という理由もあります。ただし、現状の姿になってシャシーのレベルアップを認識したオーナーさんは、今後の課題として、エンジンチューンを検討しているようですね」(同)