横浜に誕生した
『KUSHITANI PERFORMANCE STORE』の魅力
掲載日/2018年12月20日
取材協力/クシタニ
取材・文/佐賀山敏行
写真/井上 演
構成/バイクブロス・マガジンズ
高品質な商品ラインナップで、ビギナーからベテランまでを満足させるバイクウェアブランド『クシタニ』。全国に直営店を展開する同社が、横浜みなとみらい地区にあるオープンモールMARINE & WALK YOKOHAMAに、4店舗目となる『KUSHITANI PERFORMANCE STORE』をオープンさせた。高級ブランドやお洒落なレストランが並ぶ、一見バイクとは無縁に思える場所への出店だが……そこには、クシタニだからこそ為しうる戦略があるのだ。

一般の方にもバイクの魅力・クシタニの良さを知ってもらいたい

全国にPROSHOPを展開するクシタニが、2018年11月に新たにオープンしたのが『KUSHITANI PERFORMANCE STORE』だ。場所はライダーよりも、およそバイクに興味がなさそうな一般客が多く行き来するMARINE & WALK YOKOHAMA。デートや家族連れのショッピングスポットとして人気の場所だが、なぜこの場所にクシタニがあるのか? それを知るにはまず、同社の直営店KUSHITANI PROSHOPとKUSHITANI PERFORMANCE STOREを説明しなければならない。

KUSHITANI PROSHOPは、同社の既製商品が並ぶだけでなく、オーダーメイドの革ツナギやレザージャケットの採寸・注文もできる。店舗デザインも落ち着いた大人の雰囲気で、現在、全国に22店舗を展開。まさに地域に根ざした専門店といえる存在だ。「ウェアを揃えたい」、「買い替えたい」というライダーの頼れる味方として高い支持を得ている。

専門店のPROSHOPとは変わって、PERFORMANCE STOREの第1号店は新東名高速・清水PA(静岡県)にオープン。当時、高速道路のパーキングエリアという斬新すぎる立地は話題となった。実際に同店はライダーだけでなく、休日ともなればドライブ途中のお父さんやお子さんにも大人気。「バイクもいいなぁ……」そんな心の声を表情に出す人たちであふれている。さらにライダーの聖地として人気の道の駅・針テラス(奈良県)、新東名高速・浜松SAにも展開し、そのどれもが好評。そして、今回の横浜である。街中にあるモール街にオープンすることで多くのバイクに乗っていない人にもアプローチをしている。

限定商品もラインナップした特別なショップ

MARINE & WALK YOKOHAMAは、横浜市のなかでも観光やデートスポットとして人気のみなとみらい地区にある。コンセプトは「海沿いの倉庫街に街路をつくる」というもの。近くに港があり、人気の赤レンガパークもすぐそこ。取材当日も、平日にもかかわらずたくさんの人で賑わっていた。そして、同店にはライダーだけでなく、バイクに縁のなさそうなお客さんの姿もチラホラ。

入り口から店内を見渡すと、ウォレットやバッグ、パーカーなどが目に入る。あえて“バイク色”を薄くすることで、一般のお客さんも入りやすくしているのだ。

バッグはライディング用としての機能を充実させつつ、普段使いもできる高いデザイン性が魅力。PERFORMANCE STORE限定バッグもあり、ウインドウショッピングを楽しむお客さんの注目を集めていた。

お店としてはこうした一般のお客さんは大歓迎。当然、誰にでも入りやすく、そして入りたくなる工夫が凝らされている。

「外から見えるところにはウォレットやバッグなど、誰もが興味を惹くものを配置しています。ちなみにこれらの商品はPERFORMANCE STORE限定で、量販店はもちろん、PROSHOPやウェブストアでも買えません。バイクに乗るお客様でも、これらを見るために遠方から来店いただく方もいるほどです」

店舗を奥に進むと雰囲気が一変。革ツナギやライディングジャケット、グローブなどの“専用アイテム”が並ぶ。当然ながら、バイクウェアを求めるライダーを十分満足させるラインナップが揃っているのだ。

店舗奥に進んでいくとライディングウェアが姿を現わす。レザージャケットやライディンググローブ、そして革ツナギが並ぶ様は、まさしくバイク用品専門ショップだ。さらに見逃せないのが一番奥。オーダーメイド専用の打ち合わせスペースがあるのだ。一般向けの顔を持ちつつも、ライダーもしっかり満足させる……それがこの新店舗最大の魅力といえるだろう。

1947年に創業し、1950年代に日本ではじめてバイクレース用革ツナギを製作したクシタニは、以降その品質の高さは国内のバイク黎明期を支え、バイクブーム全盛期からは世界GPでも活躍。プロライダーはもちろんのこと、アマチュアレーサーからツーリングライダーまで、あらゆる層から支持されてきた。つまりクシタニは70年もの間、ウェアを通してバイクの魅力を発信し続けてきたブランドといえる。そしてその発信力は今季、いよいよ一般の人たちにも向けられるのだ。

クシタニが提案するバイクライフは、KUSHITANI PERFORMANCE STORE YOKOHAMAによって、新たなステージに進んだようだ。

限定アイテムのなかでも特に人気が高いのが財布類。クシタニオリジナルのレザーやカーボンを使いつつ、ファッショナブルに仕上げている。豊富なカラーバリエーションも支持のポイントだ。【写真上左】ラウンドファスナーウォレット(2万4,840円) 【上右】ロングウォレット(2万520円) 【中】ファスナー付き財布(1万7,280円) 【下】ラウンドファスナー小銭入れ(7,128円) ※表示価格はすべて消費税8%込み

IDケースやiPhoneバンパーはジュラルミン製スマートフォンケースで定評のあるギルドデザインとのコラボアイテム。名刺ケースには世界最小のベアリングが採用されていて、スムーズな動きは一見の価値あり! チタン製カップとタンブラーは高性能エキゾーストマフラーをリリースするクラフトアルマジロとのコラボレーション。バイク好きにはたまらない造形が魅力となっている。ちなみにタンブラーは中空二重構造になっており、保温保冷性能に優れている。【写真左から】名刺ケース(1万3,500円)、iPhoneバンパー(1万2,960円)、IDケース(6,912円)、キーホルダー(3,888円)、チタンカップ松(1万260円)、チタンブラー(1万9,440円) ※表示価格はすべて消費税8%込み

シンイチロウアラカワとのコラボバッグ。1DAY ツーリングバッグはその名の通り、日帰りツーリングでの荷物を収納するのに十分な容量を誇る。メッセンジャーバッグは普段使いにも最適だ。【写真左】1DAY ツーリングバッグ(3万7,800円) 【右】メッセンジャーバッグ(3万6,720円) ※表示価格はすべて消費税8%込み

クシタニのウェアが高い支持を得るのは当然理由がある。そのひとつが高い品質と安全性。たとえばレザージャケットでは、写真のように2枚の革が重なる部分は、普通なら分厚くなる。ところがクシタニでは重なる部分を職人が手作業で鋤き、厚さを均一にしているのだ。これは見た目が良くなるのはもちろんのこと、万が一の転倒時にウェアが引っかからないようにするための処置。シンプルなデザインのなかにも、圧倒的なこだわりが凝縮しているのだ。

ほかにも、レザーの繋ぎ目を見てみると、表面に出ている糸は基本的に補強用とのこと。じつは生地の裏側から本縫いがされていて、これによって縫製は一般的なウェアと比べて非常に高い強度を誇る。もちろん、これも転倒時などにウェアが裂けるのを防ぐための配慮である。こうした手間と改良の積み重ねによって、クシタニはライダーから絶大な信頼を得ているのだ。

MARINE & WALK YOKOHAMAは観光客も多く訪れる横浜の人気スポット。ライダーだけでなく一般のお客さんにもバイクの良さを知ってもらいたいというクシタニの想いは、ライダーなら誰もが応援せずにはいられないはず!

KUSHITANI PERFORMANCE STORE YOKOHAMA
住所/神奈川県横浜市中区新港1-3-1
電話/045-323-9682
営業/11:00~20:00
定休/無休

BRAND INFORMATION

住所/静岡県浜松市南区三島町231
電話/053-441-2516(お客様相談窓口)
定休/日曜、祝日、第2・4土曜日
創業70年を超えるバイクウェアブランド。レーシングカテゴリからツーリングやアーバンユースと幅広くラインアップ。ライダーズカフェも展開するバイクライフスタイルを提案している。