掲載日:2016年03月16日 プロが造るカスタム
取材協力/マーベラスエンジニアリング
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2014』に掲載された内容を再編集したものです
今もそうかもしれないが、昔のバイク乗りという人種は、かなりのへそ曲がりというか、天の邪鬼が多かったように思う。たとえば峠でナナハンをカモるために2スト250をイジったり、シグナルGPで最新バイクを片っ端から負かす。そんな時でさえ、できるだけカスタム(当時の言葉では改造)していないように見せる。見た目はただの中古、でも中身のセッティングとメンテナンスは完璧。もちろん訊かれたって本当のことは言わないという人が多かった。
「このZRXのオーナーさんも、そんなところがあるかもしれません。リアまわりはノジマさんとこのNJ-2(ZRXシリーズのリア・モノサス仕様コンバート)でモノサス化してありますけど、それ以外はよくあるボルトオンカスタムに見えるし、外装もかなりヤレてます。でも中身はかなり凄い(笑)。メンテナンス含め、定期的にきっちりおカネかけてますしね」(マーベラス代表・折目さん)
10年ほど前、マーベラスに初めて来た時はほぼノーマル状態だったというZRX1100。フロントフォークはφ43mmオーリンズの初期ロットで何度目かのオーバーホール時にアウターを現在の黒に変更
とくに注目は同店が全面的に手を入れたというエンジンだ。ワイセコ製ピストンで1,108cc化、これを今となっては超レアなビート・ナサートST-IIカムで回し、ヘッドもポート加工&面研のほか、ポート内に突出しているバルブガイドも全カット(もちろん、これはガイドとバルブのクリアランス、高い組みの精度などがあって初めてできることだ)。キャブレターが負圧タイプ+パワーフィルター仕様なので、甘く見られがちだが、折目さんは「そのへんのビッグバイクなら軽く置いていくぐらいの加速をします」と言う。NJ-2改やフロントのオーリンズ製フォークなども、こうしたパワーを活かし、きっちり走らせるためのものというわけだ。
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