掲載日:2016年03月09日 プロが造るカスタム
取材協力/ブラビッシモ
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2014』に掲載された内容を再編集したものです
旧車、とくに1970年代から80年代にかけての空冷マシンにおいて、避けられない持病といった感のあるオイル上がり/下がり。原因となっている部分(バルブまわりの劣化、シリンダーやピストンリングの摩耗)のみを修理するなら、ヘッド、シリンダーのいわゆる『腰上オーバーホール』でも直るのだが、年式を考えるとフルオーバーホールを行い、長く安心して乗れるようにするのが、やはり最善の策と言える。ブラビッシモが手がけたこの1000Rも、まさにそんな段階を踏んだ1台だ。
「当初はオイル消費が早いということで来店されて、最初はバルブガイドシール、ピストンリング交換あたりから作業を開始したんですが、その後、やっぱり抜本的に対策したいということでフルオーバーホールに踏み切りました。で、エンジンが元気になると足まわりに手を入れたくなり、足まわりが組み上がるとフレームが汚いのが気になり、補強&パウダーコートというように、だんだんカスタムが進んできたんですね」
ベースは1981年型R1。エンジンO/Hの後に補強&パウダーコートを施したというフレームは左右リアアームピボット部を補強、さらにエンジンマウントもウッドストック製に変更
そう語る同店代表・池上さん。Z1000Rに限らず、旧車系は一度徹底的に分解整備すれば長く乗れるバイクに仕上がる、というのが池上さんの持論。ただ、そのためには単に全バラするだけではダメで、その際に細かい部分にまで対策を施していくことが必須となる。
「たとえばケース、ヘッドなどに関してはネジ山ごとネジが抜けてしまう場合も多くて、そうなるとヘリサート加工などのネジ山再生をしないといけません。フレームも目に見えない部分にサビが発生していることも多々あるので、ひどい場合にはフレームそのものを部分的に作り直したりもします。そこまでしてこその全バラ修理だと思うんですよ(笑)」
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