掲載日:2015年08月21日 プロが造るカスタム
取材協力/ACサンクチュアリー本店
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2014』に掲載された内容を再編集したものです
カワサキ空冷4気筒の最高峰として広く認知されているものの、カスタムの素材として見た場合は、決して人気車とは言えない1983~85年型GPz1100(ZX1100A)。だがACサンクチュアリーの代表・中村さんは、このモデルに強い思い入れを持っているようだ。
「実は若い頃にオーナーだったことがあるんですよ。やっぱり最強の空冷カワサキですから、一度は所有してみたかった。でも実際に乗ってみると…。何だこれは? という感じでした(笑)。とにかくもう重くて大きくて、他の、それまでの空冷Zシリーズとはまったく違う乗り味でしたね」(中村さん)
こうして一度は空冷GPz嫌いになった中村さんだが、ショップを起こし、チューナーとしての実力を身につけていく中で、そんな苦手意識は徐々に薄れ、逆に空冷GPzの素材としての魅力に興味が湧いて来る。
「改めてこのモデルを分析してみると、Zシリーズの最終形として製作されたエンジンとフレームは素晴らしいんです。じゃあ以前の僕がどこに疑問を抱いたか。ツアラー然としたディメンションと重過ぎる重量なんです。となれば、それをRCM(リアル・コンプリート・マシン)製作で培ったノウハウで補正すれば、最強の名にふさわしい乗り味が作れるのではないかと」(同)
その思いを結実させたのが、この車両だ。RCMの技法で前後17インチホイール化や現代的なサスで足まわりを全面刷新し、これに応じてディメンションを現代的な設定に変更し、ノーマルとは比較にならない秀逸な運動性能を獲得。若い頃に抱いた疑問を解消できた中村さんとしても、この仕上がりには大いに満足しているようだ。
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