掲載日:2010年03月31日 特集記事 › 絶版フラッグシップの誘惑 ~ホンダCB750Kシリーズ ~
記事提供/2009年11月24日発行 絶版バイクス5
「キング・オブ・ナナハン」の代名詞であり、今でこそ大人気絶版車の筆頭モデルであるCB750K0だが、ツインカムエンジンのCB750Fが登場した当時は、もはや旧車の仲間入りを果たし、市場では注目されない存在だった・・・・・・
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今でこそCB750K0は、超がつくほど大人気な絶版車の一台である。しかし、僕が購入した当時は、特に人気が高かったわけでも無く、数多くのファンが新世代ツインカムエンジンを搭載したCB750Fシリーズに注目していた。
実は、僕個人が注目していたのも新型CB750Fで、ボルドール仕様と呼ばれる赤バージョンが限定発売された頃には、近所のバイク屋さんに展示されていた赤Fを、当時の愛車Z2に乗って何度も見に行ったものだった。81年になり、Z2からCB750Fに乗り換えようと思った時、CB750FはFAからFBへと進化。僕としては、ブルーメタリックのFの新車が欲しかったので、FBにブルーメタリックが無いと知ったときには大きなショックを受けた・・・・・・。
そんな当時、友人の紹介でめぐり逢ったのがCB750K1だった。HM300から弾き出される排気音は迫力満点で、見た目はボロなK1でも、僕の気持ちは一気に旧型CBナナハンへと移って行った。当時は新車の登録年から10年を越すと車検が2年から1年になってしまう制度があり、そんな関係で、数多くのCB750K0が中古車市場に出回った時期でもあった。そんな当時だからこそできたことだと思うが、その後、程度が良いCB750K0を「見つける→乗り換える」を繰り返し(しかも短期間で)、このCB750K0に出逢ってから、気が付けばもうすぐ28年になる。
カワサキZ1も魅力的な1台である。初代CBシリーズでは、Z1のパフォーマンスを超えることはできない。しかし、CBナナハンには、Z1とは明らかに違ったフィーリングやテイストがある。どちらの方が好きだといった好みは別にして、この頃の絶版車には現代のバイクには絶対に無い「強烈な個性」が、どのモデルにもある。僕は、この時代のバイクが大好きだ。そんな個人的な趣味嗜好が「絶版バイクス誌」のようなバイク雑誌を世に送り出そうとする原動力になっている。
CB750K0に乗ると「もうこれ以上なにも必要ない」といった気持ちになれるから不思議だ。チューニングやカスタマイズでも楽しめる1台だが、ドノーマルが一番個性的であり、尚且つ他のモデルでは味わうことができないライダーを高揚させてくれるテイストがある。
今、絶版車シーンで初代CB750シリーズが愛されている理由は、まさにそんな部分にあるのではないかと思うが、いかがだろう? 手放したくない素晴らしいバイクである。 (田口勝己) | 購入以来、もうすぐ28年になる1969年モデルのCB750K0。20年前に車体をレストアし、10年前にはエンジンもフルオーバーホール。「将来乗れなくなっては困る」と本気でメンテナンスしたのだが・・・・・・ |
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